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Interview : Jeff Staple

October 20, 2006 11:23 PM

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9月、青山に「Reed Space」がオープンしたことは以前の記事「reed space tokyo」でもお伝えしたとおり。このスペースはNYにあるときから馴染みがあり、多くの知り合いのアーティストがエキジビションを開催していた。PhunkStudio,FAILE,Peter Sutherland、MatzuMTPなどなど。
それを運営するStapleDesignのリーダーのJeffに今回は話を聞くことができた。彼らはBURTONやNIKEなど大手クライアントと多くの仕事をするとともに、自らの洋服ブランドを展開するなど非常に多岐にわたり活動を行っており、近頃日本でも良く耳にする名前となっている。
今回のインタビューではStapleの仕事の話や彼の仕事に対する姿勢など、そして彼のベースがグラフィックデザイナーであるということなど多くの考えを話してくれた。
Stapleが誕生して10年、それを彼は「ただの偶然ではじまり、続けている」と語る。その理由が少し読み取れるインタビューとなった。


Interview & Photo by Yosuke Kurita

CBCNET:簡単にStapleDesignとReedSpaceの今までの経緯を教えてくれますか?


Jeff:Stapleは僕がまだパーソンズ大学にいるとき、1997年に始めた洋服のブランドなんだ。それからもっとグラフィックデザインをやるようになって、2002年に「ReedSpace」をNYCにオープンした。何でショップを始めたかというと、それまでのお店やリテーラーには色々が不満があったんだ。彼らの多くがブランドを正しく表現していなかった。お店をかっこよくすることばかりを考えていて、デザイナーのことは忘れちゃっているみたいだったんだ。だから僕らはそのブランドやデザイナーについてもっと教えたいと思っていた。そのブランドの背景を伝えていけば、おのずとショップがクールになるはすだからね。


CBCNET:多くのクライアントワークとともに、パーソナルなものもたくさん手掛けていますよね。
どのようにその両立をはかっていますか?難しいことはありますか?


Jeff:たまに難しいこともあるよ。お金と人間はいつもお互いを伸ばそうとするものだからね。たとえば、3,4年前に僕らは自分たちのブランドで100個ぐらいデザインを作っていたんだ。そうすると、50はあまりよくなく、30はすごい良くて、20はまあまあ、という具合になってしまう。だから、必要ないやつは作るのをやめて、良い30だけをつくろうじゃないかって言ったんだ。面白いことに、そうしたことで売上も上がった。作品自体がよかったからもっと売れるようになったんだよね。アップルがやるビジネスモデルにも似ているとおもうんだけど、商品を少なく、且つ素晴らしいものにしたほうが良いってね。


CBCNET:「ReedSpace」のアイデンティティーやテーマを教えてくれますか?


Jeff:まず最初のテーマとしてあるのは「教育」なんだ。ReedSpaceっていうのは僕が教わっていたアートの先生の名前なんだよ。彼が僕に対して価値があるように、このお店もお客さんにそうした価値のあるものになればと思っている。みんながここに来て、なにか新しいブランドやアーティストのことについて知ってくれるようにね。何か買うように強制はしないし、ここに来てくれて新しいことを学んでくれたら嬉しいよ。コミュニティーセンターみたいな位置づけかな。

「ReedSpace」は通行人がふらっと入ってわかるようなお店じゃない。ニューヨークのお店で一番良く聞かれるのは「ここは何?」って質問なんだ。彼らはどこに迷い込んだのかわかってない。ニューヨークのお店はオーチャードストリートにあるんだけど、5年前はあまり人がいるところではなかった。でも今では多くのお店ができて、人もすごく増えたんだ。青山もそういう感じがして、この場所を選んだんだよね。長い期間を想定して、僕らは投資している。人々を惹きつける重力を持った場所にしたいし、こういうことは自然と起こらないとダメなことだしね。


CBCNET:東京という街に関してはどう感じていますか?


