エルメス銀座店の8Fに位置するアートギャラリー「メゾンエルメス」では現在、飛躍的な活躍を魅せる名和晃平の作品展「L_B_S」が開催されている。名和が継続して制作している作品「PixCell」シリーズは昨年、BEAMSのクリスマス・キャンペーンのメインビジュアルに起用されているので、目にしている人も多いはず。
名和は、2000年に初めて作品を発表して以来、国内外で精力的に作品を発表。原美術館に作品が収蔵されるなど、今最も注目を集める日本の若手美術作家である。
どの作品にも共通しているのは、思わず手を触れたくなるような迫り来る素材感と、その完成された造形美。そして名和の作品を語るにあたって、重要な概念は「表皮」と「セル(細胞)」。「PixCell」 シリーズでは、動物の剥製、スニーカー、楽器、玩具、果物のレプリカといったオブジェクトの「表皮」をそれまでとは異なるフェーズ(様相)へと変容させる。
タイトルの「L_B_S」が示唆するのは、リキッド(LIQUID)、ビーズ(BEADS)、スカム(SCUM)3つのフレーズ。どれも「表皮」を変容させる「セル(細胞・器)」であり、その概念を彫刻における3つの方法論として展開している。