アイディアを練る田中義久とアイディアを掘る(彫る)飯田竜太で結成されたアートユニット Nerhol による、FRAMED* EXHIBITION シリーズ第4回 『Misunderstanding Focus 16:9』 展が1月21日よりFRAMED* SPACE 表参道にて開催される。

Nerholは、グラフィックデザインを基軸に活動していた田中と、現代美術を基軸に活動してきた飯田がそれぞれ互いの分野を生かして新たな創作基準への昇華を試みるアートユニット。

2012年に発表された、Nerholのポートレート・シリーズ「Misunderstanding Focus」は、ある時間の幅の中でシャッターを切り続け、撮影した対象を紙の積層として定着し、それらを「彫る」という作品。「時間軸を彫る」という形式自体が放つ鋭利さと、素材を丹念に掘り続けることで対象の機微を浮き彫りにしていく、という彫刻行為の中に根源的に備わる醍醐味や快楽が、絶妙なバランスで共存している。

今回の展覧会では、彼らの彫刻作品とともに、彫られる素材や彫る行為自体を見つめるような作品が並ぶ。Nerholの作品世界により多面的に接する機会となるだろう。
ぜひ、お見逃しなく。

はじめてNerholの作品を見たとき、その鮮烈な第一印象とともに、「ああ、彫刻というのはこういうことなのか」とあらためて腹に落ちてくるような、ゆっくりとした感慨があった。先端と根源を同時に見たかのような。ある時間の幅の中でシャッターを切り続け、撮影した対象を紙の積層として定着し、そしてそれらを「彫る」。Nerholのポートレート・シリーズ「Misunderstanding Focus」には、「時間軸を彫る」という形式自体が放つ鋭利さと、素材を丹念に掘り続けることで対象の機微を浮き彫りにしていく、という彫刻行為の中に根源的に備わる醍醐味や快楽が、絶妙なバランスで共存している。世の中に潜在しながらも明らかにされてはこなかった視点や感覚を、これまでにないやりくちで鮮烈に具体化する、新しい形式の発見。アート/デザインの分野を問わず、優れた作品が持つ特質のひとつとして、この「発見」という悦びがあるが、Nerholの作品には、この「発見」の鮮やかな一撃と同時に、その制作行為の痕跡をじっくりと味わいつくしたくなるような素朴な豊饒さが内包されている。今回の展覧会では、彼らの彫刻作品とともに、彫られる素材や彫る行為自体を見つめるような展示が並び、Nerholの作品世界により多面的に接する機会となることを願っている。お時間の空いたときに、ゆっくりと滞在して頂きたい。
(中村勇吾)


「Nerhol」CBCNET内参考リンク
知覚と認識の交錯するビジュアル体験 — アートユニットNerhol インタビュー
Nerhol : 田中義久と飯田竜太の仕事
“Nerhol (ネルホル)”のサイトがロンチ


Information

FRAMED* EXHIBITION シリーズ第4回
Nerhol ”Misunderstanding Focus 16:9”

http://frm.fm/blog/misunderstanding_focus_16_9/

開催期間:2013年 1月21日 (月) ~ 2月22日(金)12:00 – 19:00, Close: 土日祝
会場:FRAMED* SPACE 表参道

Profile

Nerhol
2007年にアイディアを練る田中義久とアイディアを掘る(彫る)飯田竜太で結成されたアートユニット。グラフィックデザインを基軸に活動していた田中と、現代美術を基軸に活動してきた飯田がそれぞれ互いの分野を生かし新たな創作基準へ昇華している。2008 年、SOURCE(CALM&PUNK GALLERY TOKYO)を皮切りに、Light in the Darkness(parco gallery)、2009 年、Nerhol(Takuro Someya Contemporary Art)、2011年Wabi Savvy(A Satellite Exhibition of Gateway Japan Curated by Torrance Art Museum)等で展示し、2012年Misunderstanding Focus(limArt gallery)を発表。COMMISSONとして手塚治虫作品とのコラボレーション、BOSE、JVC(victor) のNEW MOTION C.I 等に作品を提供。作品集に、「Misunderstanding Focus」、 SOURCE/Nerhol がある。
http://www.nerhol.com/
http://www.facebook.com/Nerhol