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マーク・ロスコ 瞑想する絵画

March 11, 2009 2:37 PM
マーク・ロスコ 瞑想する絵画

ぼんやりと眺めていると包み込まれるような不思議な魅力があるマーク・ロスコの作品たち。
そんなアメリカ抽象表現主義の巨匠の晩年に光を当てた展覧会が川村記念美術館にて、ロンドンのテート・モダンと共同で開催中。

1950年代末にニューヨークの最高級レストランの一室を飾る目的で30点が制作されたものの半世紀以上も散逸したままの連作《シーグラム壁画》。その半数となる15点が初めて一堂に会する歴史的な展覧会となる。会期は6月7日まで。


マーク・ロスコは、1903年、ロシアのドヴィンスク(現在のラトヴィア共和国、ダウガフピルス)に生まれ、少年期に家族でアメリカに移住し、名門イェール大学に進むが二年で中退し、1923年にニューヨークに出て画家を目指すようになる。最初は室内の人物や地下鉄の駅などの都会の風景を暗い色調で描き、次いで古代神話にちなむ題名をつけたシュルレアリスム風の絵画を手がけたのち、1940年代の半ば過ぎから具象を離れ、ついには大きな画面にぼんやりとした雲のようなかたちが浮かぶスタイルに到達する。抽象でありながら、光をはらんだ色面が醸し出す神秘性・叙情性に満ちたその絵画は、たちまち世間の注目を集め、ロスコはアメリカを代表する人気画家となった。

本展に出品されている〈シーグラム壁画〉は、ロスコが初めて空間を与えられ、そのために手がけた連作だ。だが、注文を受けた場所は、セレブリティたちが夜ごと着飾って豪華な食事とおしゃべりを楽しむ、ニューヨークのシーグラムビル内にある最高級レストラン「フォー・シーズンズ」の一室であり、そのスノッブな雰囲気を気に入らなかったロスコは、一度は喜んで引き受けた話を断り、完成した30枚の絵は行き場を失ってしまう。

展覧会では、50年以上にわたって散逸したままだった〈シーグラム壁画〉の半数となる15点が初めて一堂に会し、あらたなロスコ空間を創り上げます。おそらく二度と見ることができない千載一遇の機会となることだろう。そのほか、〈シーグラム壁画〉のための展示模型や関連作品、〈シーグラム壁画〉以前の大作、以降に制作された幻の連作など13点と、本邦初公開となるロスコの書簡などをあわせてご紹介し、晩年のロスコ芸術の真髄に迫る。

Detail

マーク・ロスコ 瞑想する絵画
http://kawamura-museum.dic.co.jp/exhibition/index.html
会期:2009年2月21日(土)―6月7日(日)
開館時間:午前9時30分-午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(ただし5/4は開館)、5/7(木)
主催:川村記念美術館(DIC株式会社)
企画:川村記念美術館、テート・モダン
後援:千葉県、千葉県教育委員会、佐倉市、佐倉市教育委員会
協力:日本航空、ヤマトロジスティクス、Blackwall Green
協賛:日本写真印刷

 


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