Jeff:この街にはすごくインスパイアされているよ。細部にこだわる側面や文化の美学もね。モダンから古いものまで全部。みんな優しいし、なにより小売業の環境やサービスなどが違うレベルなんだ。歩いて、入る店がすべてが「次のもの」って感じだよ。そのレベルを達成しないとっていう良いモチベーションにはなるよね。だから「ReedSpace」の東京店は目標をすごく高くなったんだ。


CBCNET:様々なことが身の周りで起こっていていると思うのですが、どうやってそれを管理しているのですか?


Jeff:すべてはチームがあってのことだよ。こんな多くのことを一人で出来るわけないからね。ニューヨークと東京に素晴らしいスタッフがいて、彼らのおかげで僕みたいな人が好きなことが出来るんだ。


この仕事を10年間やってきて学んだのは、人間のメンタル的な部分が非常に重要ってことなんだ。スキルは正直関係ない。請求書制作なんて知らなくたって、それは教えることが出来る。でもメンタリティーと性格っていうのは教えることができない。技術があってもわからない人より、僕は技術がなくても自分と合う人間と働くことを選択している。たとえば、僕らが100デザインあったときはあまりに多くの人と働いていた。すごく忙しいときは人を雇って、その問題を解決しようとするけど、それは必ずしも良いわけではなくて、逆に状況を悪化させ兼ねないなんだよ。


CBCNET:以前トークショーで話を聞いたときに、Jeffは2つのことを守ろうとしていると聞きましたがそのことについて聞かせてほしいです。ひとつは「すべての人と平等に接する」というものでした。


Jeff:そうなんだ、僕は出会う人みんなに同じように接するようにしている。それが大企業の社長だとしても、クリーニングをしてくれるおじさんに対しても、まったく同じように接している。たまにそれに対して快く思わない人もいるけど、お互い血が流れているし、いつかは死んでしまし、税金だって払ってる。これを読んで、若い子は勘違いしてしまうかもしれないけど、みんなに対して友達のように話していいってわけじゃないんだ。同じようにリスペクトを持って接するということなんだよ。幸運なことにそうした部分を感謝してくれる人は多いし、それが僕らが様々なクライアントとうまく付き合っているひとつの理由かもしれないね。
もうひとつの言葉はビル・コズビーが言ってことで、彼は「成功の秘訣は知らないが、失敗の秘密は知っている。それはすべての人を満足させようとすることだ。」と言っていたんだ。


これを僕が聞いたとき、僕は自分のキャリアの中で「もうStapleは続けられない」って思っていた時期だったんだ。従業員や経費など様々なことがあって、自分のためだけに働く状況ではなくなっていて、すごく大変だった。僕が働くのをやめれば、みんなは食べるのをやめるってことだからね。大きなプレッシャーだったよ。
そのとき気づいたのは、僕がみんなを満足させたかったってことなんだ。従業員、ショップスタッフ、会計担当、セールズ担当や取引先などをね。もうそのときは「もうみんなと仕事はしたくない、自分で全部やる」って言いかけそうなところまで来ていた。でもこの言葉を聞いてから「俺がこのバスを運転している。行き先は俺が決めるんだ。」って考えられるようになった。出来る限りみんなの意見は取り入れるようにしているけど、結局最後には自分が決断をしないといけない。それからはすべてがうまく行くようになったんだ。
僕はたぶんいろんな意見を聞いて、それをもとに判断をすることに関しては得意なんだと思うよ。


CBCNET: 「Staple」という意味について聞くのを忘れてました。どういう意味があるんですか?


Jeff:「Staple」ってのは生きていく上で欠かせないものを指しているんだ。たとえば、米はStapleな食べ物。あとは空気とか水とかね。この言葉は僕らに関して多くを伝えていると思うんだ。僕らの仕事っていうのは誰もが認知できるトレードマークがあるわけじゃないんだ。みんなが知らない仕事もたくさんやっているし、でもそれはいろんなところにあって、みんな気づいていないだけなんだよね。


CBCNET:Jeff自身の本名は「Staple」ではないですよね?


