山口情報芸術センター[YCAM]は2013年に10周年を迎える。そして、その記念事業のアーティスティックディレクターを、音楽家の坂本龍一氏が務める事になった。
そのYCAM10周年に先立ち、坂本龍一氏を迎え、ダイアローグ(対談)とコンサートからなるイベント「2050年から見る環境と芸術の未来」が、12月16日に開催される。

本イベントでは、坂本龍一氏と文化人類学者、竹村真一氏によるダイアローグと、サインウェイヴ奏者、Sachiko M(サチコ・エム)とのコンサートが行われる。

竹村真一氏をゲストに迎えた対談では、「2050年から見た文明」を主題に、未来に向けた社会と環境について、長期的な視点から考えていく。大きな社会変化に直面した私たちは、どのように環境と向き合い、何を残していくべきか。人々が出会い、対話し、地域と世界を結び続ける情報芸術の発信拠点を目指すYCAMが、坂本龍一氏とともに新たな提案を発信する。
また、Sachiko M(サチコ・エム)氏との初の共演となるコンサートでは、ピアノとサインウェイヴによる即興演奏を試みる。

本イベントの模様は、インターネット中継にて、公開されるので、現地に行けない場合でも、ぜひustreamにてチェックしてみてほしい。

Information

ダイアローグ&コンサート「2050年から見る環境と芸術の未来」
http://www.ycam.jp/education/2011/03/post-37.html

日付/時間 : 2011-12-16(金)19:00開演(30分前開場)
場所 : 山口情報芸術センター[YCAM]スタジオA
料金 :
前売 一般 2,500円/ any 会員・特別割引2,000円/25歳以下1,800円
当日 3,000円[全席自由(先着順整理番号付)]
※当日は各種割引対象外
インターネットでのご予約·購入
山口市文化振興財団チケットインフォメーション(YCAM内): 083-920-6111

チケット発売日:any 会員先行予約11月12日(土)/一般発売11月19日(土)
託児時間: 開演の30分前から終演30分後まで
料金: お子様1人につき500円、2人目以降は1人につき300円
申込方法:12月9日(金)までにチケットインフォメーションまでお申し込みください。

出演:坂本龍一(音楽家)
第1部 ダイアローグ ゲスト:竹村真一(文化人類学者)
第2部 コンサート ゲスト:Sachiko M(音楽家/サインウェイヴ)

Profile

坂本龍一|Ryuichi Sakamoto
1952年生まれ。1978年「千のナイフ」でデビュー、同年YMOに参加。YMO散開後、数々の映画音楽を手がけ、作曲家としてアカデミー賞を受賞するなど世界的な評価を得ながら、常に革新的なサウンドを追求している。1999年制作のオペラ「LIFE」以降、環境・平和・社会問題に言及することも多く、9・11同時多発テロをきっかけに、論考集「非戦」を監修。自然エネルギー利用促進を提唱するアーティスト団体「artists’ power」を創始した。2006年には、六ヶ所村核燃料再処理施設稼働反対を表明し「stop-rokkasho.org」を開始。2007年、有限責任中間法人「more trees」の設立を発表し、温暖化防止についての啓蒙や植樹活動をおこなうなど活動は多岐にわたっている。また、2006年には、新たな音楽コミュニティの創出を目指し「commmons」を設立。音楽活動の現場における積極的な環境配慮への取り組みに対し、2009年には国連環境計画が世界環境デーの一環として実施するECHO Festivalで「Echo Award」を受賞。また、同年7月にはフランス共和国文化省より芸術文化勲章オフィシエを受勲する。2010年、文化庁より芸術選奨文部科学大臣賞を授与されるなど、活動全般において世界各国で高い評価を受けている。2011年、東日本大震災の被災地復興支援プロジェクトとして、「LIFE311 by more trees」「kizunaworld.org」「こどもの音楽再生基金」など様々な活動を続けている。1990年より米国、ニューヨーク州在住。
YCAMでは、2006年10月、ライブコンサート「insen」にてカールステン・ニコライとともに出演。翌年3月には高谷史郎との共同作品となるオーディオビジュアル・インスタレーション「LIFE – fluid, invisible, inaudible …」を発表。以降、本作は東京、ヨーロッパに巡回している。

竹村真一|Shinichi Takemura
1959 年生まれ。京都造形芸術大学教授。Earth Literacy Program代表。東京大学大学院文化人類学博士課程修了。地球時代の新たな「人間学」を提起しつつ、地球環境問題への独自な取組みを進める。Sensorium(1997 年アルス・エレクトロ二カでグランプリ受賞)、「触れる地球」(2005年グッドデザイン賞・金賞)や「100万人のキャンドルナイト」、ユビキタス携帯ナビ「どこでも博物館」(2005年国連情報社会サミット日本最優秀賞)などを企画・制作。東日本大震災後、政府の「復興構想会議」検討部会専門委員に就任。Jwaveのナビゲーターとしても、月曜~金曜夜9時35分~の「Global Sensor」で地球環境への新たな視点を提示している。著書に「地球の目線」(PHP新書)、「Water」、「宇宙樹」「22世紀のグランドデザイン」(慶応大学出版会)、「地球大学講義録」(日経新聞社)など。
http://www.elp.or.jp/(竹村真一プロジェクトサイト )
http://www.tangible-earth.com/en/(「触れる地球」デモサイト)

Sachiko M|サチコ・エム
サンプラーに内蔵されているテストトーン用のサインウェイヴと、スイッチノイズを用いた極端なまでにシンプルでミニマリスティックなサウンド、潔いまでに徹底した音楽に対する姿勢で世界的な注目を集める孤高の即興演奏家。
1994年からカットアップとプランダーフォニック(剽窃的サンプリング)の中核を担うサンプラー奏者として活躍。1998年にスタイルを一変させ、独自のサンプラー奏法を開始。2000年には、サインウェイヴだけを使ったソロ「SineWave Solo」が、イギリスの「Wire」誌やヨーロッパのフェスティバル等から注目を集める。以降、大友良英との電子音楽の実験場「Filament」を中心に、大友良英、一楽儀光とのエレクトロニクストリオ「I.S.O.」、中村としまるとのデュオ、吉田アミとのデュオ「Cosmos」等で活動。ソロライブシリーズ「Bar さちこ」や、インスタレーション「I’m here」など、ソロを追求させた作品/企画を継続して展開している。