こんにちは。人生残り50年はあるだろう時間を持て余してる勅使河原です。ついこの前書いたはずなのに気づいたら随分と月日が経っていました。皆さんお元気でした? トイレでうんちを落とした時に跳ね返ってくる水は思ったよりも肛門から離れていないなんてことがありますよね。あれって不思議じゃありません? あらーすごいところに跳ね返っちゃったなーとか思うでしょうなのに案外肛門に近い。そんなことをここ最近ずっと気にしていたら跳ね返る水の着水ポイントが肛門を中心にしてミリ単位でわかるようになっていたんだー。あー。

さてさて。ようやく来ましたこの日が。FillSpector for iOSのお披露目です。個人的には久々の新作。やっと作った。やっと出た。太いのが出きった。切れ悪いかなーとおもいきや切れないまま再び本領を発揮してみちっと太くなって最後はまるっとどぅるんと出きったみたいなさ。
もとよりこのFill SpectorはWOWさんのオリジナル・キャラクター・プロジェクト。僕はしばらくの間、このフィル・スペクターのディレクターをやらせてもらってたんです。フィルがもつ空間を埋める性質(空間を埋める>ウォール・オブ・サウンド>フィル・スペクター)には僕の幼少からのアリス症候群的体験があるんだけど、そうしたフィルの原案的なものを僕が。そこから犬的なフィルの姿を起こしたのがイラストレーターの益子悠紀さん。一応ウェブ・デザイナーらしくサイトを作ったりしていく中、やっぱり生んだキャラクターということで愛着が湧いていたし、フィルに関わらせてもらっている間のうちに思い切ったもの…それこそゲームが作りたいと考えていて。そうしてWOW代表高橋さんにわがままをきいてもらって作ることが出来たのがFillSpector for iOS(アプリ正式名はFillSpector)。今、無事リリースさせてもらったことを本当に感謝しております。11  

これまで作った中一番ゲームっぽいものでINDIAくらいかなぁ? ちゃんとしたゲーム開発って今回がはじめてだったんです。でも作れる自信というかやる気だけはあった。もともとゲームが大好きで、というかファミコン全盛期でゲームしない人間なんていなかったけどその中で誰よりも好きだった。一番ハマったのはウィザードリィ。ご存知です? ダンジョン系RPGの元祖みたいなもの。ファミコン版なんで遊びやすいんだけど高い難易度と基本真っ暗な背景に白い文字が浮かぶだけというその画面もあって敷居は高かったと思う。僕はこれで乱数~確率的なものの存在を知ったんです。
 話はそれるけどテレポートっていう到着点を座標入力して一気に移動する魔法があるんだけど、ミスると到着点が石(壁)の中だったりして「いしのなかにいる」とありのままのメッセージが出て死ぬ。それってどんなだろうって。僕らは今空気に包まれているけど、この空気がどんどん固くなって色も付いてしまったら石の中みたいなものですよね。ああ怖い。でもフィルの感覚にちょっと通づるものがある。fam2
 

当時ナムコのファミリーボクシングをひたすら遊んでた時期があったんです。坦々と繰り返される試合の中に時折変化があってスルメ的に楽しめた。でも夢中になってる僕に今は死んでる父が「おまえは人が作った世界の中で予め決まってることをしているだけだ、だ、ぁ、ぁ…」とか言うんです。…死んでるからエコー。ゲームばっかやってる息子を情けなく思っての言葉で、僕自身は大して気にしてなかったがあの人酒飲みで同じ事何度も言いやがるからその言葉は未だに覚えてる。んでその頃から僕は何かに世界が封じ込まれていること、その世界をプレイヤーの居場所を用意しておきつつ作るってことに興味があったんです。だからifとrandomを知った時は超感動。ifとrandomあればなんでもいける。今親父に俺が作ったものをやらせてえ。fam
 

さてさて。実際にゲーム作ってみてどうだったか。実質丸3ヶ月くらいかな。渋谷の雑居ビルにいた昔の仲間達の事務所部屋に間借りさせてもらい篭りっきりで制作していた。やっぱ下らないこと語れる仲間大事。何故かあの頃、というか今も多少続いてるんですが片目が見えなくなって、あーこれが最後の作品かなーなんて悲劇のなんたら的な感じに浸ってもいた。かける曲はマーラー九番第四楽章

