こんにちは、A4Aの齋藤です。ただいまオーストリアはリンツで開催されている、世界最大級のメディアアートの祭典「アルスエレクトロニカ・フェスティバル2011」にやってきております。
今年のテーマは「Origin」。8月31日にオープニング・イベントが開催され、9月1日から展示がスタートしました。メイン会場はリンツ市内のアルスエレクトロニカセンター(AEC)、ブルックナーハウス、OKセンターの三つ。この他にもリンツ大学や地元の教会にて作品の展示を行い、バーにてナイトイベントを開催するなど、リンツの町をあげてメディアアートの祭典が行われるというものです。
日本からもたくさんのアーティストが参加しています。アーティストのほか学生、視察などの目的で訪れる日本人も多く、現地の人も日本のメディアアートへの関心の高さに驚いていました。それでは駆け足で今回のレポートをお送りします。
アルスエレクトロニカセンター常設作品

まずはAECの常設作品から。Alex Posadaによるキネティック・アート「THE PARTICLE」。マルチカラーのLEDを付けた4本の輪っかを光速でスピンさせることで立体的なアニメーションを行う。


ART+COMの作品「Mobility」。鏡に反射した光で文字を作る。

クワクボリョウタによる「Lost #2」。「10番目の感傷(点・線・面)」をアルスセンターのスタッフたちとリアレンジした作品。影の表現をさらに追求している。

Prix Ars Electronica 2011のInteractive Art部門でAwards of Distinctionを受賞した「particles」がAECにて3年間の常設展示をスタート。この制作レポートを追ってお送りします!
筑波大学キャンパス展

続いてはアルス大学で開催されている、筑波大学キャンパス展より。筑波大学 岩田洋夫教授らによる、巨大なトレッドミル装置「トーラストレッドミル」。3D空間を自在に散歩する体験ができる。

筑波大学 葛岡英明教授らによるミュージアムガイドロボット「TalkTorque 2」。社会心理学をプログラムに取り入れ、人間の注意を惹く身振り手振りをする愛らしいロボット。

筑波大学卒業のアーティスト、片岡純也による「Twilight」。木の枝が震え、最頂部に付いた蛍光灯が不規則な明滅を繰り返す。それによって生まれるサウンドと、木の枝の軌跡が印象的。
Prix Ars Electronica受賞作品より

Prix Ars Electronica受賞作品の展示。
今年の受賞者はこちらで確認できます。
http://www.aec.at/prix/en/gewinner/

ハイブリッドアート部門でHonorary Mentionsを受賞した、Wim Janssenによる「Continuization Loop」。一枚のフィルムがループしている巨大装置。

インタラクティブアート部門でHonorary Mentionsを受賞した、Zigelbaum + Coelhoによる「Six-Forty by Four-Eighty」。220個の照明モジュールで遊ぶことができる。
参考リンク:http://fluid.media.mit.edu/people/marcelo/current/six-forty-by-four-eighty.html
ほか

ブルックナーハウスで開催された、Prix Ars Electronicaの授賞式にて。

壇上にはグランプリ受賞者に渡されるゴールデン二カと、高橋征資による拍手マシーン「ONDZ」が。

AECではナイトイベント「NIGHTLINE」を夜な夜な開催。9月2日の夜には真鍋大度と比嘉了によるAECのファサードを使った、音と光のコラボレーションパフォーマンスが行われた。

アルスエレクトロニカのイベントの一つ、「u19 Create Your World」にて、菅野創+山本雄平による「テクノフォン」制作ワークショップが開催された。
他にもイベントが目白押しのアルスエレクトロニカ・フェスティバル。詳細なレポートは追ってお送りいたします!
text by Akiko Saito
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