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このまえ、漫画家さんに2年ぶりくらいに会ったときは、漫画家さんが泊まっている渋谷のホテルに朝迎えに行った。ホテルのロビーで漫画家さんは待っていて、我々を見ると立ち上がって挨拶した。ホテルのロビーで待ち合わせとか、なんか昭和の文豪みたいでいいなと思った。この漫画家さんは漫画だけじゃなくて音楽もやる。あと映画館でバイトをしてイベントを企画するし、自分のサイン会もするし、チェキ会もプロデュースする。そして自分でポッドキャストをやるくらいお話がものすごく上手で、何のジャンルの話を振ってもとうとうと面白いことを話してくれるので、お話するたびにずっとゲラゲラ笑っている。

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広島の街を漫画家さんの後部座席に乗って走りぬける時に話したのが「魔法なんて信じない。でも君は信じる。」っていう言葉の意味についてだった。私は何年か前、この言葉をきいたとたんに大好きになって、こんなにロマンチックな概念があるもんかと思った。

魔法について。魔法っていうか、極端な話、私はこの世界は全部まやかしで出来ていると思っている。どんなに偉い人だってその権力も所詮は人間が勝手に作り上げた神輿の上にいるんだし、もてはやされている才能の人も、大富豪も、美人もハンサムも、ぜんぶ人間がなんかのしがらみのなかで決めてきた尺度の上にいる。人間はただ生まれてただ死ぬ。ぜんぶ剥ぎ取れば、みんな骨の上に肉がついている36度のかたまりだ。でもそれ以上の意味を見出しちゃう人もいて、そういうのが恋とかっていうんだと思うんですけど、とにかくそういう人を見ると「魔法なんて信じない。でも君は信じる。」って言いたくなるんです、っていうのを、その言葉を作った人と、広島の道路の上で話して面白かった。それが広島の想い出のひとつ。