インドネシア滞在記 その2 – ジョグジャカルタ・ビエンナーレ、コミック、ストリートアート、自作楽器など
こんにちは、CBCNETスタッフのtadahiです。
ジョグジャカルタ滞在記 その2です。その1はこちら。
この滞在記では、2週間ちょいインドネシア・ジョグジャカルタに滞在していた間に、お世話になったスペースやギャラリー、イベントをかいつまんで紹介しています。
今回は、ジョグジャカルタ・ビエンナーレを筆頭に、いくつか見た展示やイベントについてまとめました。
ジョグジャのアートマップ。エリアごとに、地図入りでまとめられています。
ボロボロになってますが、これを片手に自転車でいろいろな場所をまわりました。
ジョグジャカルタ・ビエンナーレ2013
ジョグジャカルタ・ビエンナーレ
2013年11月16日〜2014年1月6日の間、ジョグジャ内のミュージアムやギャラリーなど、5つの会場で開催されていました。
アラブに関する事がテーマとして扱われていたようで、インドネシアのほか、エジプト、イエメン、アラブ首長国連邦、サウジアラビアなどの国から、ざっと35組のアーティストが参加していました。
上の写真はTaman Budaya Yogyakartaという文化施設で行われていたコミックフェスティバル入り口の様子。おそらく、ビエンナーレの関連イベント的なものだと思います。この日はライブイベントがあり、人々がたむろしていました。
コミックフェスティバルの様子。
こういった感じで、ブースの中に、同人誌のようなものが並べられていました。
アートの国際展とコミックフェスティバルを一緒に開催するという、日本ではなかなか見られない光景で面白かったです。
ジョグジャカルタ・ビエンナーレのメイン会場。Jogja National Museum。
おそらく、使われなくなった学校の校舎を改装したような空間で、とても大きな会場でした。
3つのフロアにわたって作品が展示されていました。
Handiwirman Saputra (IDN)「Tak Berakar Tak Berpucuk」
FX Harsono (IDN)「Purification」
Eko Nugroho (IDN)「Taman Berbulan Kembar」
左後ろに立ってる”こなきじじい”みたいなものは仮面ライダーの姿をしていました。
プロフィールによると、彼はもともとストリート・アーティストで、当時の社会状況を批判するような壁画を描いていたようです。
Agus Suwage (IDN)「Social Mirrors #3」
ジョグジャカルタ・ビエンナーレのメインビジュアルに使われている作品。シンプルだけど、惹きがあってよかったです。このアーティストは別の会場でも、壁に黄金の耳がくっついていて、そこから何やら音が聞こえるといった作品を展示していました。
Cemeti Art House
滞在先のKUNCIからすぐ近くのギャラリーCemeti Art House。
ストリートアートとグラフィティーの研究でジャカルタからCemeti Art HouseにレジデンスできていたRiksa Afiatyさんのトークがありました。
アーティストの紹介、ストリートアートとグラフィティの違いについて、ポストグラフィティについてなど話されていました。
紹介されていたプロジェクトの一つ。「UNSEEN SIN」
ポリスの格好をして広告の看板をハックするみたいなプロジェクトで、この人たちは2011年のジャカルタ・ビエンナーレにも参加していたようです。
プレゼンの後には活発に質問が飛び交っていて、後で聞いてみると、例えば、グラフィティは外からきたカルチャーだけれども、そこにローカルコンテクストはあるのかとか、そんな感じの話をしていたようです。
ジョグジャの町中でも結構グラフィティー見かけました。
あと、Indonesian Street Art Databaseというものがあるみたいです。
別の日に、Cemeti Art Houseで自作楽器を使用したパフォーマンスもありました。
楽器をつくったのは、Wukir Suryadiさん。
Wukir さんはSenyawaという2人組のユニットをやっていて、様々な自作楽器を作られています。
STEIM(アムステルダムの電子音楽センター)でレジデンスをしていた事もあるみたいです。