Jeff:そうなんだよね。これは僕のTシャツを初めて買ってくれた人が原因なんだよ。学生のころ、あるお店が僕のTシャツを買ってくれたんだけど、毎週12枚持っていっていて、行くたびにまた追加で注文してくれたんだ。そこで「Jeff StapleもっとTシャツを持って来い!」って言われるようになったんだよ。そのときは「俺の名前はStapleじゃやないって!」って言っていたんだけど、今ではみんなが僕の名前だと思っているよね(笑)


CBCNET:Tシャツはどうして作るようになったんですか?


Jeff:作り始めた97年ごろの有名なブランドのTシャツはでっかいロゴがドーンってあるだけのものが多かった。それになんか意味があるのか?って思っていたし、僕には何も価値がなかった。Tシャツっていうのは何らかの形で着ている人を主張するものだと思っているんだ。だからもっと基本的でパーソナルなものを作りたいと思っていたんだ。


CBCNET:今では多くの分野の仕事をしていますが、自分のベースとなるところはどこでしょう?


Jeff:僕のベースはグラフィックデザインとコミュニケーションデザインだね。正直、ファッション業界はまったく好きじゃないんだ。場所を持つということは小売業で、すべてにおいてデザインを入れるようにしている。ロゴ、ショッピングバック、ビジネスカード、招待状などすべてが良くデザインされていないといけない。お店を持つっていうのはいろんなものを自分が好きにデザインする口実のようなものだよね(笑)。デザインをすることが僕に一番合っているんだ。


CBCNET:クライアントワークと自分の個人的なワークとではどう違いますか?


Jeff:僕はクライアントワークは大好きなんだよ、グラフィックデザイナーが天職だから。
Stapleの洋服をやるときは誰の質問にも答える必要がない。でも何が良くて、何が悪いっていう意見を聞かないと、だんだん自分の特徴が薄れるものなんだ。批評は必要なんだよ。
あと、僕は他のクリエイティブな人と働くのが好きだし、企業の問題をデザインで解決するというチャレンジも大好きなんだ。フリーランサーはたまにそれをやっていて行き詰ってしまうことがあるけど、ぼくはそう感じたときは自分のStapleの洋服とかをやるようにしてるんだ。


CBCNET:もうひとつ、今のインターネット事情についてどう思っているかを聞きたいです。仕事する環境や文化をどう変えたと思いますか?


Jeff:インターネットはすごくパワフルなものだよ。すべてを状況を変えたよね。僕がStapleを始めたときはメールアドレスなんて持ってなかった。僕が7年かかってやったことを今では1,2年でやってしまう人たちがいる。
インターネットがないときは、僕は足を使ってやらなくていけなかった。人に合って、自分の商品を持って歩き回っていたよ。

今は情報の流れがとてつもなく速いよね。あるウェブサイトに情報が載っても次の日には一番下にあったりする。ちょっと悲しいけど、それは構わないよ。それぐらい時代の興味が早いってことだから。雑誌や違うメディアがあって、そういう場所にちゃんと載っていれば大丈夫だと思う。結局最後に残るのは本物だし、時間が本物を教えてくれると思ってるよ。


CBCNET:ReedSpaceの今後の予定について教えてくれますか?


Jeff:いろんな計画はあるけど、話すのは好きじゃないんだ。僕らは、最初だとか、独占だとかそういうのを目指しているわけじゃない。Reedにあるものすべてで特別なものなんだ。すべて良いものだし、その理由はしっかりあるっていうのを伝えていきたいね。


CBCNET:最後に、あなた自身のこれからの目標はなんでしょう?


Jeff:単純に、僕とStapleと働く人たちがみんなハッピーでいられたらと思うよ。そして、もっと多くの人が僕たちがやっていることに気づいてくれたらと思う。実は10年間あまりやっていることは変わってないし、より多くの人が僕たちを理解してくれて、サポートしてくれればと思うよ。

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