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今年初頭に急逝したアーティスト、三上晴子(1961-2015)の80年代の活動の軌跡、作品や資料の保存、そして現在から未来に広く伝えていくためのアーカイブを作る準備となる展覧会が、10月2日〜26日の間、浅草橋のギャラリー、パラボリカ・ビスにて開催される。

三上晴子は、1985年の初個展「滅ビノ新造型」で脚光を浴びる以前に、すでに東京の最先端のアートシーンにおいて、華やかな存在として注目を集めていた。その後、神経や脳を思わせるケーブルやコンピュータの電子基板を使ったオブジェやインスタレーションを発表、急速に発展する情報社会における都市と身体の関係を提示するものだった。

92年に渡米しコンピュータ科学を学ぶなか、不可視の情報と身体の関係へと興味が移行、90年代半ば以降、インタラクティヴ作品を発表し始める。それと同時に三上は、80年代の作品を封印するようになった。しかし80年代の活動は、素材や表現方法が異なっていようとも、アーティスト三上晴子が形成された基盤であり、その根幹や問題系は、近年の作品に至るまで通底しているのではないだろうか。

本展では、80年代を中心とした作品展示、写真、映像、コメントなどの資料展示の他、今後のアーカイブ構築へとバトンを渡すべく、会期中もトークショウや聞き取りなどによって、資料の収集を行っていく。

イベントの詳細等はギャラリーのサイトにて。

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Information

Seiko Mikami Project v.1 「三上晴子と80年代」
http://www.yaso-peyotl.com/archives/2015/09/seiko_mikami_project_v1_80_2015102_26.html

■2015年10月2日[金]〜26日[月]
■月〜金/13:00〜20:00 土日祝/12:00〜19:00
 *10月21日[水]、23日[金]は資料室をcloseします。

■会場:parabolica-bis [パラボリカ・ビス]
■東京都台東区柳橋2-18-11
■入場料:500円(開催中の展覧会共通)
■企画・キュレーション:今野裕一+四方幸子
■主催:
Seiko Mikami Project v.1実行委員会 (今野裕一/四方幸子/時里充/新妻葉子/馬定延/ミルキィ・イソベ)
パラボリカ・ビス
■協力: 多摩美術大学メディア芸術コース、P3 art and environment、株式会社レントゲンヴェルケ

■作品展示
出品作品(予定)
《Iron Plant》(1984−1985)、《Dead Micky》(1987)、《Bio Chips》(1988-1991)、《Information Weapon》(1990)他

■資料展示
・三上晴子の80年代の活動歴と80年代年表の掲示
・三上晴子と関わりがあった方々からのコメント
・展覧会写真、記録映像、TV映像の上映


[イべント]
特に記載がないものは●前売・当日:1500円

●10/02[金]19:00〜 オープニングパーティ 無料
●10/04[日]20:00頃〜 トーク/飴屋法水(演出家、美術家)
●10/10[土]17:00〜 トーク/椹木野衣(美術評論家)×山川冬樹(ホーメイ歌手・美術家)
●10/12[月・祝]19:00〜 トーク/山形浩生(評論家)
●10/16[金]19:00〜 トーク/嘉藤笑子(Art Autonomy Networkディレクター)×常葉のゆり(コーディネーター)
●10/24[土]19:00〜 ライブ/山川冬樹(ホーメイ歌手・美術家)  *終演後トークあり 前売:2500円/当日:3000円
●10/17[土]19:00〜 トーク/都築響一(編集者)
●10/25[日]
15:00〜18:00
トーク/池内務(レントゲンヴェルケ代表)、芹沢高志(P3 art and environment 統括ディレクター)、今野裕一(夜想編集長)
ラウンドテーブル

18:00〜    
クロージングパーティ 無料

▶︎各イベントのご予約はこちらから>>

□各日開演時間の15分前からご入場いただけます。
□イベントの料金には展覧会入場料が含まれます。
□終演後、展示をご覧頂けます。
□イベントの日程・料金・内容は変更になる可能性もございます。

Profile

20150930_seiko_mikami_project_v1-02 三上晴子
1961年生まれ。
1984年から情報社会と身体をテーマとした大規模なインスタレーション作品を発表。
1992年から2000年までニューヨークを拠点に日本及び欧米で数多くの作品を発表する。
1995年からは「知覚によるインターフェイス」をテーマとしたインタラクティヴな作品を発表。
2000年に多摩美術大学情報デザイン学科に着任。国内外の美術館・ギャラリー、メディア・アート・フェスティバルに出品参加。2013年には《欲望のコード》(山口情報芸術センター[YCAM]委嘱作品、2010)が第16回文化庁メディア芸術祭のアート部門で優秀賞を受賞。
2015年1月2日没。