有名過ぎるBANKSY、賛否両論のアーティスト・レジデンシー in ニューヨーク 進行中
ご存知、ブリストル出身のアーティストBANKSYが現在ニューヨーク・シティーの街中に連日作品を公開しているプロジェクト「BETTER OUT THAN IN」を展開中。
グラフィティー発祥の地で大規模に展開しており、世界的に有名なアーティストだけに色んな意味で盛り上がりを見せています。
さて、作品はこのプロジェクトが「BETTER OUT THAN IN」と題されてるように「中」ではなく「外」にこだわった作品が毎日のように街に出現。
これが最初のやつ。

「外」をアイロニカルにギャラリー風に扱うためなのか、ピースの隣には電話番号がステンシルされており、そこに電話すると無料通話でオーディオガイドが聞くことができるらしい。プロジェクトサイトにも音声ファイルが上がっているので電話をしなくても聞くことができる。音声ガイドもいかにも広告っぽい声であったりこちらもアイロニカルである。
形態は様々。

こちらはトラックの中にモバイル・ガーデンが作られ、連日別の場所に出現しているとのこと。

こちら動物の人形を積んだトラック”Sirens of the lambs”。動画でみると確かにコワい!
そして、有名すぎるBANKSYだけに、いろいろ余波が発生している模様、
このトラックの場合は位置をトラッキングするデバイスを一般のひとが勝手につけたとのこと、もう既にBANKSYらは別のクイーンズのトラックにその装置を再装着したそう。
動画の作品もYoutubeにアップされた。
これはご覧いただくのが一番よいかと。
最後の子供が大人を蹴るシーンはとてもいいですね。

また日曜日の一日だけ、セントラルパークによく出店されているお土産屋さん風にBANKSYのオリジナルキャンパス作品が60ドル程度で陳列販売されていたとのこと。やさしそうな伯父さんが売っています。
普通に買ったら高額であろう作品ですが、この日の売上は420ドルだったとのこと。

16日にサウス・ブロンクスに登場したのはこちらの彫刻。冷ややかなロナルド・マクドナルド(日本表記だとドナルドらしい)のレプリカ、巨大な靴を磨く少年も作品の一部。来週いっぱい、お昼時のマクドナルドに出現するとのこと。
(このサイトに上がっていた画像が微妙に傾いてるのなんでだろう。)
見かけた人のインスタグラムムービー。
と、いくつかの作品をピックアップしてみました。プロジェクト・サイトに丁寧にすべてアーカイブされてます。
テレグラフのサイトでは丁寧に作品の位置を地図にまとめてくれています。
Banksy Better Out Than In map: see where the street artist has painted
さて、ニューヨークで億万長者のBANKSYが暴れてるということで、いろんな余波がでてるようで、
まずほとんどの作品は上書きされるなどすぐに消されるような展開になっている。

ハートの風船のステンシルをOMARというライターが上から。
右のほうの「OMAR IS A PUNK」など後日追記されている。

via telegraph
こちらのテレグラフの記事でまとめられています。
http://www.telegraph.co.uk/culture/art/art-news/10352051/Banksys-New-York-works-suffer-vandalism-just-hours-after-completion.html
7日後の様子はこちらにまとめられてます。
http://animalnewyork.com/2013/all-banksyny-seven-days-later/
こちらのビデオでは、地元の兄ちゃんたちが、「お前ら普段こんなところ来ないくせに写真撮るためだけに来るんだったら20ドル払え〜」的なことを言っていたり。
もうこういうビデオすらもバイト雇ってそうな勢い。
さらなる展開で、作品を修復するお兄さんも登場し、既に以下のビデオで取り上げられています。
「『モナ・リザ』だって修復されてるんだからさ!」
優しいお兄さんっぽい。

グラフィティはコンペティションがキモであり、NYCならこれぐらいの反響は予想できるので、ここまで話題になるだけもう全部ひっくるめてBANKSYなんでしょうかね。
まあ、ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーが100万ポンド(1億五千万円)分買い占めるぐらいですからね。
メタ的に参戦してるアーティストも出現してるようです。
最後に、お気に入りはこれ。

