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音楽のために作り上げられた1ヶ月 – Red Bull Music Academy New York 2013 – レポート後編

June 19, 2013(Wed)| by Yosuke Kurita

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(C) Red Bull Music Academy

連日開催される豪華イベント


Red Bull Music Academy (以下RBMA)New York 2013、レポート後半は連日行われたイベントなどについてご紹介していきたい。

アカデミー参加者によるスタジオでの音楽制作や豪華なレクチャーが開催される一方、RBMAの大きな魅力は毎晩のようにニューヨーク各地で開催されるイベントたちだ。1ヶ月間にわたり、37の公演・イベント、230ものアーティストが出演した。ブライアン・イーノ、エリカ・バドゥ、フライング・ロータス、DFA Records12周年イベント、坂本龍一+アルヴァ・ノートによるオーディオ・ビジュアルセット、ジャスト・ブレイズやヤング・グールーなどが参加したRBMA Culture Clashなど、ジャンルを超え、怒涛のラインアップとなっている。今回は後半の一週間で自分が参加してきたイベントを中心に簡単にご紹介。
以下が全体のイベントリスト。




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Tony Blasko / Red Bull Content Pool

ブライアン・イーノによる音と映像のインスタレーション「77 Million Paintings」。 32nd Stとマンハッタンのど真ん中の大きなスペースで開催され、繊細かつ緻密な音と映像で構成されたインスタレーション。一瞬、静止画かと思ってしまう映像はゆっくりとその様相を変え、音と相まって空間を作り出していく。来場者のひとたちは床に寝そべったり、各々の楽しみ方で空間を味わっていた。




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Christelle de Castro / Red Bull Content Pool

2000年代前半、ロンドンから始まり世界のクラブシーンへ広まったダブステップ、NO SLEEP TILL CROYDON: THE ROOTS OF DUBSTEPではSkreamやHatchaなどシーンを牽引してきたアーティストたちが会場を盛り上げた。




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当日の出演者リスト
2001年にニューヨークで設立されたレコード・レーベル「DFA Records」。LCD Soundsystemとして数々のヒットもリリースしている設立者のジェームズ・マーフィーはもちろん、レーベルのファミリーが一堂に会し、設立12周年記念のイベントとなった。会場はブルックリンのProspect Hall、この巨大な会場は通常は結婚式場として利用されているようだが、この日は数千人のDFAファンが集まり、大いに盛り上がっていた。

また、RBMAによるDFAのショートドキュメンタリーもリリースされた。
DFAらしいユーモアに溢れ、見応えたっぷりの13分間。






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(C) Red Bull Music Academy

BBC Radioで10年ほど番組を担当し、自身もDJとして世界中を周っているBenji Bによる定例イベント「Deviation」のRBMAスペシャル版、ホストはJust Blaze。昨年Ninja tuneから移籍第一弾作を発表し注目されるFalty DL(真鍋大度氏が手がけた“Straight & Arrow” ビデオも話題となった)やmicroKORG使いのオーストリア人Dorian Conceptなどが会場を沸かせた。

以下のビデオは今回のRBMAで収録されたDorian ConceptによるmicroKROGの解説及びデモ。





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ブルックリン・ブリッジが見渡せる野外のビア・ガーデン会場で行われた「THE DO-OVER」。前の週は天候が不安定だったが、この日は快晴の日曜日ということもあり多くのひとが集まった。

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Tony Blasko / Red Bull Content Pool

また今回のRBMAへ日本代表として参加したEMUFUCKAこと、TAKAFUMI SAKURAIによるライブ・セッションも実現!




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Tony Blasko / Red Bull Content Pool


長年コラボレーションを続けている坂本龍一とALVA NOTOのオーディオ・ビジュアル・セット、「summvs」のニューヨーク初公演。会場はメトロポリタン美術館内の講堂で開催された。
ビビットなビジュアルとともに、美しく重なりあうピアノの旋律と電子音。会場は静かな興奮に包み込まれた。


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Tony Blasko / Red Bull Content Pool

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Tony Blasko / Red Bull Content Pool



音楽のために作り上げられた1ヶ月


自分が参加した後半の一週間だけでもこの豪華さであり、こうしたイベントが1ヶ月間、ノンストップで開催された。イベントはもちろん一般にも公開されているのだが毎回イベントに来るお客さんの層が違うのも印象的であった。



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Dan Wilton/Red Bull Content Pool

会期中にはRBMAによるラジオ番組も配信。
RBMA Radioのサイトにはイベントの録画や番組のアーカイブもまとめられている。こちらはiPhone アプリも。

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こちらは会期中ほぼ毎日、合計22号発行されたDAILY NOTE。毎回、ニューヨークの音楽カルチャーを切り取り、多様なジャーナリストたちが寄稿している。このDAILY NOTEはニューヨークの街中で配られていた。


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ニューヨークの街に貼りだされたRBMAの告知壁。これは1ヶ月のスケジュール版、毎日イベントが終了するとともに赤い線で更新されていた。

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メディア関係者に配布されたキット。アカデミー参加者のプロフィールからアーティスト・ブック、トラベルガイドまで同封されていた。RBMAチームの細部までのこだわりが見て取れる。





こうして1ヶ月に渡って開催された2013 Red Bull Music Academy New York。全体を網羅するのは到底無理と思えるほど詰まりに詰まった濃密な日々、どこを取ってもRBMAらしさが感じられる内容となった。また、アカデミー参加者たちは皆、刺激的な毎日を過ごし、コラボレーションや新たな出会いに創作欲を触発されているようであった。

これら全てはRBMAチームの音楽への思いと情熱からから成り立っており、こうしたイベントを継続的に世界中の都市で開催しているRBMAへの信頼と期待を感じさせられる。15回目となった今回だが、来年以降も開催が予定されおり、アプリケーションは全世界から受け付けている。詳細はまだ発表されてないが、音楽活動をしているひとは一生に一度の貴重でエキサイティングな日々を味わえるはずなので、ぜひ応募をしてほしいと思う。

今後のRBMAのアップデートも伝えて行く予定。一般の参加者としてもこれからの開催を楽しみにしたい。


追記(2013/0701):
RBMA Newyork 2013を総括したショートビデオが公開されました。



http://www.redbullmusicacademy.com/

(日本語サイト)
http://www.redbullmusicacademy.jp


Text and some photo by Yosuke Kurita ( @yskkrt )


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