TOPIC > ARTICLE

梅田哲也、hyslom と共に船で大阪の川や港をめぐる探検ツアー /「入船」マガジン出版&記念クルーズ – 12月8日、9日開催

November 28, 2018(Wed)|

「入船」マガジン


先日行われたTRANS BOOKSにも出品されていた、「入船」マガジンの出版記念クルーズが、12月8日、9日に大阪で行われる。

「入船」マガジンは2015年より継続的に開催する大阪の川、堀川、海を舞台としたアーティストの梅田哲也らによる船のツアー・パフォーマンスなど、一連のプロジェクトから派生したマガジンだ。主に「7つの船」 (2016年)にまつわるテキストと写真、参加作家たちによる寄稿により構成されている。

今回、「入船」出版とともに、12月8日、9日に梅田哲也、hyslomと船で大阪の川、堀川、港をめぐるリサーチに同行するツアーを開催し、「入船」をクルーズ会場にて先行発売する。(参加料金には「入船」も含まれる)

また、来年3月にはこのリサーチを反映した夜のパフォーマンス・クルーズも予定されている。
ぜひこの機会に、水路から眺めた都市のさまざまな姿をマガジンとクルーズにてお楽しみ頂きたい。

「入船」出版記念 クルーズの申し込みは、12月2日(日)正午から。詳細はこちらより

「入船」について
ひとたび夜に滑り出ると船はただの小さなアルミの塊になって、水の上には路がありませんから、一瞬にして大きな地図の上でみえなくなってしまいます。感覚の話ですが、これはきっと圧倒に自由であるということと似ています。油の混じった真っ黒い水の底に、実はたくさんの生き物が住んでいるのです。
となりの小さな堀川のウナギはおいしく食べられるだとか、その先の造船所に住みついた獣がこどもを五匹出産して住んでいるだとか、そもそもこの川の水を舐めるとちょっとだけしょっぱいのだということを、ほんの数年前まで知りませんでした。
お金持ちが土地を所有していたせいで橋の向きが違うとか、川底に貴重な陶器が沈んでいるとか、有名なお菓子のルーツが川沿いにあったのだとか、話として知らないことには想像もつかないようなことがある一方で、かつてここが海であった名残りは地名や地形などで街のいたるところに散らばっていて、水門をひとつ抜けるとそのまま世界の海とつながっているということは、みんなが知っているあたりまえのことでもあるわけです。知っているのに見えづらくなっているからこそ、その小さな根拠をつきつけてくる身近な体験にとりつかれてしまうのかもしれません。
この本は、夜のクルーズで一度は川に流れてバラバラに散らばったその小さな出来事の断片を、もう一度海の底からすくい上げてホッチキスで閉じたものです。黒い水の底への入り口として。入船。
梅田哲也



「入船」マガジン

梅田哲也らによる船のツアー・パフォーマンス「5 つの船(夜行編)/2015」「7 つの船/2016」および、梅田哲也と hyslom の「船・2017」など一連のプロジェクトから派生するマガジンで、主に「7 つの船」にまつわる テキストと、これにコラボレーターとして様々なかたちで参加した人々による寄稿で構成されている。いまの 「本」を考える2日間限りのブックストア「TRANS BOOKS」を発端として制作されました。*イベント会場のみにて先行発売。今後の販売についてはウェブサイトにて情報更新予定。

執筆者:阿児つばさ、アンナ・プタック、雨宮庸介、飯沢未央、梅田哲也、河田聡、九鬼みずほ、さわひらき、 辰巳量平、西光祐輔、堀尾寛太、hyslom、船川翔司、松井美耶子、山本麻紀子
アートディレクション・デザイン:尾中俊介(Calamari Inc)
仕様:B5 サイズ/60 ページ/折れ、縒れ、破れ、くっつきあり/価格:1200 円(税込)


