YCAMでは、34年ぶりの来日を果たすアメリカ・ポスト・モダンダンスを代表するダンサー/振付家、スティーヴ・パクストンの新作映像インスタレーションを中心に、作家によるデモンストレーション、専門家を招いたレクチャーなどによって、パクストンの身体における思想を総合的に紹介する展覧会を開催する。
パクストンは従来のダンス表現から身体を解放し、合気道、ヨガ、ヴィー瞑想など、アジアの身体技法をダンスに取り入れ、70年代には新しいダンス概念である即興形式「コンタクト・インプロヴィゼーション」を提唱するなど、コンテンポラリーダンスに多大な影響を与えた。
メインとなるインスタレーション作品は、展示空間を取り囲む5面の大型スクリーンにより構成され、メソッドに基づき身体を動かすパクストンやパフォーマーの身体映像、CGによるダンスシミュレーション、そして詩的なリズムを秘めた解説ナレーションが映し出される。巨大な映像空間のなかで観客は身体と重力の関係性を全身で感受する。