本の単語を丁寧に単語ごとにすべてを切り取り、その言葉たちは文脈を断絶させられ瓶の中に収められている作品『Ornament of book』。

飯田竜太は青森在住の彫刻家。04年にグラフィック一坪展グランプリを受賞し、graf media gmでの個展、岡本太郎現代芸術賞展や台北での展示などをはじめ、以前CBCNETでのDot’s &Linesでの連載、デザイナー田中義久とのユニットNerhorl(こちらが紹介記事)など積極的な活動を行っている。

そんな彼による個展が、築地にあるTSCA(Tajyro Someya Contemporary Art)にて、今月6日より12月4日まで開催される。

飯田は、人の記憶や意思が媒介された「書物」という関係性の現場へ、第三者として制作の行為を持って介在してみせることで、その先への到達を試みてきた。
それは、創造と破壊を一つの動作に込めるという矛盾の繰り返しをエネルギーとする彫刻的アプローチが、対象となるモチーフを構成している関係性を開放し、その先に再構築されるであろう「作品」を見据えるという特性を同時に浮き彫りにしてみせている。

今回の展覧会では、新作に加え国内未発表作品、飯田竜太の代表作シリーズ「ornament of book」の新作の発表も予定されている。
とある場所の本棚に並ぶ、時を重ねた書物が作家の重ねた時間とクロスし、読む事のできない彫刻となって新たな意味を持ってまた別の方向へ時間を刻みはじめる。

タイトルにある『出会えないから言葉で』という言葉にも何か読み解くキーワードかもしれない。ぜひ展示をみて、思考を巡らしてほしい。


《Ornament of book/ After dark》2010年 © Ryuta Iida

iida04_09.jpg
Nerhorl : ORATORICAL TYPE
photograph / shin suzuki
http://www.cbc-net.com/dots/ryuta_iida/iida_04/




Infotmation

飯田竜太
”Verbalizes -出会えないから、言葉で-”

日時:2010年11月6日(土)〜12月4日(土)
   12:00〜19:00(休廊 日、月、祝日)
場所:Takuro Someya Contemporary Art, Tokyo
〒104-0045
東京都中央区築地1-5-11 築地KBビル 1F
Tsukiji KB Bldg. 1F, 1-5-11 Tsukiji, Chuo-ku,
Tokyo, 104-0045, Japan

有楽町線 新富町駅1番出口徒歩3分
日比谷線 東銀座駅5番出口徒歩5分
日比谷線 築地駅4番出口徒歩5分

開廊 : 火曜-土曜 12:00-19:00 (休廊 日曜・月曜・祝日)
Gallery Hours : Tue – Sat, 12:00-19:00 (closed on Sun, Mon, National Holiday)

オープニングレセプション:2010年11月6日(土) 18:00〜20:00


飯田竜太
http://www.ryuta-iida.com/