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6. ドッツ・アンド・ラインズ最終回。あるいは思索という名のすごろく遊びのための

March 11, 2010
Yasuhiro Tsuchiya
ウェブプランナー、SLN土屋泰洋による連載、最終回。

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連想ゲーム的に様々なコンテンツをご紹介してきたこの連載も、6回目の今回で最終回です。結構時間がたってしまいましたが、第1回目の記事で、連載をはじめるにあたって、以下のような事を書きました。

全く関係無いと思っていたものが、タグやコンテクストをたどっていくと、結局つながってしまう。そういった「風が吹けば桶屋が儲かる」的なつながりを発見するということが、最近とても面白いと感じています。情報(DOT)から情報(DOT)へ、線(LINE)を引き、なぞっていく。こうした、一見破綻したロジックにわざと溺れてみるような、ハイパーリンクの迷路あそびのような行為の面白さを連載を通じて様々な人たちと共有できないだろうか。

ここに書いたようなことが、はたしてこの連載でどれだけ実現できたかは分かりません。ぼくから見たら線でつながっているようなことも、読者の方から新しい発見だったかもしれないし、逆に「何を同じところをいったりきたりしているのだ」とイライラした方もいらっしゃるかもしれません。ちょっとだけクスリとなったり、新しい発見があったり、あとからふと思い出すような何かが残せたらうれしいです。



Dots&Lines

さて、今回は連載の締めくくりとして、前回までの連載の中で取り上げた様々なキーワードを抽出し、その関係性をビジュアライズしてみました。 Dots&Linesというわけで、まさに点と、線によって構成されたマップです。連載の回によってドットの色が変えてあります。気になるキーワードを発見したら、そこから様々な方向に延びる線をなぞりキーワード同士の関係性について考えたり、対応する回の連載をもう一度読んでいただいたり、そんな使い方をしていただけたら幸いです。

Vol.1 レムコールハースからラスメイヤーまで。あるいは情報過剰時代のブレインストームマニュアル(ウソ)
Vol.2 デザイナーズリパブリックからビジュアライジングデータまで。 あるいはコンピューターで絵を描くためのいくつかの方法について。
Vol.3 モーツアルトのサイコロ遊びからOval Processまで。あるいは音楽をつくるためのいくつかの方法について。
Vol.4 自動念仏機からトイカメラまで。 あるいはiPhoneアプリから考えるメタデザイン入門。
Vol.5 クレショフ効果から吉幾三まで。あるいはコンテンツの細分化とマッシュアップを巡るブレインストーミング





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→PDF版「CBC-NET Vol.1-5 Visualization : Neato」




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→PDF版「CBC-NET Vol.1-5 Visualization : Dot」

上記のグラフは、オープンソースのグラフ描画ツールGraphvizを利用して制作しました。Neatoは、すべてのノード(点)を等間隔に描くというアルゴリズムで描画したもので、Dotは疑似的に階層構造を持たせて描画したものです。あくまで描画方法の違いで内容に差はありませんが、見やすさを考慮して二つの図を用意してみました。

こうして連載全体を俯瞰してみると、思ったほどぶっ飛んだ飛躍はなくて(それでも吉幾三とピエール・シェフェールが共存する図は世界で探してもこれだけだと思うけれど)想像以上に小さくまとまってしまった所が反省点かなあと思います。おそらくこれは連載をまとめるために、最初にある程度マップを書いてしまっていたのがリミッターになっていたというのと、単純に僕の知識が偏っていたことが原因でしょう。再びこの連想ゲームスタイルをやるとすれば、連想ゲームの最後に出てきたキーワードをバトンとして、次々別の人(自分の知り合いとか)に渡していくような「笑っていいとも」的なスタイルでやるほうが、複数の人間がかかわる分、飛躍はより大きく、複雑になっていって面白そうです。これはまた温めつつチャンスがあれば別の機会にやってみたいと考えています。



謝辞
最後に、お声掛けいただいたCBC-NET栗田さんをはじめ、GRANDBASE INCの皆さまに、この場を借りて感謝を。僕のような人間にこのような機会を与えていただき、本当にありがとうございました。

それではみなさま、またどこかでお会いしましょう。ありがとうございました!

土屋 泰洋 (slnsyndicate *gmail.com *=@))
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