総合的にSXSW2013のレポートをお伝えしてきました。
最終回の第三回は、見本市とオースティンのMini Maker Faireをレポート。

見本市

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最先端のガジェットやサービスが集まる見本市。
トレードセンター内にあるので、
講演の合間にチェックできます。みんな陽気だなあ。

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Digital Touch Systemsによる、
骨格から顔認識を行い、性別・年代を判定してターゲットに
合った動画などを流す店頭広告サービス。
かなり正確で驚きました。

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すさまじく迅速に動きまわるデバイスがついた、
ビデオ会議サービス「beam」。
普通のビデオ会議サービスでは、普通カメラは固定されて
いますが、これなら歩き回りながら会議できます。
「ビデオ会議もクール、歩くのもクール、だから一緒にしたんだ」
と代表は語っているそうです。
変わった見た目ですが、
画質・音声ともにすごく高品質でした。

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polk社のワイヤレスヘッドフォン。
ブースの中のミュージシャンの演奏を聞くデモンストレーション。

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WebINKのExtensis社によるおしゃれなブース。

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脳波でネコミミが動く「necomimi」の「neurowear」チームも
ブースを出展。今回は新製品の、脳波を読み取ってレコメンドした
音楽を流す新製品「mico」を発表し話題を呼びました。
海外でnecomimiを買ってファンになったという
女の子が、ブースを訪ねて来てくれました。

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ネコミミチームのみなさん

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茨城県つくば市の一軒家に共同で住み、
アプリなどの開発をしている開発者集団「FULLER」もSXSWに参加。
不要なアプリを削除することでバッテリーの持続時間を
増大させるAndroidアプリ「ぼく、スマホ」を出展。
FULLERは高専出身のエンジニアを中心としており、
オリジナルなアイデアのiOS/Androidアプリを
開発しては順調に出資金を得ている注目のグループ。
写真:左から渋谷修太氏(FULLER CEO)、おじさん、藤原たかひろ氏(FULLER CTO)

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ビリヤード台にkinectを使ったARシステムを搭載し、台の上やボールに映像、音をクロスオーバーさせるプロジェクト「Openpool」。

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杉本雅明さん(ラボプロダクション代表)ほか、「Openpool」開発メンバーのみなさん。




ミニMaker Fair

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また別会場では、3Dソフトウェアのメーカー、
Autodeskがスポンサードする「Mini Maker Faire」も開催されていました。

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3Dプリンタの如く、配線図を印刷してしまえるそうです。

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MITのEric Rosenbaumによる、身近なものが楽器になるキット「MaKey MaKey」を使ったフルーツ楽器。

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スポンサーのオートデスク提供のソフトウェア、
123DをiPadで操作し、3Dのモンスターを
デザインするキッズ。

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アーティストのAMANDA GHASSAEIさんによる、
3Dプリンタで作ったレコード。

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ダフト・パンクやジョイ・ディビジョンなどの
音源をプリント。
試聴するQosmoの澤井妙治さん。
「曲によってはかなりはっきり聞こえる」とのこと。
ロックは確かに聞きづらいですが、ダフト・パンクの
ようなサウンドはかなり実用に耐えるものでした。

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撮影した後にピントを合わせられるカメラ
Lytroもメーカーフェアにて
実演販売をしています。

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Lytroで写真を撮って遊べるショウルーム。

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澤井さん、早速購入されてました。

Googleのパビリオン “ART COPY CODE”

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Googleのパビリオンは、
Googleは2013年3月7日にオープンした、
ブランド広告の新しい姿を追求するプロジェクト「Art Copy & Code」がテーマ。

これは広告において、クリエイティビティあふれる
実験的なプロジェクトなど、テクノロジーを使った
新しいかたちを追求するプロジェクト。

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1960年代に広告はアートディレクターとコピーライターによって
現在のかたちの元となる革命を起こしたわけですが、
これに「Code」(プログラム)を加えてさらなる
革命を起こそうということなんだそうです。

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会場は「プレイグラウンド」ということで、
バスケットゴールなどが用意されて
誰でも体を動かして遊べるようになっていました。

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Zach Lieberman & YesYesNoによる
「トーキング・シューズ」。

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ソフトウェアから基盤からはんだづけから、
全部自分たちで行ったと苦労を語ってくれました。

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ジョーさん(左)とザック(右)


SXSWならではのステキなアイディア


茶目っ気もたっぷりのSXSWには、
ステキなアイデアがそこかしこに散りばめられていました。

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これはゲームエクスポ会場内に出現した休憩所。
普通であればインターネットにつながるはずの「ホットスポット」が、
「デジタルデバイスお断り」の、紙にアクセス可能なスポットになっています。

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家具など凝った作りで、これはちょっと真似したい。



まとめ

2013年のSXSWでは、未来的なデバイスが現実のものになりました。
Google GlassやLeap motio、ARドローン。
Nike Fuel bandのように、
小さなデバイスで身体の情報を取得してクラウドに蓄積し、
病院に行かなくても専門の医師から
アドバイスを受けられるようになったり、
タイムラグのないチャットツールで
遠隔とのコミュニケーションが
抵抗なく行えるようになりました。
さらに、3Dプリンタやスキャナなどファブリケーションの道具も
デスクトップで使うことが現実に。

いま、高速インターネットが普及した結果、
先進国の情報格差がなくなり、同じ情報、
同じテクノロジーを享受出来ます。
それは「世界のどこに行っても同じような作品」
が生まれるという(アート界にとっては)諸刃の剣でもありますが、
面白い・有用なアイデアであれば、世界中を
席巻できるということでもあります。

本当にオリジナルなアイデアが
グローバルなレベルで評価される時代に
なっています。

デバイスが革新的なものになれば、
それを操作するインターフェイスも
これまでと違うものが求められます。

来年のSXSWでは、それらの新しいデバイスを
現実のものとして使いこなし、生活に取り入れた
段階でのアイデアが出てくるのでしょう。
これからの1年はそのようなアイデアのニュースが
たくさん届けられるとおもいますし、
きっとまた来年のSXSWもたくさんの刺激を与えてくれることでしょう。