平面、立体、映像作品をはじめ、音や映像、PC制御による仕掛けなどを駆使したメディア横断的なインスタレーション、パフォーマンス、舞台の演出など、多彩な表現形態により、常にインパクトを与える作品を発表し続ける現代美術家・演出家の高嶺格(たかみね・ただす)。
その高嶺による首都圏初の大規模な個展が、今月21日より横浜美術館にて開催される。
2000年代初頭の作品から、横浜で滞在制作される新作までが展示される予定だ。

サブタイトルの「とおくてよくみえない」とは、混雑した展覧会で観客がしばしば発するフレーズの一つ。
本来、自由な表現によって成り立つ美術作品が、美術館や展覧会という様々な制約の中で展示されることで生じる矛盾。
最新作において高嶺が制作の出発点に据えたのは、そうした齟齬に対する素朴な疑問と興味。
ここから出発した高嶺が、その先に見つけるものは何なのか。それはきっと思いもよらない作品として、私たちの前に現れてくることだろう。

現代社会における不条理性を糸口に作品を制作する高嶺。今回はどういったアプローチの仕方で私たちを驚かせてくれるのだろうか。是非足を運んでもらいたい。

また、展覧会のメイキングが随時アップされているスタッフブログや以下の告知映像も併せてチェックすると、一層展覧会を楽しむことが出来るかもしれない。

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CINRA.NET アートとゴミの違いって? 高嶺格インタビュー
http://www.cinra.net/interview/2011/01/13/000000.php




Information

高嶺 格「とおくてよくみえない」
http://www.yaf.or.jp/yma/jiu/2010/toofartosee/

会期:2011年1月21日(金)~3月20日(日)
   10:00~18:00(金曜は20:00まで開館入館は閉館の30分前まで)
   ※木曜休館
会場:横浜美術館
   http://www.yaf.or.jp/yma/index.php
料金:一般 1,100(900/1,000)円
   大学・高校生 700(500/600)円
   中学生 400(200/300)円
   ※小学生以下無料

Profile

高嶺 格
http://www.takaminet.com/
1968年、鹿児島生まれ、現在滋賀在住。京都市立芸術大学工芸科漆工専攻卒。岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー修了。主な個展に、2003年「在日の恋人」(NPO丹波マンガン記念館、京都)、2008年「[大きな休息]明日のためのガーデニング1095㎡」(せんだいメディアテーク、宮城)、 2010年「スーパーキャパシターズ」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、香川)、「Good House, Nice Body 〜いい家・よい体」(金沢21世紀美術館長期インスタレーションルーム、石川)。また2003年、第50回ヴェネツィア・ビエンナーレへの参加をはじめ、 2004年、釜山ビエンナーレ、2005年、横浜トリエンナーレ(第2回)、2010年、あいちトリエンナーレなど、数々の国際展をはじめ国内外のグループ展に多数出品している。1993年から1997年にかけて、パフォーマーとしてダム・タイプで活動したほか、金森穣/寺田みさこらのダンス作品における舞台美術、音楽家の大友良英とのコラボレーションなど他ジャンルとの共同制作も数多い。近年は自らが演出を手がける舞台作品を発表し、演出家としても活動。



* 主催:横浜美術館[横浜市芸術文化振興財団・相鉄エージェンシー・
三菱地所ビルマネジメント 共同事業体]
* 後援:横浜市市民局
* 協力:NECディスプレイソリューションズ/NPO法人黄金町エリア
マネジメントセンター/横浜トリエンナーレ組織委員会/
横浜トリエンナーレサポーター事務局/みなとみらい線/
横浜ケーブルビジョン/FMヨコハマ/首都高速道路株式会社
* 助成:財団法人地域創造/アサヒビール芸術文化財団