JAZZY SPORT。宇田川町にレコ屋があって、ダンサーとかデザイナーとかいて、イベントをよくやっていて、CDも出していて、一体なんの集団??という印象が最初はあった。音楽がわかっていて、そこから入っていくと彼らのレコ屋にあるセレクションを見ればなんとなくわかるかもしれない。
僕がdieさんを知ったきっかけは雑誌+81でのエディトリアルからだった。他のページとは明らかに違うオリジナリティーを放っていて、毎回何らかの細工がされているページがいつも楽しみだった。また、たまにCD屋で好きなデザインのジャケと思って手に取ったら裏に「JAZZY
SPORT」と書いてあったこともあった。
好きなものが周りにないから、全部自分たちでやっちゃおう。それを自然とやってるのがJAZZY SPORT。
今回はデザイナーのdieさんのアトリエで話を聞いてきた。
Interview with die from JAZZY SPORT
Q:dieさんはどういう経緯でデザインを始めたんですか?
die: もともとMACを直してたんだよね(笑)修理屋だね。仙台の工業系の高校出てから東京に来て普通に就職したんだよ。でもやっぱり飽きちゃったんだよね。でもデザイン行ったの・・・、なんでだろうね(笑)
Q:なんか好きだったとか。
die: いや、なかったね(笑)とりあえず音楽が好きだったから、ジャケットやりたいってのはあった。ジャケットって結構ダサいのばっかだったから。全部音楽だね。音楽なかったらデザインやってないね。それからデザイン事務所にアシスタントに入ったんだよ。最初はアドとかカタログとか広告系の仕事ばっかりだったけど、そこでかなり鍛えられた。やっぱりああいうのを最初にやらないと出来ないと思う。細かい仕事を最初にやらないと、何でも一緒だ
けど基礎は大事だなって。
Q:ヒップホップとかそういうカルチャーに入ったきっかけはなんだったんですか?
die::中2のときに友達に貸してもらったスパイクリーの「ドゥ・ザ・ライト・シング」っていう映画を見た瞬間「すげー」って思ったんだよね。それからブラックカルチャーにハマって、ダンス甲子園が流行ったりして、ダンスもやってたね。廊下で踊ったり(笑)そのあと中3の時ぐらいにアシッドジャズにハマって、Gilles
Peterson のTalkin' Loudとかからジャズが好きになってイギリスの音楽にが好きになったんだよね。
Q:最近好きなデザイナーとかお気に入りの本とかあります?
die: 雑誌はStraight
No ChaserとかWaxpoeticsとかかな。音楽雑誌なんだけどカッコいいんだよね。日本だったらPENが好きだね。日本だと音楽雑誌でカッコイイのないから本は作りたいな。
あとアムステルダム発の音楽レーベルRush hour
のジャケをやっているMACHINEやROCKWELLのPARRAは好きだね。彼のタッチとかすごくいい。他にはSTONE THROWとかのジャケやってるJeff
Jankとか。結局は、みんな知り合いで音楽系だね。ベタで言ったらTOMATOかな。TOMATOのSIMONは昔SOULⅡSOULとかアシッドジャズのジャケとかやっていて、それで好きなんだよね。TOMATOというかSIMONが好き(笑
Q: JAZZY SPORTはどうやって始まったんですか?
die: いくつかのデザイン事務所転々としていてたんだけど、フリーになってたまたま音楽関係の仕事が入ってきたんだ。そのとき知り合ったA&Rの気仙さんと音楽が共通で「なんかやらないか」ってなって。それでいっしょに働いていたマサヤ君と3人で始まったんだよね。
JAZZY SPORTはもともとお店は盛岡にあったんだけど、みんな東京で活動してたからこっちでやろうって。渋谷にレコード屋が出来たのは2003年からだね。
Q: JAZZY SPORTっていろいろやってますがどうやって表せばいいんでしょうね?
die: プロダクションかな。レコード屋もレーベルもあって、デザイナーもダンサーもいて。結局、みんな音楽が共通で集まったんだよね。こういうブラックカルチャー的なものが好きで。
Q: LOWDOWNとはどういう経緯で関わったのですか?
die: LODOWN は売り込みに行ったんだよ。メールとかじゃなくて直接ベルリンに(笑)。それで話したらすごい気に入ってくれて。ベルリンとかも案内してくれて、それでいきなり数ページやることになったんだよね。
Q: 今後は何かあります?また今後のJAZZY SPORTはどういう方向に向かうんでしょう?
die: 今PONYとダブルネームで靴とか出そうとか、あとStraight No Chaserで次号特集で載るとか、いろいろあるよ。でもまあ、こんな感じでこれからも出来ればいいかな。あまり売れても困るしね(笑
そりゃもちろん大きな仕事もやりたいけど、ゆっくり徐々に上がっていけばいいかな。
die氏が手がけたジャケットの数々。MITSU THE BEATS, GAGLE, CROWN CITY ROCKERS, INSIGHT, OTHELLO,
THE PROCUSSIONS, Jazzida Grandeなど。
PAINT WORKS
Left: AD for Adidas // Right: SA-RA CREATIVE PARTNERS
(L)office
(L)話にも出てきた、TOMATOのサイモンが89年に手がけたSOULⅡSOULのジャケット。
(R)waxpoetics http://waxpoetics.com/
VISIT JAZZY SPORT !!!
Interview&Text by Y.Kurita