「船形土器」九鬼みずほ



「7つの船」撮影:西光祐輔


「7つの船」撮影:西光祐輔



「入船」マガジン 制作風景


「大阪湾海図」梅田哲也



Information

「入船」マガジン出版&記念クルーズ
梅田哲也とhyslomと共に船で大阪の川や港をめぐる探検ツアー
https://newfune.com/

facebook: https://www.facebook.com/7ships/
twitter: https://twitter.com/7ships2017
tumblr: http://7-ships.tumblr.com/

■「入船」出版記念 クルーズ
梅田哲也、hyslom と船に乗って大阪の川、堀川、港をめぐる探検ツアー。名所や旧跡などを巡る観光ツアーではありません。便ごとにルートは異なります。参加料金には「入船」も含まれます。

12月8日(土)
①12:00  淀川〜大川〜天満橋
②15:00  天満橋〜東横堀川〜道頓堀川〜大正
③17:00  大正〜尻無川〜大正内港〜木津川〜大正
④20:00  大正〜木津川〜堂島川〜中之島

12月9日(日)
⑤6:00am 大正〜堺~大正(昼頃解散予定)
※朝の堺魚市場に一定時間立ち寄ります

◉集合・到着場所
天満橋:八軒家浜船着場
大正:大阪ドーム前千代崎港
中之島:中之島ローズポート
①の集合場所はご予約いただいた方にメールでお知らせします。

定員:各25名
料金:3,000円(マガジン、1ドリンク付)

<申し込み>/12月2日(日)正午(12:00)から
詳細はこちらより

※天候によっては便がキャンセルになることもございます。あらかじめご了承ください。
※クルーズにつきまして、冬の水上は想像を絶する寒さです。十分な防寒をお願いいたします。
⑤のツアーはとくに波風が強いコースとなりますので、船酔いの心配がある方の参加はご遠慮ください。

■夜のパフォーマンス・クルーズ
オーディオガイドと共に大阪の水路を巡る、パフォーマンス・クルーズです。
夜の大阪の裏側を眺めながら、日常と非日常が交差します。
作:梅田哲也

3月28日(木) ⑥17:00~、⑦20:00~
3月29日(金) ⑧17:00~、⑨20:00~

上り便 ⑥⑧
本町発、大正戻り

下り便 ⑦⑨
大正発、本町戻り

◉集合・到着場所
大正:大阪ドーム前千代崎港
本町:本町橋船着場

定員:25名
料金:3,000円(1ドリンク付)

<申し込み>/2019年開始(予定)
詳細はこちらより


主催:7つの船実行委員会
助成:大阪市

Profile

梅田哲也
インスタレーションやパフォーマンスの作品を国内外の美術館や劇場で発表したり、自然のなかでのサイトスペシフィックな作品を手がけたりする。2015年からはじめたクルーズの作品の関係で一級小型船舶操縦免許取得し、 造船所に出入りしていたところたまたま船の修理工の富永さんからロシア産小型船”YUZU号”を譲りうける。現在、台東で開催中の「東海岸大地藝術節」および、12月24日まで開催の鳥取県立博物館「ミュージアムとの創造的対 話02 空間/経験 そこで何が起こっているのか?」に出展中。
https://www.siranami.com/

hyslom
加藤至、星野文紀、吉田祐からなるアーティストグループ。2009年から現在まで、山から都市に移り変わる場 所を定期的に探険する事で得た経験や疑問、人やモノとの遭遇を表現の根底に置いて、様々なプロジェクトを行う。遊びを通して風景、土地を知る行為「フィールドプレイ」を行い、映像・写真・パフォーマンス作品を制作。 その記録/記憶を元に、彫刻作品や舞台、映画の制作も行なっている。2015年から作業場の大家さんである、任氏と共に「任・ヒスロム鳩舎」として日本鳩レース協会に入会。レース鳩のワークショップ・展覧会なども行な っている。2018年11月よりせんだいメディアテークにて個展「ヒスロム 仮説するヒト」開催中。
http://hyslom.com/


Links