SAL EXHIBITION :Chant of paint
SAL EXHIBITION :Chant of paint
完成された作品の展示というのが本来、アーティストの展示でよくある風景。そういった展示を見てきた人も多いだろう。
今回紹介する SAL というアーティストによって行われた「 Chant of Paint 」という1ヶ月の展示は、そういった今までの「よくある展示」とは全く違うものだった。
「その場で前半の2週間で作品を作り上げ、後半の2週間で仕上がった作品を展示する。」
普段あまり目にすることのできない作品の完成に至る過程や、日々を追うごとに徐々に見えてくる全体像、リアルな現場の雰囲気。そんな今までのエキシビジョンで感じたことのないものが漂っていた。単に絵を描くだけではない SAL だからこそのアプローチだったのかもしれない。
制作中に毎日足を運ぶことはできなかったが、黙々と着々と作品は完成に向けて様々は表情を見せていた。顔見知りのDJが毎日日替わりで8時間音を流し、SALがその中で2週間描いた。いい展示だった。いつも感じていた、どこか一方的だったエキシビジョンの姿はそこには一片もなかった。
レセプション後、次の日会場に行くとそれまでの2週間の心地いい空気と納得の作品が悠々と置かれていた。
photo & text by snp