デジタルアートワークの所有権をアーティスト間でブロックチェイン的に管理する実験的アートプロジェクト “a2p”
Processingのファウンダーでも知られるアーティストのCasey Reasが発起人となり、Rick Silva、Addie Wagenknecht、exonemoらがキュレーターとなり、「a2p」というデジタル・アートを扱う実験的オンラインプロジェクトがスタートした。
https://a2p.bitmark.com/
実験プロジェクトということもあり、現在はこのプロジェクトは上記キューレーターがセレクトした70名ほどによるクローズドな状況で行われている。
プロジェクトの概要としては、参加アーティストたちによるデジタル・アート作品(静止画・ビデオ、アニメーション等)を10のエディション(そして1つのアーティストコピーとするオリジナル)として新たにアップロードして、その10のエディションをアーティスト間でトレードをしていき、それぞれのエディションのオーナーシップを移管し、その経緯をブロックチェイン上に管理していくというものだ。
ポイントとなるのは、オーナーシップは移動していくが、その作品自体はウェブサイトで公開され続け、作品の閲覧、または保存しコピーすることも可能な状況は維持される。DRM(デジタル著作権管理)やメディア自体にライセンスする仕組みではなく、あくまで、その作品に対する「オーナーシップ」の移動・管理がブロックチェイン上で管理され、当サイトで公開されている、というものである。
またオープンに一般へのオーナーシップの移管や他のアーティストが新たに参加する余地は現在は用意されていない。もちろん今後の展開次第ではそうした議論にもなるのであろう。
※作品ページ – 右下にエディションごとのオーナーを確認できる
そしてこのプロジェクトは2週間ほどの期間で実施され、一旦10月25日あたりにプロジェクト自体の振り返りがあるとのこと。
オーナーシップの移動はされるが、作品自体への影響はほとんどないことを考えると、所有権というものの価値がどこにあるのか。
その所有権がオープンにブロックチェインとして管理されることによって、作品もしくはアーティストへどういった影響があるのか。
現状はトレードという形を取っているが、対価が通貨や他の形態も考えられるのか。
デジタル・アートの売買や所有権、そしてオリジナル対コピーなどの論争は長らくある根深い課題となっているだけに、アーティストたちによるこうした実験からどういったものが見えてくるか、楽しみにしたい。
Chatroomではトレード情報やアーティストたちの議論も見ることができる。
https://a2p.bitmark.com/chat
プロジェクト概要
https://a2p.bitmark.com/about
スケジュール等
https://a2p.bitmark.com/faq