あの人のオススメの本 その1
[Category:Special]

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    ウェブ上での様々な情報ソースが増える中、「本」というメディアの価値はまだまだあるという認識はみなさんお持ちだと思います。それでも、あまり本を読まない人たちとしては、頼りになるソースを探しきれていない面もあるように感じたりもします。

    ということで、様々な分野で活動しているデザイナーやディレクターなどの方々に「最近読んだオススメの本」を紹介してもらいました。2回に分けて更新予定です。

    「何度でも読みたくなる本」、「この本を読んで考え方が変わった」、「デザインとは関係ないが、役に立った」、「この本は若い人にも読んでほしい」などなど。
    デザイン・アート・IT・テクノロジー・哲学・小説、本のジャンルや発売時期など問わずオススメの1冊。CBCNETならではのラインアップとなっていますのでぜひご参考に!



    兼松佳宏
    Whynotnotice inc. / クリエイティブディレクター
    http://www.whynotnotice.com/

    アキッレ・カスティリオーニ―自由の探求としてのデザイン
    多木 陽介
    アクシス (2007/12)
    売り上げランキング: 4903


    コメント:
    もっとも影響を受けた存在として、多くのデザイナーが名前を挙げるイタリアデザインの巨匠アキッレ・カスティリオーニ。倫理と機能とポエジーをどのように実現していったのか、その思慮深い思想に迫る貴重な文献です。写真資料が豊富かつチャーミングで、ぱらぱらめくるだけでもヒントがたくさんみつかるでしょう。今こそ、考えられたデザインが必要な時代。これからデザインを志す人、"デザイン"とは何か改めて考えている人には、重要な一冊にはるはずです。


    深津貴之
    tha / デザイナー
    http://fladdict.net

    モノからモノが生まれる
    ブルーノ・ムナーリ 萱野 有美
    みすず書房 (2007/10/24)
    売り上げランキング: 10019


    コメント:
    イタリアを代表するマルチデザイナ、ブルーノ・ムナーリによるデザイン企画の為の本。原書副題にある「企画の方法論の為の覚え書」のとおり、体系的な教本ではなくモノ作りに対する彼の考えを徒然に綴った本です。

    本書では天才タイプのひらめき主導のモノ作りを否定し、問題の客観的観察・分析から生まれるモノ作りについて語られています。前半部ではスタイリングを重視しの製品への切れ味のいい皮肉とともに、ムナーリの考える美学が語られ、本の後半はその考えの元、どのような製品がどういう問題の為に生まれ、どういった調査や試行錯誤がされたのかが古今の実例とともに紹介されています。

    アイデアに迷ったときに取り出して、何度も読み返してみたいような本です。


    有馬トモユキ (tats)
    tatsdesign・博報堂アイスタジオ / デザイナー
    http://www.tatsdesign.com/

    サラエボ旅行案内―史上初の戦場都市ガイド
    FAMA P3 art and enviroment
    三修社 (1994/11)
    売り上げランキング: 224513


    コメント:
    これはサラエボがまだ内戦の影響で危険極まる地域だったころに書かれた書物で、しかし「旅行案内」の名にふさわしく、生活のあらゆること―食事、買い物やタクシーなどの移動手段―について豊富な写真とともに書かれています。戦場となった都市で書かれた文章は戦争の悲惨さを伝えるためのものではなく、むしろそうした状況でどう近代的に生きて行くかに主眼が置かれていて…それは安全を確保することや新聞を読むチャンスにありつくだけではなく、アートや演劇についても言及されているということで、これはアートは最低限の生活ラインをクリアした次にある「余裕」だと思っていた自分にとってショッキングな出来事でした。ちなみにサーチすればwebでも内容についてのページを見ることができます。


    土屋 泰洋
    slnsyndicate / ウェブディレクター
    http://yasuhirotsuchiya.com/

    モダン・デザイン全史
    海野 弘
    美術出版社 (2002/10)
    売り上げランキング: 403922


    コメント:
    20世紀デザイン史をざっくりと眺める事のできる本。家に一冊は置いておきたい。気の赴くままページを開けば、アールヌーヴォーからDTPまで、魅力的なキーワードが詳細な説明とともに時系列に並ぶ。1930年にモダンデザインの始まりを設定して、1990年代に台頭し はじめるインタラクティブデザインの日の出を眺めながら終わるという流れが慨深い。(初版は2002年)この本に書いてあるようなデザイン史の続きを、たった今、我々が編纂しているのだという意識を持てたら、きっと楽しい。


