オライリー・ジャパンより刊行された『Prototyping Lab —「作りながら考える」ためのArduino実践レシピ』はオープンソースのツールキットキットとして世界で広く普及している「Arduino」を使った新しいものづくりの実践を目的とした書籍で、先日開催されたMake Tokyo Meeting 05にて先行発売された。

本書はまず、Arduinoを使った作品の事例紹介から始まり、「距離を測る」「動きを検出する」「光(RGB LED)をコントロールする」「DCモータをコントロールする」「サウンドを再生する」「無線で接続する」などの目的ごとのレシピ(配線図+サンプルコード)がまとめられていて、同じくオライリー・ジャパンから2009年3月に発売されている「はじめようArduino」に比べると、より実践的な内容になっている。他にも「作りながら考える」という考え方の紹介や、電子回路とArduinoの基礎も解説。解説内容はArduinoProcessing、ActionScript 3に対応。

ホビー、デザイン、アート、エンジニアリング、すべての分野の読者にオススメの一冊。
http://www.oreilly.co.jp/books/9784873114538/

Prototyping Lab —「作りながら考える」ためのArduino実践レシピ


Prototyping Lab ―「作りながら考える」ためのArduino実践レシピ
小林 茂
オライリージャパン
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目次

序文(Tom Igoe)
はじめに

作品紹介
 Jamming Gear:菅野創、西郷憲一郎
 風の音楽:鈴木莉沙
 Nixie Clock:佐々木友介
 Hunter-Gatherer Colorist:team_hgc(竹本香織、山本雄平、小林茂、近藤悦子、馬場智子)
 Light Bodies:Susanne Seitinger, Daniel M.Taub, Alex S.Taylor
 Stamporon:松田亮太、桑原翔
 ACTION! Finger Puppet:笠原友美
 external heart:飯沢未央
 編みロボ:岩崎修、妻鳥花子
 LOGER:Craftive(阿部淳也、岡村祐介、野村政行、山口晋司、小澤太一)
 form.(Design + Personal Fabrication):(北村穣、和田純平)

I部:イントロダクション

 1章:「プロトタイピング」をはじめよう
  自分の欲しい物を自分で作ろう
   20世紀から21世紀へ〜「ものづくり」の変化
   パーソナルファブリケーションという流れ
   ハードウェアで「スケッチ」しよう
  ツールキットArduinoの登場とその背景
   Arduino登場の背景
   Wiring
   Arduino
   フィジカルコンピューティング
  デザインプロセスの実例紹介
   デザインは特殊な人だけが行う仕事ではない:DIYからDITへ
   プロトタイピング:スケッチからプロトタイプへ

 2章:開発環境を整える
  Arduino IDEのセットアップ
   Arduinoについて
   ドライバのインストール
   Arduino IDEの起動と動作確認
  Funnelライブラリのセットアップ
   Arduinoボード側の準備
   Processingのセットアップ
   ActionScript 3のためのセットアップ

 3章:電子回路の基礎と最初の一歩
  電子回路の基礎知識
   電圧〜電流〜抵抗
   オームの法則
  実際に回路を組んでみよう
   ブレッドボードとジャンプワイヤ
   主な電子部品について
   実際に回路を組んでみよう
   オームの法則、ふたたび
   スイッチでLEDをオン/オフする
  自分のツールボックスを整備しよう
   そろえておくと便利な電子部品
   そろえておくと便利な工具について
   ブレッドボード以外で利用できるキットについて
   センサ用ケーブルの作り方

 4章:Arduinoチュートリアル
  Arduinoの基礎知識
   スケッチの基本的な構造とデジタル出力
   PWMによるアナログ出力
   デジタル入力
   アナログ入力
   ArduinoボードにLCDを接続する
   LCDを自分でシールド化する
  Arduino+PCで使う:Funnelライブラリ入門
   Processingの場合
   ActionScriptの場合

II部:クックブック

 5章:入力
   レシピ1:自然光の明るさを測りたい
   レシピ2:距離を測りたい(赤外線センサ)
   レシピ3:距離を測りたい(超音波センサ)
   レシピ4:振動を測りたい
   レシピ5:直線状の位置を測りたい
   レシピ6:圧力を測りたい
   レシピ7:曲がり具合を測りたい
   レシピ8:温度を測りたい
   レシピ9:傾きを測りたい
   レシピ10:動きを検出したい
   レシピ11:方位角を測りたい
   レシピ12:人が動いたことを検知したい
   レシピ13:何かがタッチしたことを検出したい
   レシピ14:タッチパネルを使いたい

 6章:出力
   レシピ15:光をコントロールしたい
   レシピ16:モノを叩いて音を出したい
   レシピ17:モノを振動させたい
   レシピ18:モノを動かしたい(角度を変える)
   レシピ19:DCモータをコントロールしたい
   レシピ20:DCモータをコントロールしたい(センサによるコントロール付き)
   レシピ21:小型のディスプレイで情報を提示したい
   レシピ22:AC100V機器のオンオフをコントロールしたい

 7章:データ処理
   レシピ23:入力から不要な変動を取り除きたい
   レシピ24:アナログ入力をデジタル的にいくつかの範囲に分割したい
   レシピ25:ある状態になった瞬間に処理を行い、その後一定時間の変化を無視したい
   レシピ26:ある状態になった後、一定時間が経過してから処理を行いたい
   レシピ27:複数の入力がある状態にマッチしたかどうか判断したい
   レシピ28:時間変化を伴なう入力があるパターンにマッチしたかどうかを判断したい
   レシピ29:環境ごとにセンサの値をキャリブレーションしたい
   レシピ30:状態遷移をわかりやすく記述したい

 8章:高度なレシピ
   レシピ31:サウンドを再生したい
   レシピ32:無線で接続したい
   レシピ33:環境データをネットワーク上に公開したい
   レシピ34:ネットワーク上のデータをローカルな環境で再現したい
   レシピ35:Arduino用のライブラリを作りたい
   レシピ36:カタチをつくりたい(迅速なモデリング)
   レシピ37:カタチをつくりたい(精巧なモデリング)
   レシピ38:カタチをつくりたい(センサを組み込む)

付録
  付録A:トラブルシューティング
  付録B:参考情報

あとがき
索引