12063368216_a62843ede1_b

グーテンターク!
ということで、ミュンヘンで開催されたメディアアートフェア「UNPAINTED」に行ってきたので、簡単ですが、会場の様子など写真を交えて紹介します。
ちなみに、メディア芸術カレントコンテンツのサイトにもUNPAINTEDの紹介記事が載ってました。

http://mediag.jp/news/cat3/unpainted.html

—–

entrance.m4v
会場は「POSTPALAST」という多目的スペースで、ミュンヘン中央駅から徒歩5分ぐらいのアクセスの良い場所。エントランスには簡単なプロジェクションマッピングが。

12095114315_49fbbc2fd7_b
アートフェアは1月17日からスタートしていて、自分がミュンヘンに到着したのが18日。会場に到着すると、ちょうど2日目のトークセッションがはじまったとこで、bitforms galleryDAM galleryのオーナー、デジタルアートのコレクター、それにアーティストとして一人Quayolaが登壇。議題は主にデジタルアートをコレクションすることについて。ギャラリーオーナー、コレクター、アーティストそれぞれの視点から、デジタルアートのフォーマットの多様性や、それを維持することの難しさ、問題について多角的に議論が展開されていました。

floor-map
Screen Shot 2014-01-23 at 15.56.21

会場構成と出展者リストはこんな感じ。
円形の空間にブースが区分けしてあって、有名どこのギャラリーがそれなりに大きくスペースをとっていた印象。壁際の小部屋が並んでるところは、個人とか小規模な団体による出展。

12063181754_82dc5c24aa_b
エントランス入ってすぐの会場の雰囲気。

12062748575_5b30efb640_b12062777315_1751dc97eb_b
Rafaël RozendaalPetra Cortrightが所属するSteve Turner Contemporaryのブース from LA。

12063528976_6fef753b2c_b12062624405_60f8c8d076_b
xpo gallery from Paris。Evan RothAddie Wagenknechtの作品をメインに出展。

12063493396_b660cf48da_b
bitforms gallery from NY のブースではQuayolaのロボットアームで発泡スチロールを削りだした彫刻作品を大々的に展示。

12063110784_fb2a9e2bff_b

12063295816_765ea1f1b4_b

rainbow.m4v

knife.m4v
他、ギャラリーの出展だけでもかなりの作品数。
さらに壁際の部屋には個人の出展ブースが並ぶ。

12062767173_c9d1b7b7af_b

12062978343_80615ccbab_b

12062417185_d06f72585e_b

stone.m4v

上のGIFアニメの石が呼吸してる作品は、中国から個人で出展してるアーティストの作品。
アジアからは唯一中国からギャラリーや個人が何組か出展していました。


12062897974_879fbab293_b
18日の18時からは地下のスペースでBYOB。地上階の空間そのまま地下に持ってきたような、円形の広々とした空間で、天井も高くゆったりした間隔で映像が展示されており、シンプルに壁に映像を打つスタイルがメインで、東京でのBYOBとはかなり違った印象。


とうことで、だいぶざっくりとした紹介でした。メディアアートフェアだけあって、キネティックなものや映像ネタがかなり多く展示されており、ベルリンのDAM galleryのブースではProcessingの開発者の一人であるCasey Reasによる、プログラムからリアルタイムにビジュアルが生成される映像作品が、しっかりと値段が付きで展示されていました。(売れていたかどうかは不明。)とはいえ、作品のフォーマットとして一番多かったのはやはりプリントされた作品や写真作品など、静的で額装されたもの。ぽつぽつと売れていた作品はそういった流通しやすい従来のフォーマットの作品が多かったです。

Rafaël Rozendaalがドメインを、Petra Cortrightが.jpg画像を売っていて、それを買う人がいるのを知った時のような、今までの価値観をものすごく揺さぶられるような方法の売り方を目の当たりにすることを個人的にはすごく期待していたのですが、そういうことはなく、作品の売り方に関しては想定内な感じでした。まだまだ買う側の意識は物理的なものを所有することで満たされるのが普通なのだなぁと。
客層は比較的若い人が多いのかと思いきや、普通にお金持ちそうな人や、高齢の方々も目立ち、いい意味でも悪い意味でも、実は普通のアートフェアとそこまで大差がないのではないかという疑問もありました。しかし、「Media Art」というキーワードを掲げ、今まで売れないイメージのものを売れるような流れをつくっていこうという態度の試みは、このシーンにとってはかなりいい方向に働くものだと思います。

出展されている作品は興味深いものも多く、かなりのボリュームで普通にメディアアートを鑑賞する機会としてはなかなか貴重な機会だったのかと感じます。それと、これは極めて個人的な感覚ですが「現在のメディアアートシーンのタレント的な人たち」が大集合している感じがあってとても楽しめました。

そしてすごく個人的に、次はベルリンあたりで開催されるんじゃないかと思ってます。

Photo by So Kanno



おまけ

12095250744_3052313aab_b
この日の夜、ちょうどccc (Chaos Computer Club) のイベントが開催されていて、そちらにも潜入。
見るからにハッカーな、ものすごいギークっぽい人たちが大集結していて、とても異様な空間で楽しかったです。

その他、ミュンヘンの写真はこちらからどうぞ
http://www.flickr.com/photos/70672516@N04/sets/72157639995177884/
http://www.flickr.com/photos/64925044@N00/sets/72157640064025176/


チュース!