アーティスト堀尾寛太梅田哲也による初のDVD作品「viewKoma2」がリリースされた。

日常的な物質に電磁石やモーターなどを組み合わせた自作デバイスによって、不可思議な世界をつくりだす堀尾寛太と、テレビやレコードプレーヤーなどの見慣れた日用品・廃品など改造した装置で独特の現象を生み出す梅田哲也。

彼らはそれぞれ独自に活動するアーティストだが、2005年より活発なコラボレーションを行い、東京、大阪、京都を中心にインスタレーションやライブ活動を行っている。ヨコハマ国際映像祭2009オープニングパフォーマンス「停電EXPO」(2009年)やアーツ千代田3331で行われた「大友良英 / ENSEMBLES」(2009年)、テニスコーツとの共演ライブなどを通して、メディアアート、現代アートの界隈で人気を集める気鋭のアーティストだ。

「viewKoma2」は2011年1月22日、好評を得たNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]での展覧会『みえないちから』の関連イヴェントとして行われたパフォーマンスを記録・編集したもの。

当日は堀尾寛太と梅田哲也、スペシャルゲストの植野隆司(テニスコーツ)の3人がICCのバックヤードにスタンバイ。本人たちは画面には映らず、ひたすら黒子に徹し、部屋いっぱいに広げた自作機器や日用品、小物などさまざまな物たちが動き回る様子が展覧会会場のモニタに生中継されるパフォーマンスを行った。

普段は無機質な表情の機械や道具たちが、彼らの手にかかると魔法がかかったように生き生きと動き出し、これまでに見た事がないような景色が繰り広げられる。

本DVDは、ライヴの記録であると同時に、それ自身が映像作品でもあるような、新たな感触の映像として仕上がっている。

同時収録された別カメラからの視点に切り替えることができるトラックも収録。また特典として、ICC学芸員の畠中実、メディアアーティストのクワクボリョウタの両氏によるリアルタイム・オーディオコメンタリと、メイキング映像も収録されている。

演奏者たちは画面に映らないが、様々な物たちが動きまわり、音や光を発する。不思議な視点を体験できるユニークなDVDを、是非お楽しみ頂きたい。

販売場所は限られているが、通販可能なところもあるので「viewKoma2」のサイトをチェックしてほしい。






photo credit / Matsuo Ujin

photo credit / Matsuo Ujin

photo credit / Matsumi Takuya

DVD_shot

Information

「viewKoma2」
http://kanta.but.jp/viewKoma2/

演奏:堀尾寛太 + 梅田哲也
ゲスト:植野隆司(テニスコーツ)
オーディオ・コメンタリ:畠中実 + クワクボリョウタ
スチル撮影:松尾宇人
収録:NTTインター・コミュニケーションセンター [ICC] 「みえないちから」展関連イヴェントにて
DVD-video / NTSC / リージョンフリー
収録時間:34分
自主制作盤
価格:1,300円(税込)
取り扱い:円盤(東京), ICC(東京), Improvised Music from Japan(Web通販)、他
(詳細:http://kanta.but.jp/viewKoma2/


profile

堀尾寛太
東京在住。電磁石やモーター、マイクロフォンやジャンクなどを組み合わせた自作デバイスによる演奏やインスタレーションを内外で行うほか、電気好きの集いである『ドークボット東京』のオーガナイズや、4nchor5 la6でのギーク活動などを行っている。
http://kanta.but.jp/

梅田哲也
大阪府在住。音と空間を基に作り出す作品等で、幅広く国内外で活躍する。気圧、重力の変化による現象や、廃品や日用品、扇風機など身近にある家電の回転運動や水の流れなどを用いた実験的なインスタレーションやパフォーマンス作品を展開。
http://www.siranami.com/