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TRANS BOOKS DOWNLOADs




データの書籍のみを取り扱う書店、 TRANS BOOKS DOWNLOADs (TBDs) が先日オープンしました!もうご覧いただけたでしょうか?

https://transbooks.center/downloads/

いまは電子書籍やオーディオブックといった「新しい形式の本」が浸透しつつありますが、TBDs はその中でも特に攻めた形式の書籍を専門に取り扱っています。

たとえば、雑誌「広告 (著作号)」の記事の生原稿 ( .docx と InDesign テンプレート ) を CC ライセンス付きでばら売りしていたり、購入者自身でプリントアウトし完成させる写真集や、バーチャル背景のための詩など、「本」の定義を揺るがす作品を販売中です。

コンテナとコンテンツ両面から考えられた素敵な作品ばかりですので、ぜひ一度、ご覧いただけたら嬉しいです。作品は今後もぞくぞく追加予定です!

関連イベントも計画中ですので、お時間ある時に遊びに来てください。



【6 月時点での商品ラインナップ Ver.1.1.0】

● 『エクリ叢書 I』オフィシャル自炊PDF / 大林 寛 (ディレクター/編集者)
● 余白本採集ミニ手帖 アマゾンのそと / 余白書店 (ネット古書店)
● Qua|ia / mmm + LOUD AIR (インタープリター + ファッションデザイナー)
● 今でも大切 / ∧° ┐ (クリエイティブ・コミュニティスペース)
● バーチャル背景 / shikakun(会社員)
● Keep clear of / ただ (写真家)
● ( YOUR NAME HERE ) / 荒木悠 (映像作家・美術家)
● 紙で読むに限る「近所と宇宙」 / study tables (サマー・サイエンスプロジェクトユニット)
● 紙で読むに限る「袋小路」 / study tables (サマー・サイエンスプロジェクトユニット)
● 8-TWELVE / 塚田哲也 (グラフィックデザイナー)
● 安心・安全なフェイクニュース / 内田聖良 (Contemporary Bender)
● 誰かの3分クッキング / 沼田摩耶 + 川原綾子 (グラフィックアーティスト + コピーライター)
● P-Code Magazine 002 / HAUS++ (研究機関)
● 四つ打ち漫画 ZOOM MIX / よシまるシン (フリーランス(イラスト/デザイン/映像/マンガ/図/など)、京都精華大学非常勤講師 )
● プリンをプルプルさせる為のマシンのパーツの3Dデータ / てらおか現象 (玩具の機構設計の仕事を経てマンガを描く)
● The Digital Magazine 2019 / ∧° ┐ (クリエイティブ・コミュニティスペース)
● 広告 Vol.414 特集:著作 生原稿 / 『広告』編集部



■ TRANS BOOKS DOWNLOADs コンセプト

オンライン書店 TRANS BOOKS DOWNLOADs へようこそ。

「TRANS BOOKS」は、電子も非電子もそれ以外もメディアを問わず、どんな本でも販売するブックフェアとして、2017年から開催しています。これまで毎年秋にに開催し、数々の多彩な書籍を販売してきました。

《本》は人と情報の橋渡しし、時代とともに形をかえて、広がり続けるものです。このような時代性を表す《本》だからこそできる表現や、コミュニケーションをもっと探ってみたいと思い、始めたのが「TRANS BOOKS」です。

私たちは《本》を表現を懐深く受け入れるプラットフォームであると考え、本や本を取り巻く体験の多様性、可能性や面白さを、楽しみながらふれてもらう場を目指し、活動を続けてきました。

COVID-19による影響から、私たちを取り巻く環境は一変しました。それに伴い、本を始めとするメディアと人々の関係も、変わりつつあります。これまで当たり前のようにリアルで見たり触れていたものを、オンラインやデジタルに置き換えるだけではない関係が、これから作り出されて行くのではないでしょうか。

運営メンバーで、今ならではのメディアと自分たちの関係についてディスカッションし、導き出されたテーマが「Download」でした。「Download」はネットワーク上にあるデータを、自分のパソコンやスマートフォンへ、そしてオンライン空間から実生活へ転送することです。私たちは「Download」をオンラインと自分たちのパーソナルな世界をつなぐ入り口として捉え、今だからこそ楽しめる、本と本に関わる多様な体験を提供したいと考えています。