プロジェクトと関係してるのか不明ですが、PS1にボムられた「BANKSKY」(バンクスカイ)というスペルミスのタグ。
最初のオーディオ・ガイドでも「バンクスカイ」と語られていたので本人かも?
10月いっぱい進行するらしいのでNYPDに捕まってしまうのか、どういう展開があるのか、
またアップデートがあったら追記いたします。
10年以上前にBANKSYと知らずロンドンで出会った壁が懐かしいわけです。
以下のサイトにいろんな出来事がまとまっています。
ANIMAL NEWYORK
http://animalnewyork.com/tag/better-out-than-in/Better Out Than In
http://www.banksyny.com/追記 2013/10/23
みんな大好きバンクシー、連日いろいろ展開があるので忘れないうちに追記しておきます。

18日にWest 24th streetに登場したのはこちら。
サンパウロ出身の双子兄弟Os Gêmeosとのコレボレーション作品がガード下に、ガード付きで登場。

連日ひとがたくさん集まってるとのこと。ガードさんはれっきとしたセキュリティ会社から派遣されてるよう。
Gothamistによるとこの敷地のオーナーも特定されていて、無償で貸してるとのこと。
なんかウラ取り合戦に発展している模様です。

続いて、Upper West Sideにはこの作品が登場。
さて
上記にも地元のお兄ちゃんたちが登場しますが、このあたりからだんだんよくわからない方向に物事が進んでいます。

作品の場所が特定されるともう人だかりになってるらしい。

で、すぐに地元のライターなどに上書きされる状況で、こういう状態に。
“LET THE STREETS DECIDE”(ストリートに判断させろ)という文字。
ただ、よく見るとアクリル板のようなものでで保護されてる。。。
上書きと保護合戦が激化してる、なんやら方向がズレ始めてる。いや、これが狙いなのか。

月曜に登場したのはこれ。
サウス・ブロンクスに”GETTHO 4 LIFE”、お金持ちの少年とスプレー缶をサーブする使い。
いかにもBANKSYらしいアイロニックなピース。
そして起きたのは、、

今度はこのタギングされたビルのオーナー自らが2人のガードを雇い、保護してるとのこと。
上記のお兄さんたちと違い、見るためにお金を要求してるわけではないらしい。チップは受け取るって。ブランケットで隠してるのが味わい深いですね。
Gothamistによるとガードのお二人はBANKSYを知らなかったとのこと。
休まない勤勉なBANKSY、22日にはQUEENSにスフィンクスが登場。


公式?に上がってるこのこの写真がまた傾いてる。
なかなか見事なピースですね。これいきなり駐車場にあったらビビるなあ。
そんでもってまたひと悶着。

トラックで運び出してる!!!
New York Postによると、この敷地のショップオーナーがギャラリーから話を持ちかけられて、20名ぐらいの人でトラックに積み、売ったそうです。ちなみにギャラリーは特定されてないようです。
その様子を大勢の人が見ていたそうですが、だれも止められずに。口論が起きたり、警察が来たりなかなか緊迫した状況に。作品の一部を100ドルで売ってたりも。運び出してるひとたちはBANKSYのこと知らなかったとの情報も。
ちなみに、コンクリート製っぽいですが、発泡スチロールやセメントなどでちゃんと作られているようです。
便乗系では日曜日の公園での販売を模倣したFAKE BANKSYのショップが出店されて売り切れたとか。
全部引用の情報なので、不正確があったら失礼。
とまあ、ブルームバーグ市長まで巻き込んだり、まんまとBANKSYの狙い通りの展開へ。
作品を「お金」としか見られてないことへのアイロニーを民衆たちが証明してくれてるような。
本人はみんなのワイワイをみてクスクス笑ってそうで楽しいプロジェクトとなってきました。
これでは終わらなそうなのでまたアップデートします。
全部の作品はプロジェクトサイトに丁寧にまとめられてます、そういえば最近のはオーディオツアーがないですね。
あとはこのGothamistというサイトのライターが連日実際に場所に足を運んで取材しているようで面白い情報がたくさんあります。
http://gothamist.com/tags/betteroutthanin
Better Out Than In
http://www.banksyny.com/by Yosuke Kurita
http://twitter.com/yskkrt