前からときどき考えていることで、

まず、ファイル形式って結構メンド臭い。

自分が頭に思い浮かべたことを、画像形式にするか、テキストにするか、音声にするか、なんてコンピュータのファイルシステムの都合で選択しないといけないなんて本質的には違うよなって思ったりする。

特に、Webにアップするときなんかは、映像だったらYouTubeかな、写真だったらFlickrかな、テキストだったらBlogとかTwitterかな、なんて更にその先に接続されるWebサービスまでも分断してて、バラバラの場所に散らばってしまって管理しにくい。

そういう都合を考えずに、もっと感覚的にアイデアなり何なりを記憶/共有できたらいいのになーと漠然と思ってるわけです。

そんな時にふと思いついたことで、

コンピュータのメモリって昔に比べて爆発的に容量が増えてる。
俺が大学の時、友達は10万出して10Mbのメモリを増設したって言ってたけど、今は数千円でギガが買えるし、HDDだったらテラになってきてるわけで、ペタも遠くはないだろうし。ムーアの法則ですね。

そんな感じに今後さらに爆発的に容量が増えた未来、
底抜けにメモリの容量が増えてしまった時に、一体何を記憶したらいいのかといったら、それはもうCPUの全サイクルのメモリイメージなんではないかと。
そうなったら、ファイル自体いらなくなるよな、と思った。

コンピュータが初めて起動されてから、破棄されるまでの全CPUサイクルが記録されるとしたら、当然、自分が使用しているすべての記録が残るわけだ。
つまりそうなったら、日時さえ指定すればその時のPCが完全に再現できる。

その時、動画だろうがテキストだろうがそんなものは関係なく、

あるときの画面の一部分を切り取ればそれは画像だし、連続して見たらムービーだし、そこに書かれているものが文字だったら、CPU内のメモリイメージからコピーして取り出すこともできるだろう。

コンピュータに「この日時のこの範囲」を指定してあげれば、ファイル形式とか意識しないでインターネットで共有したりもできる。

そうなったらPCのあり方も劇的に変わるだろうな。。。

今のコンピュータは、やっぱりなんだかんだ言ってリアルな時空と同期している感じがちょっと薄い。でも上の仕組みだったとしたら、現実世界の物質とか、生物とかと同じような存在になる気がする。

いまこのモニタの横においてある「ビールの缶」と同じくらい、現実時空とのシンクロ感を持ちだしそうだ。

そんなとりとめないこと考えながら、

特に最後の現時空とのシンクロについては今この瞬間の思いつきだけど、
さらに話がそれると、いま「リアルタイムWeb」って言われているサービスって実際は全然リアルタイムじゃないんだけど、だからこそ祝祭空間的な磁場を生んでいると感じてて、それとも関係ある。今気がついたんだけどコンピュータって、このモニタ横に転がってる「俺の認め印」に比べると、えらく野暮ったくてリアルタイム性が低いと思うんですよ。でもだからこそそんな状況から生まれた”電脳空間”が、今のコンピュータうりゃほいインターネットひやっはー祭りなんではないかと。

やっぱり、選択的なデータしか記憶しないコンピュータの仕様が、現実/物質とのズレを生んでいるんじゃないかな。もし人間にそんなやついたら信用出来ないもんね(まぁわざとそういうふりする奴いるけどw)それでも人間同士だったら同じ時空を共有したら、同じ程度にすり減ってるような感覚を前提にできるけど、そん時一緒にいたPCくんはファイルとして保存しない限り、データの世界にその時空は刻まれないわけで。

もしそんなコンピュータ完全リアルタイム化が実現したらインターネットとかのあり方ってどう変わるんだろうな。いまICCのポストインターネット以降って言っているような流れが完全に完結し、すべての人間がリア充になるんだきっと。


つーわけで、

今、参加してる展示をここでも宣伝しとかないとなと、
思い出したので、

どちらも全体で言うとグループ展だけど、内容が良いです。
特に恵比寿映像祭は会期が短いので、ぼやっとしてると終わってしまいますよー。



[インターネット アート これから] – ポスト・インターネットのリアリティ
http://www.ntticc.or.jp/Exhibition/2012/Internet_Art_Future/index_j.html
日時:1/28(sat) – 3/18(sun)
場所:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]





第4回恵比寿映像祭「映像のフィジカル」
http://www.yebizo.com/
日時:2/10(fri) – 2/26(sun)
場所:東京都写真美術館
※エキソニモはガーデンプレイス中庭での野外インスタレーションで参加してます。