Salyuの新プロジェクト「salyu x salyu」にて、Cornelius=小山田圭吾との共同プロデュース作品「s(o)un(d)beams」が2011.04.13に発売され、その中の1曲である「muse’ic」のためのインタラクティブなミュージックビデオアプリケーション「muse’ic visualiser」がリリースされた。

このiPhoneアプリを立ち上げると、自身が目にしている風景が「muse’ic」とシンクロするように変化していく。
カメラが捉えている映像によって見え方が変わるので、様々なシチュエーションで何度でも楽しむ事ができる。上のビデオが実際にアプリ起動して街を歩いている様子だ。

アプリの制作に携わったのはMerce Death + Genki Ito + Rhizomatiks + Qosmo
今回の制作にあたっては、客観的に視聴する通常のMVよりも能動的に音楽と関わる事ができつつも、主役である音楽を邪魔しないようなものを作るという意図があった。
また、観るたびに違った見え方をする事で、ユーザーが何度でも楽曲を聞きたくなる構造が意識されている。
このアイディアは、muse’icの詞の世界から導きだされていて、「全ては音楽」というこの曲のコンセプトを、ヴィジュアライズする方法として「ユーザーの置かれている環境自体をMV化する」という方法をとったとのこと。
今後、ひとつの演出インターフェースとして『ユーザー側のデバイス』というのもひとつの選択肢だと感じさせてくれる。

また苦労した点についてMerce Death大野氏は、以下のように語っている。
「この一聴した感じはシンプルでありながら、複雑極まりない構造を持った楽曲に対してどのように絵と音をシンクロさせるのかを考えるために、一度全てのパートのタイミングだけを全部耳コピしたムービーを作成し、それをベースにプログラムに当てはめていった事、またビジュアルのエフェクトを完全にシンクロさせるためには、エフェクトの処理を最大限まで軽くするという作業を、見た目を損なわないように行うという事、あとは毎回見え方が違うという条件の中、どのエフェクトがどのタイミングではまるのがベストなのかを、何度もトライアンドエラーをしながらフィニッシュに持っていった事などです。」


有料アプリだが、実際に購入してみて、新しい音楽の楽しみ方を感じることができるアプリだ。
ぜひヘッドフォンを繋いで様々なシチュエーションでお楽しみ頂きたい。



Information

salyu x salyu iPhoneアプリ「muse’ic visualiser」
iTunes: http://bit.ly/museic

価格:¥230

▼推奨環境
・iPhone 4
・iOS 4.0
※iPhone 3GSにはインストールは可能ですが、動作が重くなる事があります。



Credit

muse’ic (Song)
Music : Keigo Oyamada
Lyrics : Salyu & Tatsuya Kokufu
Recorded by Hiroyuki Moriyasu, Taiki Kawata (OORONG-SHA)
Recording & Programing : Toyoaki Mishima
Mixing & Mastering : Tohru Takayama


muse’ic visualiser (iPhone app)
Creative Direction : Merce Death
Art Direction : Shingo Ohno, Genki Ito
Programming : Nao Tokui (Qosmo)
Technical Direction : Seiichi Saito (Rhizomatiks)
Motion Graphic Design : Genki Ito
Sound Analyze : Hidenori Chiba (Rhizomatiks)
Movie Shooting : Shizuo Takahashi