—-追記 2013/10/15
ANIMALというメディアにオークションや展示の様子、アーティストコメントなどまとめた動画が上がってました。

記事はこちら

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世界的なアートのオークションハウスであるPhillipsとTumblrの共催でデジタル・アートを扱うオークション「Paddles ON!」がニューヨークにて10月10日に開催。近年、増え続けるデジタル・テクノロジーを使用したアート作品をコンテポラリー・アートのマーケットに接続するべく開催されたオークション。

Twitterで友人のラファエル君や知ってるネット・アーティストがなにやらザワついていて、何か一つこの分野がまた前進？した雰囲気があるのでちょこっとご紹介。

参加アーティストにはRafaël Rozendaal、Nicolas Sassoon、Petra CortrightなどからCasey Reasもいたり。作品形態も様々で、ラファエル君もウェブサイト「ifnoyes.com」やInstagramでちょいちょい見かけていたレンチキュラーの作品などリアルな物体も。インターネットを利用した作品からインターネット・アウェアな作品も混在しているようです。
The Wallstreet Journalによると予想された作品の価格帯は$1,400〜$18,000、10万円から200万円程度とのこと。また素晴らしいのが売値の8割がアーティストへ、2割はRhizomeへ、Phillipsは取り分は無し、とのこと。

ifnoyes.com, Rafaël Rozendaal

WSJでも議題として上がっていますが、やはり議論となるのはコピーできるデジタル・アートの売買をどうやって定義するかというところ。ラファエル君のウェブサイト作品の場合は売買契約を定義した契約書“Art Website Sales Contract”があったりするので割とスムーズだったかと思いますが、他の形態の作品は実際どういう形態だったのかは気になるところ。

作品は発表されていて、事前にオンラインを通じての入札も可能だったとのこと。
以下のサイトではそれぞれの作品の概要および価格帯などを見ることができる。
http://paddle8.com/auctions/paddleson


こちらはPetra Cortrightの「RGB,D-LAY」というビデオ作品。YouTubeにビデオは上がってるのですが、販売はこのオリジナルビデオファイル、エディションは3。価格はYouTubeのビュー数に比例するとのこと。



Addie Wagenknecht による「Asymmetric Love Number 2」、CCTVカメラを使ったシャンデリアのようなスカルプチャー作品。こちらは入札額が$16,000。成立のときのビデオはNYABのInstagramに。


CASEY REASの作品「Americans!」はアメリカのテレビ番組をノイズのようにコラージュしたジェネレーティブな作品。カスタムのソフトウェアと共に作品として販売。以下はその一部を切り取ったアニメーション。


上記はごく一部だが、取り扱うメディア、鑑賞プラットフォームも様々となっているのがやはり特徴となるだろうか。
アートの世界やネット・アートのトレンドを知らないと「ただのデジタルデータにこんな値段？」とまだまだ思う段階だろう。
このオークションのキュレーターであるLindsay HowardさんのTwitterによるとこの日のオークションの成立金額の合計は90,000ドル近くとなったとのこと。
ちなみに、リンジーさんはEYEBEAMにもいた方で、F.A.T GOLDの展示のオーガナイザーなど、新しいネット・アート関連の発表や流通に精通していて第一線で活動してる方のようで要チェック。

オークションが終わったばかりなので、どういった反響があるかまだ確認できてないのですが、参加したアーティストや関係者からは何か新たな階段を登ったかのような高揚感が漂っていてなんとも微笑ましい。

ラファエル君、リンジーさん、そしてTumblrのデビット・カープの素敵な写真を見るといちファンとしては嬉しいかぎりなんです。Congratulations!!!



ちょうど水野さんもこの件について言及している記事とブログもアップされていたのでそちらもぜひ合わせてどうぞ。また何か追加情報があれば追記します。


http://mediag.jp/news/cat3/paddles-on.html

http://touch-touch-touch.blogspot.jp/2013/10/digital-art-auction-Paddles-On.html

英語ですが、WSJによる「How Do You Invest in Digital Art?」（いかにデジタル・アートに投資をするか）というちょっとしたニュース放送も、簡単なところだけですがわかりやすく伝えてあります。


http://online.wsj.com/article/SB10001424052702304713704579091192929676208.html?mod=WSJ_NY_MIDDLETopStories