後日、Wukirさんが滞在先のKUNCIにやってきて、自作の楽器を演奏してくれました。
これはHurdy Gurdyという楽器のJawaバージョンとして作ったものらしく、ジャックフルーツという果物の木で作られているそうです。
弦楽器の一種らしいけど、鍵盤ついてるし、演奏方法とか音色も独特で、とても興味深い楽器でした。
Ark Galerie
Ark Galerie というスペースで行われていたJOMPET KUSWIDANANTOさんの展覧会「ORDER AND AFTER」
インドネシアの選挙に関する事がテーマになっているようでした。
映像やエレクトロニクスを含む様々なメディアを素材にインスタレーションを構成していました。
JOMPETさんは日本でも何度か作品を発表していて、2008年の横浜トリエンナーレや2012年には渋谷のNANZUKAでも個展があったようです。
2011年にはベネチアビエンナーレにも参加していて、インドネシアを代表するアーティストの1人に挙げられるような方です。
アナログプロジェクターでしょうか?何やらテキストが投影されていました。
展覧会の関連イベントで行われた 現代舞踏団 Teater Garasi のアーティストによるパフォーマンス。
JOMPETさんも1999年までこの劇団で活動されていたようです。
DGTMB SHOP
大晦日に、DGTMB SHOPというコミックショップで行われていた年越しパーティー的なものに行ってきました。
このスペースは、写真のようなコミックコンピレーションを作っているアーティストが運営してるスペースらしく、このコンピがヒットするなどしたおかげで、このスペースやカンパニーを作るに至ったらしいです。
こういったグッズ等が販売されていました。
別室で展示のようなものも行われていました。
コミックフェスティバルにしろ、こういうスペースにしろ、コミック文化は割と根付いているような印象を受けました。
おまけ
滞在先だったKUNCIの近くに地元の人御用達の超安くて美味しい食堂があって、結構通っていました。
これにアイスティーがついて約80ルピア(80円くらい)でした。この食堂は地元の人でも安いって言うくらいなので、本当に安いんだと思いますが、普通のレストランでも300〜400円くらいあれば十分ご飯食べられる感じでした。あと、こちらの食堂では、写真のようなご飯の上に好きなお惣菜を選んでのっけるスタイルをよく目にしました。
KUNCIの広い庭にマンゴーの木が何本かあって、マンゴー食べ放題でした。
あと、レストランやその辺の屋台で、マンゴーとかアボガドとかメロンのフレッシュジュースが飲めるんですが、これが美味い。
特にアボガドジュース。日本ではアボガドをジュースにして飲む習慣はあまりないと思いますが、こちらでは定番のようで、アボガドジュースにチョコレートソースが入っている飲み物がめちゃ美味しかった。
最後の夜に、KUNCIにて鍋を振る舞うパーティーを開催。水炊きに、ごまだれ or ポン酢をかけて食べてもらいました。
こっちの人はソト・アヤムという鶏スープの中にごはんを入れてよく食べているんですがその影響か、最後に雑炊を作ろうと思ってたのに、いきなりご飯と一緒に食べ始めちゃってました。
いろいろと紹介しましたが、最後に、今回の旅で一番印象的だったというか、心にしみたこととして、出会えた人々が素晴らしかった。みんな気さくでノリがよくてホスピタリティーに溢れていて、クリエイティビティがあって、全力で一緒にふざけてくれる時もあれば、ちゃんとやるときはやる。
最初は海外でのレジデンスとか初めてだし、片言の英語しか話せなくてすごく緊張していたけれど、早々にいじられキャラを見出されたおかげで、すぐに仲良くなれて、楽しく過ごす事ができました。
という事で、初インドネシア、いろいろな幸運に恵まれて本当に充実した旅となりました。
ジョグジャは、物価安いし、食べ物美味しいし、天候は雨期だったので雨の日も多かったけれど、晴れた日はそこまで気温も高くならず気持ちよいし、アートスポットやコミュニティーもいろいろあって、とてもナイスな街でした。
今回はジョグジャカルタのみの滞在でしたが、次回インドネシアに行くときは、ジャカルタやバンドンなど違う都市にもぜひ行ってみたいです。
ではでは〜
Terima kasih !(ありがとう)
tadahi