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STEIM Interaction Workshop | Report

March 4, 2008 1:56 PM

steim_top.jpg先週の26日から3日間にわたり開催されたSTEIM Intreraction Workshopの様子を写真を交えながら振り返る。ワークショップの内容は濃厚で少々マニアックではあったが、インタラクティブな表現を行う上では欠かせない重要なものであり、STEIMが長年積み上げてきたそのノウハウを知ることが出来る貴重な機会であった。

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STEIM(スタイム)はアムステルダムに拠点を置くインデペンデントの電子音楽センターとして、1960年代から即興演奏家やパフォーマンス・アーティストとオリジナル楽器やソフトウェアを開発し、エレクトリック・アートの最先鋭を牽引してきた。
今回のワークショップではSTEIMの現中核メンバーに加えて、アメリカから90年代にディレクターを務めたハードウェア・ハッキングの父ことニコラス・コリンズ氏による演習も行われた。




ワークショプ一日目、まずはSTEIM日本人メンバー水田拓郎氏によるレクチャーからスタートした。STEIMのこれまでの活動や、開発してきたハードウェアを実物を交えながら次々と紹介していった。

steim02.jpg上の写真は水田氏が開発したオリジナルディバイスで、PCとつないでターンテーブルと合わせて使用するもの。(→ 実際のライブ映像

steim05.jpg夕食をはさんで、次はSTEIMメンバーのロバート・ファン・ヒューメンによるレクチャー。画像はSTEIMで開発したソフトウェアLisaを使ったデモンストレーションライブの様子。


そのデモライブの動画


steim06.jpg21時に一日目のプログラムは終了。その後、水田氏がオランダから持参したUBWというセン
サーディバイスの特別レクチャーがはじまる。UBWはGainerと同じような機能を持つディバイスで日本ではあまり知られていない。


steim07.jpgその後も深夜遅くまで参加者による自主的な勉強会は続いた。


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2日目はニコラス・コリンズ氏によるハードウェア・ハッキング講座。実習形式で終始手を動かし作業をしながらのレクチャーであった。上の写真はピエゾというコンタクトマイクを使いながらいろいろな音の実験をしている様子。(→ 動画はこちら)ニコラス氏のレクチャーは実に巧みでわかりやすく、電子工作初心者で、さらに英語が苦手な人でも理解できる内容であった。


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昼食をはさんで、次はサーキット・ベンディング講座。既成の音が鳴るおもちゃをこじ開け、中の回路を意図的ショートさせ、元とは異なる音や動作をさせるオリジナル楽器に仕上げる。


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机上はご覧の通りカオス状態。


steim12.jpgさらにこの日はもう一つ、フォトセル・オシレータというものを制作した。あるICチップに電解コンデンサや抵抗などの部品をいくつかつなげるだけで電子音を発音するオシレータを作ることが出来る!


そしてついに3日目。前半はオシレータ作りやサーキット・ベンディングの続きなど。そして最後に、再び水田氏のレクチャーで全日程が終了。会期中は見学のみの参加者も数人おり、実にオープンかつハードコアなワークショップであった。



上の動画は3日目、複数人でライブベンディングを行っている様子。後日行われたICCのレクチャーにて、今回のワークショップ参加者によるデモライブも行われたようだ。


photo & text by Takahiro Yamaguchi

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