20130611_materializing17

こんにちは。CBCNETスタッフのtadahiです。
先日、CBCNETでも紹介した「マテリアライジング展」に行ってきましたので、ざざっとフォトレポートをお届けします。
会期は23日までなので、ぜひぜひ実際に足を運んでいただければと!

会場は上野の東京芸術大学内にある、大学美術館 陳列館。2フロア使って、最先端のデジタル技術や造形技術を積極的に使っている/開発している23組の建築家・アーティストの作品を紹介するという、かなり見ごたえのある展示でした。

20130611_materializing

1階の会場はこんな感じ。

20130611_materializing03

20130611_materializing04


おなじみhikohikoさん。「日々の記録」tumblrはこちら
生活感溢れるオブジェクトが3Dとなって、まさに物質と情報のあいだの何とも言えない質感みたいなものが生み出されている「日々の記録」が会場では大きくプロジェクションされて、さらに異様さが増しています。hikohikoさん頭部型コントローラーで操作も可能。
会場で入手できる作品解説チラシのhikohikoさんテキストもぐっとくるものがあったので、ぜひチェックしてみてください。

20130611_materializing05

Heavy Back PackとN&R Foldingsが共同で開発した、OSRIHIKIという梱包システムを自動生成するためのソフトウェア。
「折り紙(ORI)の様に折り曲げながら風呂敷(SHIKI)のように包み込んで運ぶ」というコンセプトをもとに作られたOSRIHIKIは、三角形のセグメントが連なり物を包み込む構造でできている。会場では、デモ版のシステムでセグメントの厚み等をコントローラーで操作する事ができる。この3Dデータをデジタルファブリケーションシステムで出力すれば、実際に使用する事も可能。

OSRIHIKIはこういうもの↓

ORISGIKI – clutch bag from ORISHIKI on Vimeo.


20130611_materializing07

次世代型建築モジュールの提案。従来の経験的な手の仕事と先進的なコンピュータ技術を融合し「木」の可能性を最大限に生かす試み。形のふるまいは、形態生成プログラム、構造最適化プログラム、デジタルファブリケーションのための旋削加工プログラムを相互に連動させたインタラクティブな仕組みで生成されている。

20130611_materializing23

デジタルファブリケーション、情報を物質に刻み込むことのできる工程、という考え方から生まれた、カーテン。
「暑さ・心地よさ・適切さ」の感覚値が「開口率・曲率・スケール」の変数に置き換えられ、欲望の度合いによって形が生成されている。

20130611_materializing08
2階はこんな感じ。

20130611_materializing09

単一素材から様々な素材感や現象を創出するマテリアライゼーションの初期実験的な試みを、藤木のキャラクターである「キャスト」に適用したものから数点ピックアップ。

20130611_materializing10

20130611_materializing24

dNAが研究・開発している「コーポラ」というマルチエージェントシステムによって設計された住宅モデル。「なご原の家」はもうすぐ竣工予定とのこと。
会場では、タッチスクリーンで「コーポラ」の振る舞いを実際に操作したりもできます。

20130611_materializing19


20130611_materializing14

砂山太一、御幸朋寿、永田康祐による作家ユニット [gh/e]の作品。
“なくなった部分について思い出す、もしくは、2つの物体を結合する最良の方法”

20130611_materializing18

水と同等の比重1.00を持ち、156%の引張伸び変形を許容する超軟質の透明ポリウレタン樹脂の塊り。

kwwekは、2011年に木内俊克、砂山太一が共同設立したデジタルデザイン研究プラットフォーム。

20130611_materializing15

乾漆技法という立体造形技法を基本に制作された作品。
綿布を漆で固めた乾漆の平板を、レーザーカッターで切り抜き、漆塗りで仕上げた後に、連結させて立体造形を作っている。また、表面装飾である七宝紋が立体構造そのものとなるプログラムを作成し、全体形状と七宝紋と影のバランスをダイナミックにデザインしている。

20130611_materializing21

20130611_materializing22

単位空間相互の位相的な隣接関係を表す隣接グラフと、その双対グラフである直方体分割グラフをあわせて「Topological Grid」(以下 TG)と呼ぶ。
松川研では現在、漏れも重複もないすべてのTGを列挙するアルゴリズムを研究・開発している。今回は数学的に表現されたTGを実環境に翻訳するために開発された「TG_Kit」のプロトタイプを展示している。




ということで、他にも興味深い作品が多数展示されているので、ぜひ実際に現場でチェックしてみてください!
「情報だけでもなく、物質だけでもない、そのあいだ」について考えるよい機会になるのではないでしょうか。
6月14日、15日、22日は、関連シンポジウムもあるようなので、展示とあわせてぜひ。

ちなみに、会場にコチラもありました↓


Information

マテリアライジング展
- 情報と物質とそのあいだ / 23名の建築家・アーティストによる思索 -

http://materializing.org/

日 程:2013/06/08 – 06/23
会 場:東京藝術大学大学美術館 陳列館 1F/2F
東京都台東区上野公園12‐8
開館時間:10:00 – 17:00
休館日:毎週月曜日

関連シンポジウム

マテリアライジング・メディア
6/14(金)18:00-20:00
東京藝術大学美術学部総合工房棟2F多目的ラウンジ
【出演者】谷口暁彦、[gh/e]、藤木淳
【モデレーター】粟田大輔

マテリアライジング・アーキテクチャー
6/15(土)15:30-17:30
東京藝術大学美術学部総合工房棟2F多目的ラウンジ
【出演者】AnS Studio、kwwek、慶応義塾大学SFC松川昌平研究室、Source Organization Network
【モデレーター】池田靖史

マテリアライジング・ジオメトリー
6/15(土)18:00-20:00
東京藝術大学美術学部総合工房棟2F多目的ラウンジ
【出演者】三木優彰、舘知宏、後藤一真・天野裕(Arup)
【モデレーター】金田充弘

マテリアライジング・ファブリケーション
6/22(土)16:00-18:00
東京藝術大学美術学部総合工房棟2F多目的ラウンジ
【出演者】N&R Foldings + Heavy Back Pack、岩岡孝太郎、noiz architects、studio_01+yakul
【モデレーター】城一裕