当初は恥ずかしながらパックマンからの発展形みたいなことを考えていました。ちょっとびびっちゃって。てへ。でも、らしくないよね、やっぱり誰も感じたことのないようなものが作りたい。ということでボツ。次、フィルが伸びて犬型にはいるという今の原型になるものを作るもいまいちでボツ。でもそれのスコープをぐっと変えてみたら可能性がみえてきた、ということで出来たバージョンが今のもの。1
 

そういえば制作期間通してずっと、なにかが足りてない感じがありました。僕はウェブ・デザイナーなんでインタラクティブなものとかを作ってきたけど、今回は、構想をして、デザインをして、インタラクションも、演出も、プログラミングも済ませ…、と、普段ならこれで大体出来てるはずなのに、ばくっとでっかいなにかが、それがないと成立しないなにかがあるんだけどそこに手がつっこめない。困ってしまい音楽の中岡さんに弱音を吐いた程で、もうこれどうにもならないなーみたいな気持ちでいた時にふと舞い降りたのが、男性器が持つ面白さでした。僕は最終的には男性器が持つ性質またはそれに関連する事象の面白さを突き詰めてやっと形に出来たという感じ。例えば男性器って唯一の存在、何本もいらない、みたいなことでスコープも変えれたわけ。

ちなみに今回の制作メンバーは3人。音楽の中岡さんはウェブやゲームなどで活躍するベテランで長年制作を共にしてきた仲。僕は音には相当ウルサイ人間だけどそんなヤツに地の底までもついてきてくれそうなタフさを発揮してくれる非凡な男です。イラストレーターの益子悠紀さんは明治のグルトのキャラデザ等で知られる絵のセンスも料理のセンスも抜群の人なんだけど、彼女には背後にそびえたつ全てを吸い込む化物バキュームを描いてもらいました。んでそれ以外の諸々が勅使河原6
 

視覚的な要素のほとんどはリアルタイムで生成。あと、フィルの音ってわかります?くちゃくちゃっとか、ぷーーーとか、ぐるぐるるるるるるるとかフィル(指)の動きに合わせて色んな音が鳴るでしょう。あれは僕がプログラミングで作っていて、こちらもリアルタイムで生成された音。そうしたこのゲームの演出にあたって基本にあるのは、以前作ったYEAR OF THE TIGAAAという作品。これはFlashで作られてるものだけどフィルのゲームも同様、全てFlashで作りiOSアプリへ書き出し。簡単。僕にはFlashが一番使いやすい道具なんだよね。

難易度は無茶高いしフォローは弱いしヤリコミ要素は入れてないしで賛否両論になるだろうことは覚悟していたがストアのレビューは無慈悲。「クズ」一言で済まされたりする。皆さんクズって言葉を人生で使ったことあります? …そうして凹んではその都度、米光さん(ぷよぷよやバロックの作者の方)のレビュー記事を読んで気持ちを持ち直すような状態。めげるわけにはいかない、僕はこれからゲームを沢山作るのです。ゲームを作るのって楽しい。これが念願の一作目。…というわけでアプリ/ゲームも作れるようになりました。そんなご依頼もお待ちしてます。お金が、ほしい。具体的にいうと6月以降。ご相談はpapa@qubibi.org まで。123
 

無料期間もあと数日。今タダ。皆さん是非触ってみてください。必死にこすってください。ねちゃねちゃくちゃくちゃとかき回して柔らかくなったらづぅぅーーーぅん又はじわぁぁぁあんとゆっくり。でもやり方はそれだけじゃない。探してみてね。普段ゲームをやらない人でも視覚や聴覚的に楽しめるところがきっとあると思う。

Fill Spector for iOS –  WEBSITE / APP STORE

このFillSpector for iOS自体はフィルの展開の一部に過ぎないでしょう。フィルは今後どうなっていくんでしょうか? WOWさんがヤツを素敵に導いてくれるのでしょうから今後も楽しみに!
ではまた次回〜!