5月から11月まで開催予定の、 TRANS BOOKS DOWNLOADs、「Download」から広がる様々な《本》をぜひお楽しみください。


ツールと使い方

左が伊敷さん、右が萩原
なんとか新年があけて、1 月 8 日はいきなりですが今年度最後の多摩美術大学での講義でした。大学生の春休みは長い。

暗中模索でもがきながらはじめた、統合デザイン学科での非常勤講師もあっというまに 5 年が終了。毎年、最終の授業は恒例となっている特別レクチャーです。「Web」にまつわる多様な活動をしている方をゲストに招き、お話をうかがっています。

2019年度は Web ユーザビリティ / アクセシビリティの専門家、伊敷政英さんをお招きしました。伊敷さんは生まれながのロービジョンで視力があまりよくありませんが、その特異な経験から、いろいろな方にとって使いやすいウェブサイトの評価をしたり、コンサルテーションをするお仕事をされています。

デジタルリテラリーが非常に高いので、デバイスの使いこなし方がとても斬新、それでいてスマート。拡大鏡・超高速なボイスオーバー・望遠鏡としてのカメラなど、こんな世界の見方やスマホの使い方があったのかと目からうろこがこぼれっぱなしの 180 分でした。スマホだけではなく、そもそも、目や耳や思考や認識能力の使い方が自分とはかなり違うのだなと学びと気付きの多い時間でした。

入念なリサーチと検証から作られた KIMINOTE (キミノテ) という弱視の子供に最適化したノートも非常によくできていて、学生もそのプロセスに驚いていたようでした。本当に目で見えるだけが世界ではないと痛感させられた一日で、ここのところ人間は目に頼りすぎだな、と。目を過信すると「疑う余地」が見えなくなってしまうのかもしれない。いきなりの日記でした。


XSTUDIO 東京発表会 ラウンドトーク

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「非合理を選ぶ、合理性もある。地域をこえたプロジェクトから見えてきたこと 〜XSTUDIO 東京プレゼンテーション/ラウンドトーク〜」

福井のことを都度ブログに書いていこうと思っていたけれど、気がついたら発表会まで終わってしまいました。。

2018 年度の XSTUDIO は一区切りつきましたが、よい仲間に恵まれ、わたしのスタジオは継続的に活動を続けられそうな感じがしています。東京や大阪や福井から、ゆるくも本気でも子育て中でも、自分たちのプロジェクトへ関われる。いろいろな距離感をもって成り立つというのはいいことだなぁとあらためて感じています。

最近は GDPR やブロックチェーンなど新しい概念の登場により、「次のインターネット観」の萌芽が日本でも感じられるようになってきました。ソーシャルメディアに胃もたれ気味な自分としては、この先がどうなるのか、ワクワクしながら考える機会が増えてきて胃もたれも回復傾向かなと。

個人的にはソーシャルメディアのいいね!数や、リマケからひねり出したコンバージョン数にも、がんじがらめになっていない地域の伝統産業や、短期的な視点でゴールを決めない新しいチャレンジができるスタジオ活動に対して希望を感じています。変な言い方だけど、90年代~2000年代初頭のインターネット的な、自由に自然に相互評価できる空気感が XSTUDIO には感じられたりします。

仕事としてではなく、思い出づくり、生活のスパイス的に参加しているメンバーたちがあつまる自分のスタジオも、できるかぎり短期的な数値化を回避しながら、スタジオ B らしい気配を作っていければと考えています。

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ということで XSTUDIO 東京発表会で参加したラウンドトークが記事になりました。

「非合理を選ぶ、合理性もある。地域をこえたプロジェクトから見えてきたこと 〜XSTUDIO 東京プレゼンテーション/ラウンドトーク〜」

このトークは、地域とデザインの関係について、東京在住者が地域のプロジェクトに関わることについて、あらゆるものを雑貨化するソーシャルメディアとそのメソッドについて、うーんと考え込んでしまう会でした。

東京発表会から数週間たった今も地味にまだ引きずっていて、これらのことについて考えつづけてますが、だんだんスッキリした気持ちも芽生えてきました。参加できてよかった。

ゲストレビュアーの白水高広さん、若林恵さん、伊藤亜紗さん、そしてXSTUDIOのローカルリーダーの新山直広さん、坂田守史さん + 萩原でお届けします!

