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こんにちは!CBCNETのブログには久しぶりの登場になります、やんツーです。
香川県は高松市、かつて高松城があった場所、玉藻公園内にある日本重要文化財の披雲閣をメイン会場に12/20から繰り広げられている「高松メディアアート祭」に、同フェスティバル内のコンペティションで優秀賞を受賞した関係で出展作家として参加してきたので、ぼく目線ではありますが!ここに!展示やライブの様子など!簡単に写真付きでレポート残しとこうと思います!!

とにかく!!宇川直宏氏の情熱と愛がそのまま念写されたようなヤバいフェスティバルだったってことは間違いないです!!ヤバい!!!!!!!!!

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日本の重要文化財『披雲閣』での展示


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上の写真はコラボレーターの菅野氏から1日遅れて会場に到着した時の様子。
コンペ出したけどあれどうなったのかねーダメだったんだろねーなんつって話してた矢先、11月末に事務局から受賞のメールが届き、そこから会場の図面などを渡され、作品のテックライダーを送り、そんなやりとりをしてても「これほんとに実施できるのかな…?」と実感がわかず、多少不安になりながら会場に来てみたらこの超和室。
事前に聞かされてはいたものの、会場に着いてみて現場を直で見てみるとやはり面食らうといった感じの文化財感全開の建物。

IMG_6883 披雲閣玄関

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オープニングトークで宇川さんが「パリのヴェルサイユ宮殿では最先端の現代アートが展示されているけどそれをすごく意識したんだよね」と説明していて超納得。全室畳の日本家屋に展示されてる作品たちは不思議とどれも絵になってハマってたよに思います。


「メディアアート紀元前」的作品


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「メディアアート紀元前」というテーマを掲げていた同フェスティバル、まず紹介したいのが出口王仁三郎の部屋。正直この方知りませんでした。誰??てなりました。「メディアを含め様々な手法を駆使して昭和前期の大本を日本有数の宗教団体に発展させた(wikipediaより)」人だそうです。

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その隣の部屋には清田益章氏によって曲げ/折られたおびただしい数のスプーンと三面の映像。この2つだけとっても宇川さんがメディアアートをどう捉えてるか、独特なまなざしを伺い知ることができる。


コンペ受賞作品


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コンペで最優秀賞に輝いたのは Stefan Tiefengraber の《USER GENERATED SERVER DESTRUCTION》ユーザー/鑑賞者がウェブサイト(http://ugsd.net/)のインターフェイス経由で会場に鎮座するコンピューターをハンマーで破壊することができるのだが、実はそのコンピューターは ugsd.net が動いているサーバーになっているという。

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僕らの他にもう一作品、優秀賞を獲得した Ann-Katrin Krenz と Michael Burkによる《Kepler’s Dream》は書画カメラと3つのレンズを組み合わせたアナログなプロジェクターのようなもので、手前の3Dプリントされた幾何学形状の物体を壁面に映し出す美しい作品。


アルス・エレクトロニカからの招待作品


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本フェスティバルでは世界的に権威のあるメディアアートの祭典、アルス・エレクトロニカと提携し、過去の同フェスティバル受賞者の作品も展示。上の写真は2015年デジタルミュージック部門でゴールデンニカ(最優秀賞)に輝いた赤松音呂氏の《Chijikinkutsu》という作品。

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同じく2015年、アニメーション部門のグランプリを獲得した Alex Verhaest による《Temps mort》、そして新作の展示も。

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もはやメディアアート/バイオアート界のリビングレジェンドといっても過言ではない STELARC は自身の腕に埋め込んだ耳付きの腕の彫刻、3Dモデルのテクスチャのようなパノラミックなポートレート、これまで体をはって手がけてきた実験的なプロジェクトの映像を展示。


その他の作品


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本フェスティバル、ゼネラルディレクター・キュレーターを務める宇川氏は自ら作品も出展。700枚以上というおびただしい数の有名人のサインを宇川さんが憑依(真似)して書いた色紙。圧巻。

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カイライバンチによる重厚な自作楽器たち。

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造形作家/批評家の岡崎乾二郎氏の出展作品は、支持体であるカンヴァス自体が動きペンを持って静止すると絵が描ける装置。「憑依、こっくりさん」というテーマで清田氏と岡崎氏、そして宇川氏の三者による対談は非常に興味深かった。

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アーティスト/音楽家の和田永氏は、別会場である高松駅に隣接したビルの4Fにあるe-とぴあの一角を様々な自作楽器でジャック!子供から大人まで家電を改造した触れる自作楽器でつながれる素敵な空間になっていた。最終日にはメイン会場でパフォーマンスも。


DOMMUNE in 高松!






10日間の会期中、毎日日替わりで豪華ゲストを召喚!オープニングの初日は山川冬樹氏と久野ギル氏によるライブパフォーマンス。山川氏の幽玄かつ狂気じみた人間離れしたパフォーマンスは会場の雰囲気と非常にマッチしており終始釘付けになってしまった。



2日目の夜は東京を拠点にクオリティの高いオーディオ・ビジュアルパフォーマンスイベントをオーガナイズするBRDGからKatsuhiro Chiba+高橋啓治郎とDUB-Russell+Vokoiによるパフォーマンス。


まとめ

IMG_6792 コンペ受賞者に贈呈されたヤバい賞状。

IMG_6799 DOMMUNEは日替わりで出演者がかわるので毎晩打ち上げ。ステラーク氏は誰よりもご飯をもくもくと食べていた。

と、ここまで駆け足で振り返ってみましたが、祭はクリスマスをまたいで27日まで絶賛開催中!途中で東京に戻ってきてしまいましたが、興奮冷めやらぬといった感じで熱っぽく勢いでレポート書きました。

一見これってメディアアート??と思ってしまう作品もあるけど、しっかりと宇川氏の哲学が反映された、彼が定義するメディアアートを集めたのだなと、参加していて節々で感じました。情熱たっぷりにその独特な口調で語られる独自のロジックとまなざしは、確かな説得力があり引き込まれます。

最後にこのフェスティバルの運営に関わっていた方がFacebookにポストしていた一文を引用したいと思います。

こういうイベントって組織化されるとどんどんつまらなくなると思うので、うっかり足を踏み入れた人が総出でつくりあげた記念すべき第一回目は、きっと幻ではなく伝説になるはずです。


この一文にかなりいろいろ凝縮されていると思うし、伝説になってほしい、そして来年以降も続いてほしい、そう思います。


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おわり


Information


高松メディアアート祭
The Medium of the Spirit -メディアアート紀元前-

http://www.maf-takamatsu.jp/
https://www.facebook.com/maftakamatsu/

2015年12月18日(金)~27日(日)
時間: 10:00~21:00(18日のみ18:00~)
料金:
[前売券]
披雲閣入場券(玉藻公園の入園料含む) 一般:800円
DOMMUNE入場券(披雲閣入場と玉藻公園入園料を含む)一般:1,600円 高校生以下:1,000円
Nibroll 全席自由:2,000円

[当日券]
披雲閣入場券(玉藻公園の入園料含む) 一般:1,000円 高校生以下:500円
DOMMUNE入場券(披雲閣入場と玉藻公園入園料を含む)一般:2,000円 高校生以下:1,500円
Nibroll 全席自由 :2,500円

会場: 玉藻公園/披雲閣、常磐町商店街、南部三町ドーム、北部三町ドーム、サンポートホール高松、他

主催:高松メディアアート祭実行委員会・高松市