グラフィティ・ライター／ストリート・アーティストとして、また、現代美術作家としても世界的に認知されているBanksy。主にステンシルを用いた手法で社会を風刺する作風で知られる彼の作品は、ストリートはもちろんのこと、時にはCDショップや美術館内、動物園、さらにイラクの隔離壁にまでおよび、そのゲリラ的行為で世界中を驚かせてきた。

そんなBanksyが、今度は映画監督として作品を発表。先日開催されたサンダンス映画祭（アメリカユタ州）にて先行上映され、各所で話題を呼んでいる。

Los Angeles Timesの記事によると、映画祭のカタログには同映画の上映情報等はほとんど記載されておらず、上映場所も直前にアナウンスされたという。タイトルは『EXIT THROUGH THE GIFT SHOP』映画の内容は「The World's first street art disaster movie（ストリートアートの災難についての世界で最初の映画）」とされており、単純なBANKSYのドキュメントではないことを伝えている。予告編はYoutubeで見ることが出来る。

予告編を見る限り、Banksyならではのシニカルさを感じられる内容のようで、BBCの記事によると、『Banksyの手伝いをし、ドキュメントを撮ろうとしていたカメラマンにカメラを向けただけ』と表現しており、また『It's the story of how one man set out to film the un-filmable. And failed（一人の男が撮影されることのない現場をドキュメントしようとし、失敗に終わった物語）』と本人の言葉を伝えている。
Los Angeles Timesの記事により詳しい内容が記されている。

また、映画祭でユタに赴いたBanksyはソルトレイクシティー、パークシティー周辺に少なくとも10箇所ペイントを施したようだ。

『どこまで真実なのかわからない』とSundanceのディレクターも言っているようで、それはBanksy特有の駆け引き、権威を弄ぶ、彼らしい表現の一部でもあるようだ。引き続き話題となりそうな作品だが、果たして日本での公開は実現するのだろうか？