“この世界にあるすべてには精霊が宿っており、それはものを振動させることで聴こえるようになる”
– オスカー・フィッシィンガー


NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] にて企画展「みえないちから」が10月30日より開催される。

今回の企画展示コンセプトには、物理現象から人間どうしの関係性にまで至る、さまざまなエネルギーや現象としての振動をめぐる多様に解釈されうる「みえないちから」に焦点があてられている。

出展作家は、エキソニモ、小金沢健人、志水児王、フォルマント兄弟、堀尾寛太。ネットワーク技術や映像、音楽、物理現象などをあつかい、多角的に活動を展開している面々が紹介されている。

また、今回の展示コンセプトのキーパーソンにもなっている、ドイツのアニメーション作家で,ヴィジュアル・ミュージックのパイオニアとして有名なオスカー・フィッシンガー(1900–67)の作品上映が予定されている。

初日の10月30日には小金沢健人のアーティスト・トークも開催される。
どんな「みえないちから」を感じられるか楽しみな展覧会だ。

Information

みえないちから
http://www.ntticc.or.jp/Exhibition/2010/Vibrations_of_Entities/index_j.html

会期:2010年10月30日(土)—2011年2月27日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] ギャラリーA
開館時間:午前11時—午後6時(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(月曜が祝日の場合翌日),年末年始(12/27—1/4),保守点検日(2/13)
入場料:一般・大学生500(400)円/高校生以下無料
*( )内は15名様以上の団体料金
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
住所:〒163-1404 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
アクセス:京王新線初台駅東口から徒歩2分
お問い合わせ:フリーダイヤル 0120-144199
E-mail: query@ntticc.or.jp
URL: http://www.ntticc.or.jp/


出展作家紹介


エキソニモ
1996年結成.千房けん輔と赤岩やえによるアート・ユニットとして,東京とhttp://exonemo.comを拠点に活動.デジタルとアナログ,ネットワーク世界と実世界を柔軟に横断しながら,テクノロジーとユーザーの関係性を露にし,デジタル・メディアが現代社会へ与えるインパクトについて,ユーモアのある切り口と新しい視点で作品に反映させる実験的なプロジェクトを数多く手がける.2006年《The Road Movie》がアルス・エレクトロニカ ネット・ヴィジョン部門でゴールデン・ニカ賞を受賞.

小金沢健人
1974年東京生まれ.98年武蔵野美術大学卒業後,99年ポーラ美術振興財団,2001年から文化庁芸術家在外研修員3年派遣の助成をうけドイツに留学.ドイツ・ベルリンを拠点に,世界各地で作品を制作発表する.「運動と時間」に焦点をあてた作品,音楽の発生を視覚的に現出するインスタレーション,毎日の即興の訓練だというドローイングなど多彩な手法を用いて作品を制作する.

志水児王
1966年東京生まれ.東京藝術大学美術学部大学院修了.音響や振動現象などを主な表現素材として,現象とその知覚,運動と要素の発生,芸術と自然科学との関係など実証論的なアプローチをコンテクストとしながら,自然の要素や側面を多角的に捕えなおす方法論を模索している.1994–2006年,レーベル「WrK」に参加.2008年度文化庁在外研修制度,Grant of Denmark National Bank(デンマーク),Statens Værksteder for Kunst og Håndværk / Gammel Dok(コペンハーゲン,デンマーク),CPH AIR Fabrikken for Kunst og Design などを得て2008年よりコペンハーゲン在住.
http://www5.famille.ne.jp/~jshimizu/

フォルマント兄弟
三輪眞弘(兄)と佐近田展康(弟)という父親違いの異母兄弟によって2000年に結成された作曲・思索のユニット.テクノロジーと芸術の今日的問題を《声》を機軸にしながら哲学的,美学的,音楽的,技術的に探求し,21世紀の《歌》を機械に歌わせることを目指す.“録楽”と名づけた音楽の在り方を考察し,亡きロックスターに日本語で革命歌「インターナショナル」を歌わせる《フレディの墓/インターナショナル》により,2009年アルス・エレクトロニカ デジタル・ミュージック部門入賞.
http://formantbros.jp/j/top/top.html

堀尾寛太
1978年広島生まれ.九州芸術工科大学大学院音響設計系修了.電磁石やモーター,マイクロフォンなどを組み合わせた自作装置によるライヴ・パフォーマンスやインスタレーションを各地で行なうほか,展示・デバイス制作などの活動を展開している.
http://kanta.but.jp/


上映プログラム・関連イヴェント

・オスカー・フィッシンガー作品上映会
《習作7(ハンガリアン・ダンス5番)》1930–31年
《サークル》1933年
《ラジオ・ダイナミクス》1942年
《モーション・ペインティング No. 1》1947年
開催日:2010年11月14日(日)—2011年2月27日(日)の毎土日曜日および祝日(年末年始,2/13を除く)
会場:ICCシアター
入場無料(展示をご覧になる場合は,別途入場料が必要です)

・アーティスト・トーク 小金沢健人×畠中実(ICC)
日時:2010年10月30日(土)午後2時より
会場:ICC 4階 特設会場
定員:150名(当日先着順)
入場無料(展示をご覧になる場合は,別途入場料が必要です)