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その日は冬の良く晴れたとても天気のよい日で、
光の感じがものすごく絶妙だった。
住宅街を歩くとどこもかしこもホンマタカシの撮る東京
みたいな色合いに見えた。

そんな日に東京・六本木のビル33階に登ったら、
窓から真っ青な空と、徐々に西に傾きつつある太陽に
照らされる東京の街がすごく遠くまで見渡せた。
青い空の下に、夕暮れが近づいてピンクに染まりゆきつつある街の、
空と街の境界線があわいグラデーションのように見えた。

こんなに空が青いと、窓を背にして座る人の
髪の毛のなかにまで、青い空と街のひかりが
映り込んで、その境界線までもが見える。

これはここが33階で窓の外が一面の青空でその人の
髪の毛が黒くてまっすぐだから起こることで、
低層階で窓の外がビルだったり、雨だったり、
パーマだったりしたら見えないものだ。
実際ちょっと頭を動かすと反射は消えてしまうので、
だいぶ限定された角度からでないとそのひかりは見えない。

ということで、そういうものが見れるとこにいられる
ことがほんとにラッキーだなと思ったし、
まさか人の後頭部に空の色が映り込む
美しさというものがあるなんて、
世界はどこまでその美しさで私を感動させるのかと感心した。