SXSW interactive 2013レポートその2 【今年の注目スタートアップ&nubot探検記】
第一回はジェネラルな情報をお伝えしました。
第二回は今年の注目スタートアップと、
日本人初のSXSWインタラクティブアワード・ファイナリストに
選ばれたnubotとの探検記をお伝えします。
SXSW2013でデビューした注目スタートアップ
今年SXSWで発表され、話題になったアプリはこれだ!
iPhone上で簡単ホームビデオ作成「Takes」
個人的にinstagram以来の革命的ソーシャルアプリ「Takes」。
撮影した動画を素材にしたイメージビデオを
手軽に作成し、SNSで公開することができます。
iPhoneで写真を撮るように動画を撮影し、
素材の再生順番を選んで、
BGMを付けてSNSにアップ。
まるで写真のスライドショーを作成するような手軽さ。
これまでビデオカメラで撮影して、編集して取り込んで..
という手間が必要だった映像編集を身近にした功績はスゴイ。
アプリ作者のアミット・マンいわく、アプリを作るきっかけは
ハリー・ポッター。ハリーの世界では、新聞に載っている写真
は全部動いています。アミットはこれを現実の世界で
やりたいと思ったそうです。
仕込みiPhoneでお馴染みの森翔太さんをモデルにデモムービーを
作ってみました。単なる飲み会の記録もポエティックになります。
http://www.takes.com/Take/ac672ca85c/
Facebook疲れのあなたに贈る「Hater」

「これキライ!」という情報をシェアするアプリ「Hater」がデビュー。
言わずと知れた、「Like(好き)」ボタンしかない
Facebookへのカウンターとして制作されました。
日本には「どうでもいいね!」がありますけど、
やはり世界もオンライン社交にお疲れ気味のようですね。
「Hater」はユーザーが写真や記事を投稿し、
共感した人が「HATE(嫌い)」ボタンを押すiPhoneアプリ。
「レストランの行列」など様々なトピックが公開されているのですが、
「duckface」という日本でも流行った「アヒル口」を糾弾するトピックも。
一見ネガティブな情報ばかりのようですが、
「ゴミをリサイクルしないことがキライ」など、
ポジティブな方向になる可能性もあるんです。
ちなみにHaterのアプリ自体は、ロゴなどのアートディレクションは
良くできていますが、UIなどの使い心地が良くないのが残念なところ。
普通に便利「younity」

Wifi経由でPC(WinもMacも)と
スマートフォンを同期出来る、
すごく便利なアプリ「younity」。
パソコンに入っているファイルを開いたり、
iTunesに入っている音楽を聞いたり、
PCとスマホ両方のアプリを立ち上げるだけでカンタンに出来てしまいます。
SXSW interactive awardとは

SXSW interactive awardとは、
今年で第16回目を迎えるデジタル・クリエイティブのアワード。
「アート」「ビジネス」など15のカテゴリに分かれて
グランプリを争います。
今回、林智彦さんと千房けん輔さんによる
nuuo社が作った「nubot」が、
このアワードの「Personal」部門
ファイナリストに選出されました!
一説には川村真司氏以外で初の日本人ファイナリストだとか(笑)。
nubotって?

nubot(ヌボット)とは、スマートフォンを使ったチャットロボット。
スマホには話している相手の顔が表示されますし、
人形の首や手を遠隔コントロールすることもできます。
まるで液晶の向こうにいる人がそこにいるかのように
おしゃべりできるのです。
東京と福岡に離れて暮らすnuuo社のミーティング
ソリューションとして作られ、
現在はサイトで販売もしています。
このnubotが、街を歩いているだけで
「これ何?!かわいいね!」と声をかけられまくる
大人気ぶり。

すごくキュートだし、
シンプルなアイデアが良いと評判でした。

SXSWには、「高級ホテルのバーにいると投資家に声をかけられる」
というの裏ワザがあると聞き、早速ヒルトンや
フォーシーズンズのバーで待機。
いろいろなお客さんから声をかけてもらいました。

見知らぬ人にでも、面白いなと思ったら
「これ何?」って気軽に聞けるメンタリティが
うらやましかったです。
ファイナリストだけのパーティ

nubotに便乗して、
ファイナリストのみが招待される
パーティに潜入。
世界中のクリエイターが集まっていました。

ファイナリストのみが飲めるカクテル。

nubotはここでも大人気。

ウルグアイのプロジェクト「N by Jorge Drexler」
のクリエイターさん。
ミュージシャンのホルヘ・ドレクスレルをフィーチャーした
音楽アプリ。分岐点で選んだポイントによって、
音楽やグラフィックが変化していきます。

アプリを聞く徳井さん(Qosmo)。

お返しに、徳井さんが手がけた、salyu x salyuの楽曲を
インタラクティブなミュージックビデオとして
楽しめるiPhoneアプリ「muse’ic visualiser」を披露。
とても喜んでおられました。

アメリカのペンシルバニア州を
拠点に活動するデジタルエージェンシー「Neo-Pangea」のみなさん。
全員お揃いのスタイリッシュな衣装で目立ってました。カッコイイ!
ナショナル・ジオグラフィックのWebコンテンツなどを
手がけられてます。名刺の肩書きも「BARON OF PIXELS(ピクセル男爵)」、
「PRIME ALGORITHMICIST(アルゴリズム大臣?)」
みたいに洒落てます。自分たちの地元を離れず、余裕のある
ワークスタイルでクリエイティブな仕事ができるのは
すごく良いと語ってました。
その場でパラパラ漫画が作れるサービス「PicFlips」





その場で写真を撮って、
好きな背景と合わせたパラパラ漫画を
印刷するサービス「PicFlips」
のデモンストレーション。
家庭用のカメラとプリンタで出来てしまう
のがスゴイ!結婚式やパーティなどに最適です。


いざ授賞式

こんなに評判がいいんだから、
きっとアワードでもグランプリ間違いない..!!
お待ちかねの授賞式の会場は、
ヒルトン・オースティン・ダウンタウンの
豪勢なパーティ会場。
SXSWインタラクティブの最終日の夜に、
楽しかったフェスティバルのフィナーレを飾ります。

司会は女優/コメディアンのアイシャ・タイラー。
頭の回転が早く、ジョークをかっ飛ばしながら
受賞作を読み上げる彼女。いちいち、自作の俳句を
読むのがおかしい。

nubotも待機中。

緊張気味の林さん。
さて「personal」部門の受賞者が
発表されましたがなんと..

残念!!!受賞ならず!!ガビーン

でも、いい思い出になりました。
アイーシャ・タイラーさんと記念写真。
宇宙137億年の歴史を一本のタイムラインで表現

nubotは残念でしたが、同じテーブルだった
「ChronoZoom」さんが、
教育部門でグランプリを受賞!
これはマイクロソフト・リサーチと、バークリー大学による
壮大なオープンソース・プロジェクト。
137億年昔から現代に至るまでの宇宙の歴史を、
一本のタイムライン上にまとめてビジュアル化するんです。
このプロジェクトはまだ始まったばかりで、
どんな出来事がこのタイムラインに加えられていくのか、
ワクワクしますね。

ChronoZoom開発チームより。左:バークレー大学のRolandくん、
(右)マイクロソフト・リサーチのMicheal Zyskowskiさん。
ChronoZoomはもともと、Rolandくんの卒論の研究だったそう。
Michealさん、アイアンマンのような男前。
ワシントンのマイクロソフト・リサーチのラボで日々
ChronoZoomのアップデートをされているそうです。
次回の最終回は、今年の見本市と
総集編をお送りします。
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