    佐藤雅彦全仕事 (広告批評の別冊 (8))
    佐藤 雅彦
    マドラ出版 (1996/06)
    売り上げランキング: 113908


    コメント:
    最近ではピタゴラスイッチやISSEY MIYAKE A-POCのアニメーションなど、見ている人の頭の中の電球をカチッと点灯させられるような作品を生み出す佐藤雅彦氏のCMプランナー時代の仕事を中心にまとめた本。図工や音楽や国語といった、表現に関する事柄が苦手だった著者が、自分の好きなものからルールを見つけ出し、そのルールで新しいものを作るという方法論(要素還元主義)の話には、情報過多時代のもの作りのヒントが隠れているかもしれない。


    高木久之
    wildcard / アートディレクター
    http://wildcardinc.jp

    俳句
    俳句
    posted with amazlet on 08.02.27
    高橋 睦郎 井上 博道 高岡 一弥 宮下 惠美子 リー・ガーガ
    ピエ・ブックス (2003/07)
    売り上げランキング: 314050


    コメント:
    俳句と写真からなるビジュアルブック。

    季節の機微をつかみ、ささやかな変化に心を動かし五・七・五のたった17字の言葉におとしこむ。その最小限の言葉とリズムが紡ぎだす情景は広く深い。この美意識を感じ取れる僕ら日本人は幸せだと思う。

    インターネットを介して日々大量の情報に接している僕らにおススメな一冊。
    量に勝る質がここにはある。


    岡部修三
    upsetters architects / 建築家
    http://www.upsetters.jp

    LIFE AT SLITS ライフ・アット・スリッツ
    山下 直樹(元スリッツ店長); 浜田 淳
    ブルース・インターアクションズ (2007/12/19)
    売り上げランキング: 43106


    コメント:
    インターネットも、携帯電話も普及してなくて、「場所」と言う意味が今とは全く異なる意味を持っていた時代 の"特別な場所"の話。そう書くとなんだかすごく昔の話に聞こえるが、ほんの20年前の 話である。
    重要なのは、豪華な証言者でも、興味深い証言でもなく、そのとき、"その場所"にあった空気感。僕のヒーローはみんな"そこ"にいた。

    そして今、僕たちはどうする?!


    勅使河原一雅
    qubibi / ディレクター・アートディレクター
    http://www.qubibi.net

    よくわかる森田療法
    よくわかる森田療法
    posted with amazlet on 08.02.27
    森岡 洋
    白揚社 (2000/07)
    売り上げランキング: 22523


    コメント:
    これを薦めたからって僕は病気ではありません。


    柳澤大輔
    面白法人カヤック / 代表取締役
    http://www.kayac.com

    自由になるのは大変なのだ―インプロ・マニュアル
    今井 純
    論創社 (2006/01)
    売り上げランキング: 119291


    コメント:
    はじめまして。面白法人カヤック/代表の柳澤です。
    このページをご覧の皆様はモノ作りに関わってる方、もしくはモノ作りに興味がある方が多そうですね。

    今回、本企画にあたって、「書籍のご紹介を」ということで、何にしようかなと思っていましたが、僕のモノ作りの考え方と重なる本がありましたので、そちらをご紹介させていただきます。

    「自由になるのは大変なのだ―インプロ・マニュアル」(今井 純(著))の紹介はこちらから。
    http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070730/278521/


    小山泰介
    写真家
    http://www.tiskkym.com

    クリシュナムルティの日記
    J.クリシュナムルティ 宮内 勝典
    めるくまーる (1983/07)
    売り上げランキング: 161290


    コメント:
    なかなか読めない本だった。自分のバイオリズムと本のリズムが合わな ければ読めない、そんな印象があった。
    神も宗教も信じなかったインドの宗教哲学者・クリシュナムルティに よって78歳の時に書かれた日記は、さまざまな場所や時間をゆっくりと移動しながら、静かで力強い言葉を そっと、とても自然に聞かせてくれる。宮内勝典による翻訳の力もあるのかもしれないが、たんたんとした風景描写が素晴らしい。インドの野原や寺院や森、飛行機の中やどこかの国で、彼の言葉を直接 聞いているような感じがして、すっかり忘れてしまっていた何の変哲もない風景がふわっと浮かぶ。
    なかなか読めなかった本は、ものごとから身軽になるためのガイドブッ クになった。



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    [ DATE : February 29, 2008 ]
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