20141204_lyota-yagi_sf
神奈川県民ホールギャラリーにて、映像やサウンド、オブジェなどを巧みに関係させるインスタレーションで評価が高いアーティスト・八木良太の大規模な個展が12月21日より開催される。

神奈川県民ホールギャラリーでは、5つの展示室からなる約1300㎡の広大な展示室を活用し、1975年の開館以来、様々な現代美術を紹介する展覧会を開催してきた。本展は若手作家に焦点をあてたシリーズで、今回が5人目の個展となる。

八木良太は、これまで、既製品を用いて作品を構成し、その現れによって人間の知覚やそれを利用した工学的システムを浮かび上がらせるような作品を発表してきた。近年の作品に、たこ焼き器を利用した、ループミュージックパフォーマンス+アプリケーション「Takoyaki Sequencer」や、球体に巻かれた磁気テープに記録された音声信号をRGBの色情報として取り出しプロジェクションする作品「Video Sphere」などがある。

タイトルの「サイエンス/フィクション」は、いわゆる「SF」を示す言葉だが、藤子・F・不二雄氏は「すこしふしぎ(Sukoshi Fushigi)」と解釈したそう。八木は日常にある様々な事物を、知的好奇心と遊び心を加味した独自の感覚でとらえ直し、モノの機能や性質を解体・再構成することで、鑑賞者の感覚を刺激する作品を数多く発表してきた。八木が巧みに仕掛け、作り上げた空間を体感し、新鮮ですこし不思議な驚きを味わってほしい。

12月23日には関連イベントとして、現代美術と、ダンス、音楽など他ジャンルの表現を実験的に関係させることで、新たなアートの創造を試みるプロジェクト”アート・コンプレックス”の第7弾が開催される。展覧会会場を舞台に、岩渕貞太の身体表現、八木良太の映像美術、蓮沼執太の音楽によるパフォーマンスが行われる。

また、1月12日には、畠中実(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員)、金子智太郎(東京藝術大学/本展図録ゲスト執筆)をゲストに「物の理(もののことわり) 八木良太の場合」と題したトーク・セッションも行われる。



Information

八木良太展
サイエンス / フィクション

http://www.lyt.jp/sf

会期:2014年12月21日(日)– 2015年1月17日(土)
10:00 – 18:00
* 12/29 – 1/3は休み
* 入場は閉場の30分前まで
展覧会初日は20日と告知しておりましたが、21日に変更になりました。ご了承ください。

会場:神奈川県民ホールギャラリー
横浜市中区山下町3‐1

入場料:一般700円 / 学生・65歳以上500円 / 高校生以下無料
* 障がい者手帳をお持ちの方とその付き添いの方1名は無料
* 10名以上の団体は100円引き

主催:神奈川県民ホール[公益財団法人神奈川芸術文化財団]
助成:芸術文化振興基金
協賛:株式会社資生堂
協力:急な坂スタジオ、京都造形芸術大学 ウルトラファクトリー、神戸アートビレッジセンター、HAPS、MAGCUL.NET、 無人島プロダクション

【関連企画】
◎八木良太展 「サイエンス / フィクション」
アーティスト・トーク
2014年12月21日(日)14:00
八木良太 ほか
*展覧会チケットでご覧いただけます。予約不要


◎八木良太展「サイエンス / フィクション」×アート・コンプレックス2014
『タイムトラベル』
現代美術と、ダンス、音楽など他ジャンルの表現を実験的に関係させることで、新たなアートの創造を試みるプロジェクト”アート・コンプレックス”の第7弾。展覧会会場を舞台に、岩渕貞太の身体表現、八木良太の映像美術、蓮沼執太の音楽によるパフォーマンスをお届けします。

12月23日(火・祝) 19:00開場 / 19:30開演
出演:岩渕貞太[パフォーマンス]、八木良太[美術]
音楽:蓮沼執太
全席自由 2,000円

チケット発売:一般前売 2014年11月29日(土) KAme先行発売 11月28日(金)
チケット取り扱い:チケットかながわ 0570-015-415(10:00~18:00)
http://www.kanagawa-arts.or.jp/tc/(24時間)


◎八木良太展「サイエンス / フィクション」×アート・コンプレックス2014
アフター・トーク
2014年12月27日(土)14:00 –
出演:平倉圭(横浜国立大学)、岩渕貞太、八木良太
会場:神奈川県民ホールギャラリー

本公演を映像とともに振り返りながら、身体表現と美術の関係について語り合います。
*展覧会チケットでご覧いただけます。予約不要


​◎八木良太展「サイエンス / フィクション」
トーク・セッション
物の理(もののことわり) 八木良太の場合
2015年1月12日(月・祝)14:00
畠中実(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員)、金子智太郎(東京藝術大学/本展図録ゲスト執筆)、八木良太
*展覧会チケットでご覧いただけます。予約不要

Profile

八木良太 Lyota Yagi
1980年愛媛県生まれ。京都市在住。
見たいものしか見ない・聞きたいことしか聞かないといった、我々の制限的な知覚システムあるいは態度に対する批判的思考をベースに作品制作を行う。既製品を用いて作品を構成し、その現れによって人間の知覚やそれを利用した工学的システムを浮かび上がらせるような作品を発表している。音響作品をはじめとして、オブジェや映像、インスタレーションからインタラクティブな作品など、表現手法は多岐にわたる。
近年の主な展覧会に、「Second Sight」(うつのみや妖精ミュージアム、栃木、2014年)「日常/オフレコ」(KAAT神奈川芸術劇場、神奈川、2014年)、「phono/graph―音・文字・グラフィック」(ギンザ・グラフィック・ギャラリーギャラリー、東京、2014年)、「ヨコハマトリエンナーレ2011 OUR MAGIC HOUR」(横浜美術館、神奈川、2011年)など。