Photo by Kyoko Kataoka


UI GRAPHICS

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UI GRAPHICS にテキストを書きました。この本は世界のさまざまな UI / UX の事例を解説したり、UI / UX に関わる方々のエッセイを収録したもので、 2015 年に発売した UI GRAPHICS のアップデート版になります。過去のエッセイも全て再収録されています。

自分は「個人的なインタラクション」というタイトルで短いテキストを書きました。といってもいつも疾駆に書いている内容の倍くらいの文量で自分としては普段感じていることを丁寧にまとめたつもりです。いつものようにあまりすぐに役に立つタイプの内容ではないですが、広くインタラクションについて感じていることを書きました。タイトルは友人である土居伸彰さん (アニメーション論) の著書「個人的なハーモニー」への敬意をこめて。

ソーシャルメディアやメディアの多様化で、今は「個人的」でいることがすごく難しい時代になっていると感じています。

自分は本来、デザインをするとか、ものをつくる、ということにおいて、「自己と向き合うこと、内省すること」はとても大切な行為だと思っていますが、とくに UI デザイナーは自己表現よりもコンバージョンをみたす使い勝手を求められる立場なのではないでしょうか。

UI / UX の世界では、「あまり共感を得ないけど、自分にとっての素晴らしい表現」みたいなフェティシズムよりも、他者 (ペルソナ、ユーザ、プロジェクトオーナー、ビジネス) にとっての価値におもきが置かれていると思います。たしかに、デザインがメソッド化されて、誰にでも共有可能になるオープンな世界はすばらしいけど、それだけで本当にいいんだっけ?みたいな疑問について、ぼんやりと書いたつもりです。

ぜひよかったら読んでみてください。もちろん役に立つ内容も盛りだくさんです!


グループワークとパーミッション

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XSCHOOL が 2018 年のグッドデザイン賞を受賞したそうです。関係者のみなさまおめでとうございます。このプロジェクトは 3 年目にはいって、ねんねん雪だるまのように仲間が増えてきました。そして XSCHOOL で生まれてきた種があちこちで芽生えはじめ、期を超えてメンバーがつながって、独特なエコシステムが出来上がりつつあるように実感しています。

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「繊維」をリサーチしながらなにかつくる XSTUDIO

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こんにちは。相変わらず久しぶりの投稿です。今回はお知らせ。

福井県福井市を舞台として、「福井」と「繊維」をキーワードに、チームを組んで、リサーチからアウトプットまでを、約半年でがっつりとおこなう XSTUDIO が開催されます。今年から始まるこの企画に、私はスタジオリーダーとして参加することになりました。

自分のスタジオは「比較すること」、「着目すること」、「想像すること」 の 3 つをポイントに、メンバーひとりひとりにとってのひさびさの自由研究、というか、 R&D のようなものにしていきたいと思っています。

普段なかなか関わる機会のない、福井の繊維産業のディープな方々と、直接がっつりコラボレーションできるユニークなプログラムです。4ヶ月と少々長いですが、たくさん学び、考え、プロジェクト化できるものを目指しています。一見すると「全く関係ない」ようにみえる人たちで集まって、なにかつくりませんか?

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個人的にはインターネットやエンジニアリングが染み付いた人がメディアアート、ネットアート周辺の種族が、繊維の世界とつながるとどんな事が起こるのか、興味があります。 postinternet の次はそういう、抽象度の高いレベルでの分野をこえた絡み合いヒントがあるように感じています。もう 2018 年も後半戦へ向かっています。インターネットが繊維や伝統産業とからむには、十分すぎるほど、機が熟しているのではないでしょうか?

7 月 31 日(火) 夜に、渋谷で東京説明会がありますので、ご興味あればぜひおこしください。来れなくてもなんか面白そうと思ったらぜひお気軽にご連絡ください〜。

公式サイト: http://makef.jp/xsxs/
イベントの詳細: https://www.facebook.com/events/131861437665021/
メール: me [at] shunyahagiwara.com


hallointer.net

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Hallointer.net

シンガポールから帰ってきました。

David Liebermann さんに声をかけてもらい、 Hallointer.net という「ウェブサイト紹介ウェブサイト」にキュレーターとして参加しています。

オランダをはじめとするヨーロッパ各国や、アジアでは韓国などでは、実験的で攻めた独特な強いビジュアル表現が生まれている印象があって、ウェブもなんというかワイヤーフレーム的ではなくて面白いものが多いです。一方日本ではここのところ分業・縦割りが進んで、なんだかワイヤーフレームそのままみたいなサイトが増えているような気がします。気のせいかもしれませんが、コンセプトづくりから紙・ウェブ・映像といった各種のアウトプットを一気通貫したビジュアルコミュニケーションはやっぱり気持ちがよいですね。

