City Fictions


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土日に2日間開催されていた展示は、「City Fictions」と題し、NOMAというマンチェスターの新しい区画でその2日間だけ、近い未来の都市を提示するといったコンセプトで、その区間内全体でで広く展開し、テーマに沿った作品や研究を紹介していた。


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Smart Citizen Kit from Mind the Film on Vimeo.


Future Everything運営本部が設置されてたビルの一階で紹介されていたSmart Citizen。これは、かつてウスマンハックがはじめたPachubeというセンサーデータを公開、共有して地球をセンシングするといった趣旨のプロジェクトに、センシングするための専用のデバイスを付随させたようなもの。環境データをセンシングするためのセンサーを搭載したArduinoベースのモジュールデバイスを開発、生産し、そのデータを共有するプラットフォームとなるサイトを公開している。今回Future Everythingのオープニングでマンチェスターはバルセロナ、アムステルダムに次いで第三のSmart Citizen Cityになるということを大々的に発表してたので、おそらく今回のフェスティバルの目玉コンテンツの一つ。


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同じ建物の地下では「Bio-Tech-Kitchen」というバイオ系のプロジェクトの紹介。上の写真はスーパーで売られているいろんな種類の肉をOpenPCRを使ってDNAを分析し、そのラベルに記載されている通りの肉か検証するプロジェクト。


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別の建物に移ると「Wearable Futures」というコーナーを発見。ロンドンのデザインスタジオSuperfluxによる「Open Informant」や、イタリアのデザインリサーチセンターFabricaのリサーチャーによる「ANTI-NIS ACCESSORIES」といった、最近ネットで話題になっていたプロジェクトが紹介されていて、開発されたプロダクトの実機を見ることができた(触れはしなかったけど)。


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また違う建物の地下に展示されていた、Data as CultureというプロジェクトによるEndless Warというビデオインスタレーション作品。WikiLeaksにアップロードされたアフガニスタンの戦争中に書かれた日記を、3面の映像それぞれ違う方法でリアルタイムに解析し見せている。


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こちらは屋外で展開している建築系プロジェクト。

展示の全体的な印象は、ビッグデータやデジタルファブリケーション、バイオ、ウェアラブルといったメディアアートシーンで今最も旬なテーマは全て網羅しているといった感じだったが、非常に実験的なプロジェクトが多く、完成形の作品そのものを見せる「展示」といったものはほとんどなく、アイデアの提案や、事後のアーカイブ、オンサイトで進行してそれを見せるといった形態の、その場にあるものだけでは成立しない作品、プロジェクトがほとんど。
City Fictionsとは、未来をどういうふうにより良く変えていけるかについて、そういったプロジェクトを紹介したり、実際に都市の一角をつかって実験して見せることで、その可能性を探ろうとする試みだったのでしょう。


Longplayer for Voices and Listening Post



夜に見たコンサートで地味だったけど面白かったLongplayerのボーカルバージョン。Longplayerは2000年から反復なしで千年かけて演奏するように作曲された楽曲で、この日演奏したのは開発中の人間の声の不確定性を利用したボーカルバージョンのデモ。
Longplayerに関して詳しくは以下