こんにちは。tadahiです。
先日のustラジオ「君と僕とインターネット」にも登場していた、土居下君&時里君 ダブル個展「照準と流出」に行ってきましたので、軽くフォト&映像レポートをお届けします。

まずは、時里充展 「AとBとA’」の方から。




会場はこんな感じ。カメラのフォーカス音がカシャカシャ鳴り響いていて、緊張感のある空間。
時里君は、不条理な循環機構や、記録という事を軸に作品を制作していて、本展でもカメラやそのフォーカス機能を使った奇妙なループ構造が展開されています。


カメラとカメラが向き合って互いに撮影し合っている映像。不思議なシチュエーション。
その横では、実際のカメラが2台向き合って、ピントをカシャカシャ合わせ合っています。


この作品は新作。
映像の中にレンズ側が映り込んでいて、レンズの動きと、映像全体のピントがあったり合わなかったりを同時に見る事になる。
合成っぽいけど合成じゃない、、どうなっているかは会場でよく観察してみてほしい。
他にもレモンやパプリカ、ゴーヤ、パイナップルバージョンもあります。


続いて、時里展とは対照的な土居下太意展 「トクトクマウス 移動Ver.プロジェクション!」。
モニタ、コンピュータ、スピーカー、ケーブル、自動販売機、謎の装置などなど、たくさんのオブジェクトが雑然と配置されています。



トクトクマウス体験中

トクトクマウスの動きは会場のライトや音響に何かしらの影響を与えているらしい。その他にも、システム的にいろいろ繋がっているそうです。実際に会場にいると何がどうなって動いているという事よりも、空間の中でいろいろな事が同時多発的に起こっているという全体としての印象の方が圧倒的な迫力で目に飛び込んできます。

土居下君は出来上がった作品の完成形だけを見せるのではなく、プロセスとしての空間という事を意識して制作しているそうで、展示を作り上げて行く過程で起こる予定内、予定外の出来事や、展示会場内の様々な入出力の過程で起こる現象など、もろもろの移ろいでいく痕跡を見ていくような空間を展開させています。







オープニングパーティでの土居下君パフォーマンスの様子「shという発音の出し方と移動」
即興的に時々ピアノを引いたり、何かを朗読?したり、立ち上がって演劇的な動きとともに声を発したりなど。作品にも通じる、何かに収束しない感じというか、インスタレーションの続きを見ているようなパフォーマンスでした。


オープニングパーティの様子。


向かって右から、本企画のキュレーター四方幸子さん、土居下君、時里君。

という事で、土居下展、時里展、メディアの使い方や、空間の密度など全く正反対で興味深く、どちらも見応えある展示となっています。
会期は、7月5日まで。6月30日にはアーティスト・トークもあり。
ぜひお見逃しなく。
日曜は休廊なのでご注意ください。


Information


新鋭メディアアーティスト・ジョイントタッグ
「照準と流出」

http://www2.kb2-unet.ocn.ne.jp/ask/2012/shikatasyou.htm

2012年6月20日(水)~7月5日(木)
11:30~19:00 日曜休廊
会場:art space kimura ASK? (2F) + ASK?P (B1F)

関連イベント
土居下 太意ライブ・パフォーマンス「shという発音の出し方と移動」& more…!
6月23日(土)17:00-19:00

アーティスト・トーク
6月30日(土)17:00-19:00


プロフィール


土居下 太意
1989年生まれ。
2012年多摩美術大学情報デザイン学科情報芸術コース卒業。
多摩美術大学大学院美術研究科在籍。
「くだーtube」、エフェクトをコンセプトに、主にパフォーマンス作品を制作している。
2011年第17回学生CGコンテストにて本作が審査員賞を受賞。
http://bit.ly/ttttaaaaiiii

時里 充
プロフィール:1990年生まれ。
2010年 IAMAS(国際情報科学情報芸術アカデミー)DSPコース卒業。
2012年多摩美術大学情報デザイン学科情報芸術コース卒業。
http://tokisato.info/