ということで、今週 (20170917) は萩原セレクトのサイト 3 サイトが掲載されますので、ぜひチェックお願いします。


The Explorer 2015



The Explorer 2015

2015 年春に六本木ミッドタウンにある Design Hub で「ももも展」が開催されました。わたしはそこに「The Explorer」という作品を出展したのですが、いまさら記録を簡単な映像にまとめました。

ギャラリー入り口に設置された観光用の望遠鏡を覗くと、はるか 50 メートル離れたところに設置された Mac の画面が見えて、望遠鏡側の手元に置かれたマウスとキーボードをつかってインターネットができるという作品です。トリッキーな作品なので、映像で説明できるといいかなと思ってはいたものの、撮影したっきり放置してたのですが、シンガポールのプレゼンに使おうと思って、今回編集し直しました。

こぼれ話をすると、観光用の望遠鏡は京都にある COVAC というメーカーさんにご提供いただきました。COVAC さんの望遠鏡は日本中の観光地にあちこち設置されているそうで、淡いなブルーとどっしりとした美しいたたずまいが目を引きます。「室内で離れたところにあるパソコンを見る作品をつくりたい」 というまるで意味不明な依頼を快く引き受けてくださって大変感謝しています。望遠鏡というだけあって、通常は数キロ先のものを見るためにレンズを調整してあるらしいのですが、この作品のために 50m という望遠鏡にしては超短距離で焦点が合うようにカスタマイズしていただきました。

ちなみに動画の編集は、 iMovie をつかってみたのですが、いままで独特の操作感で避けていたのにいつのまにかすごく使いやすくなっていて驚きました。書き出し速度は異常に早いし、動画のプレビューもほぼリアルタイム。どうなっているんだろう。Youtube もアップしてから公開まで、ほぼタイムラグがなくてすごくスムース。動画の時代がきていることをいまさら実感。

出演はチョロくん、音楽はあの GarageYokotaBand です。


シンガポール

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Graphic by Saki Ho (Milkxhake)

2014 年の 4 月以来久しぶりに blog を書きます。前回書いてからずいぶん時間がたったようで、大人になるとあっという間に数年がすぎちゃうんだなとあらためて感じます。

で、今度 2017 年 9 月 9 日にシンガポールのナショナルデザインセンター (NDC) で Mobile Talk というトークイベントが開催されます。後藤哲也さん、 Javin Mo (Milkxhake) さんが企画しているトークイベントで、たぶんアジアのデザイナーが国を超えてプレゼンテーションと交流をするイベントだと思っています。

Mobile Talk は過去に 3 回開催していて、日本からは UMA/design farm + Muesum, 写真家 Gottingham さん + YCAM 西翼さん、雑誌 アイデアの室賀さんなどが、外国勢では韓国の Na Kim さん、ShinShin, The Book Society など面白い活動をしている面々が参加しています。

自分は web とインスタレーションが中心で、ブックデザインやテーブルに並べてかっこいいグラフィック作品を作っていないので、会場で浮いてしまわないようにと震えながらも 4 回目の日本担当としてトークすることになりました。新しい人と会える嬉しさと、浮かないようにという不安が混ざっています。

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Photo by Kim Jinsol

あわせて、シンガポールの Temasek Polytechnic Singapore にて City Text/ure Exhibition が開催されます。 2015 年に韓国・ソウルでおこなわれた TypoJanchi の巡回展で、わたしは後藤さんとの共作「ASIA CITY TEXT/URE」を展示します。アジア 7 都市のデザイナーが撮影した街の看板などの文字を 7 台のディスプレイで表示するという作品です。

7 台がバラバラに動いているだけでは作品としてまとまりがないので、韓国では wifi を使って各端末を LAN で連動させる形で動きでつなぐような演出をしました。それに現代のディスプレイ大国というだけあり、 SAMSUNG の 4K モニターを 7 台も展示用にお借りできたので、 Zero Lab の躯体デザインあわさって、とても美しい作品になりました。動画を撮り忘れたのが悔やまれます。

今回は準備期間も短いので、「意外と時計で正確に動きを合わせられるのでは」という直感をたよりにき wifi を使わず、ローテクに時計を使って、7台を同期する仕掛けを用意しています。 個々の端末が connect していないのに、勝手に時代を共有しシンクロしているような展示状態というのは作品のコンセプトにも合うようにおもっています。それに今回は 4K モニターはないので、レイアウトも工夫しながら、通りすがりに握手するようないい感じにばらばらで、いいかんじにつながっている関係を作り出せればできればと思っています。

ということで、どちらもフリーなので、もしシンガポール付近におられる方はぜひお越しください!


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