左が伊敷さん、右が萩原
なんとか新年があけて、1 月 8 日はいきなりですが今年度最後の多摩美術大学での講義でした。大学生の春休みは長い。

暗中模索でもがきながらはじめた、統合デザイン学科での非常勤講師もあっというまに 5 年が終了。毎年、最終の授業は恒例となっている特別レクチャーです。「Web」にまつわる多様な活動をしている方をゲストに招き、お話をうかがっています。

2019年度は Web ユーザビリティ / アクセシビリティの専門家、伊敷政英さんをお招きしました。伊敷さんは生まれながのロービジョンで視力があまりよくありませんが、その特異な経験から、いろいろな方にとって使いやすいウェブサイトの評価をしたり、コンサルテーションをするお仕事をされています。

デジタルリテラリーが非常に高いので、デバイスの使いこなし方がとても斬新、それでいてスマート。拡大鏡・超高速なボイスオーバー・望遠鏡としてのカメラなど、こんな世界の見方やスマホの使い方があったのかと目からうろこがこぼれっぱなしの 180 分でした。スマホだけではなく、そもそも、目や耳や思考や認識能力の使い方が自分とはかなり違うのだなと学びと気付きの多い時間でした。

入念なリサーチと検証から作られた KIMINOTE (キミノテ) という弱視の子供に最適化したノートも非常によくできていて、学生もそのプロセスに驚いていたようでした。本当に目で見えるだけが世界ではないと痛感させられた一日で、ここのところ人間は目に頼りすぎだな、と。目を過信すると「疑う余地」が見えなくなってしまうのかもしれない。いきなりの日記でした。