3331 Art Chiyoda内の多摩美術大学が運営するスペース「アキバタマビ21」にて同大学情報デザイン学科卒業生によるグループ展「オカルトテクニクス」が11月21日(日)まで開催されている。出品作家は井上恵介、津島岳央、平川紀道、毛利悠子の4名。
コンピューター・プログラムや機械構造を用いたインスタレーション作品等が展示されている。

展覧会のコンセプト「オカルトテクニクス」とは?簡単に要約…..

どんなに、使用するテクノロジーへの理解を深め、テクニックを手に入れても、必ず限界があり、それを超えたところにテクニックへと昇華しきれなかった何かが、”オカルト”的に存在する。その”オカルト”的な「何か」がテクノロジーの本質であり、極限までテクノロジーへと近づくことで、テクニックを超えた「何か」を作品として立ち上がらせることが出来るのではないか。

といった背景のもと行われている展覧会だ。

簡単に展覧会の様子を写真で振り返りる。
是非、実際に足を運んで”オカルト”的「何か」を感じてもらいたい。
また13日にはトークセッションも予定されているので、合わせて行くのも良いかもしれない。


毛利悠子「相模湾大水槽」
中央の巨大なロール紙がゆっくりと回転し、時間の経過とともに、ロール紙に付着する炭の濃淡が変化していく。それが作品全体の動きのスコアのようになっている。
空間にはハタキやカバン、水晶、サツマイモ、電球、泡立て器のようなオブジェなど、作家がもらったり、購入したりした品々がちりばめられていて、それらの一部は中央のロール紙の変化と呼応して回転したり、光ったりする。


毛利悠子「相模湾大水槽 (下層部)」
上からトイレットペーパー、下には水槽。
この作品は数分間かけてじっくり見る事をオススメする。


井上恵介「It」
ホルマリン漬けになった機械のような作品。人間界に対するアウトサイダー的機械生物のようなイメージとのこと。
中の機械は目のようなものをもっていて、その視点が前のモニタに映し出される。


井上恵介「Specimens」
音に反応して、水のような液体の中に入った電子回路が光る。



平川紀道「16 arrows and the exposed」
独自のソフトウェアによって生成されたイメージの一瞬を切り取り、現実世界に実際の点と線として展開していた。
無数の点と線によって壁一面に構成されている。
平川の作品は現在ICCのオープン・スペースでも見る事ができる。



津島岳央「Solid State Parhelia – 石の見た夢 -」
独自の描画方法によるコンピュータ・グラフィックスの映像インスタレーション作品。モチーフはヴァニタス画にちなんでいるという。描画されたモチーフの周りをカメラの視点が同一方向に回転しているのだが、ずっと見ていると、モチーフの形が曖昧になったり、いつの間にか回転方向が逆になったように見える。
現在、東京都写真美術館での企画展に向け、新作を準備中とのこと。



Text & Photo by tadahi

Information


アキバタマビ21企画展「オカルトテクニクス」
http://www.idd.tamabi.ac.jp/art/exhibit/occult-technics/

2010年10月23日〈土〉– 2010年11月21日〈日〉
会場:アキバタマビ21
住所:東京都千代田区外神田6丁目11-14
3331 Art Chiyoda 201・202
開館時間:11時から13時/14時から19時まで
休館日:月曜日
入場無料 

オープニングレセプション 10月23日(土)17時〜
トークセッション 11月13日(土)17時〜
ゲスト・港千尋(多摩美術大学情報デザイン学科教授)

出品作家
■毛利悠子
http://mohrizm.net/
■井上恵介
http://www.penestratorium.com/
■津島岳央
http://www.factor1109.com/
■平川紀道
http://counteraktiv.com/