雑誌アイデアの最新号「特集:ポスト・インターネット時代のヴィジュアル・コミュニケーション」が発売された。
本特集では主に2000年代後半から2010年代にかけてのインターネット環境から登場した新しい視覚体験を取り上げる。
しかし、今回の特集はこうした議題でしばし連想されそうな、日本国内のPixivやニコニコ動画にフォーカスを当てるのではない。
それと平行しながらもインターネットの別の場所、写真共有サービスのPhotobucketやFlickr、動画共有サイトのVimeoやYouTube、モバイルでの写真や動画の共有サービスInstagram、音楽系プラットフォームのSoundCloudやBandcamp、総合的SNSのFacebookやGoogle+、そしてコンテンツ拡散の流通経路となるマイクロブログのTumblrやTwitterなどで育まれていた世界的な潮流に注目するものだ。
巻頭はラファエル・ローゼンダール、文・田中良治「退屈とクリエイション」。
また、ポスト・インターネット時代のヴィジュアル・アーティストとして、Adam Ferriss,Alain Vonck,Anny Wang,Anthony Antonellis,BACON,Dom Sebastian,Emilio Gomariz,Francesco Mancin,Joe Hamilton,Kim Laughton,Michael Guidetti,Norman Orro,Nic Hamilton,OKFocus,§†§,Sebastian Thewes,Steph Davidson,Teen Witch Fan Club / Zain Curtis,Thomas Traum,ucnv、が紹介されている。
その他、髙岡謙太郎「ウェブサービスにおけるヴィジュアル・コミュニケーションの進化」、水野勝仁「ポスト・インターネットというプラットフォーム上で自生をはじめた複雑な生態系」、谷口暁彦「ググっても出てこない,ぼくが知りうるネットアートについての歴史の断片,そして最近のこと」など、CBCNETでもおなじみの面々による文章も収録。
また今年2月にクリエイションギャラリーG8で開催された「光るグラフィック」展での座談会「CMYKとRGBをなめらかにつなぐ」の内容も掲載されている。
昨年末に発売されたMASSAGEも現代のインターネットカルチャーにスポットを当てた特集であったが、本誌も刻々と変化するポスト・インターネット時代のビジュアル表現を切り取った貴重な一冊となるだろう。
ぜひ、手にとってみてほしい。
《巻頭》ラファエル・ローゼンダール





Information
IDEA No.366 : ポスト・インターネット時代のヴィジュアル・コミュニケーションhttp://www.idea-mag.com/jp/publication/366.php
2014年8月9日発売
特集:ポスト・インターネット時代のヴィジュアル・コミュニケーション
企画・監修:髙岡謙太郎,ばるぼら
特集:ポスト・インターネット時代のヴィジュアル・コミュニケーション
ラファエル・ローゼンダール
退屈とクリエイション
文・田中良治
ポスト・インターネット時代のヴィジュアル・アーティスト
Adam Ferriss,Alain Vonck,Anny Wang,Anthony Antonellis,BACON,Dom Sebastian,Emilio Gomariz,Francesco Mancin,Joe Hamilton,Kim Laughton,Michael Guidetti,Norman Orro,Nic Hamilton,OKFocus,§†§,Sebastian Thewes,Steph Davidson,Teen Witch Fan Club / Zain Curtis,Thomas Traum,ucnv
・ウェブサービスにおけるヴィジュアル・コミュニケーションの進化
文・髙岡謙太郎
・ポスト・インターネットというプラットフォーム上で自生をはじめた複雑な生態系
文・水野勝仁
・ググっても出てこない,ぼくが知りうるネットアートについての歴史の断片,そして最近のこと
文・谷口暁彦
・Networking and Inter-Viewing with pootee
・NEENマニフェスト
・List of Works
「光るグラフィック」展(クリエイションギャラリーG8)
座談会「CMYKとRGBをなめらかにつなぐ」
出演:勝井三雄,ラファエル・ローゼンダール,
モデレーター:田中良治,萩原俊矢
オール・ポッシブル・フューチャーズ
デザイン:橋詰宗
・ジョン・スエダ「スペキュレーションについて」
・対談:ジョン・スエダ×エミリー・マクヴァリッシュ
「後ろに下がって観れば観るほど,よりよく見える見込みがある」
・スペキュレーティブ・グラフィックデザインの実践についての質問
インフォグラフィックスの潮流 第2回
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文・構成:後藤哲也
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レビュー&インフォメーション
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idea of music [012]