無題 シリーズ《あめつち》より 2012

東京都写真美術館にて、2000年以降の時代を代表する写真家として若い世代を中心に支持され、国際的にも活躍している川内倫子の個展「照度 あめつち 影を見る」が行われている。会期は7月16日まで。

本展では、作家の代名詞となる写真スタイル、6×6cm のフォーマットによる近作の写真シリーズを中心とした《Illuminance》(イルミナンス)、そして初公開となる最新作《あめつち》《影を見る》を紹介する。

川内が約 15 年をかけて撮りためたシリーズ《Illuminance》では、彼女の原点となるシリーズ《うたたね》(2002 年木村伊兵衛写真賞受賞作)で見られた、私的な日常光景を切り取り普遍的な生命の輝きへと昇華させる表現がさらに深化している。数々の瞬間の光景のなかに光と闇、生と死、美しさと悲しさが交錯し、作家独自のイメージの世界が空間的に展開する。

大型写真作品と映像作品による新作シリーズ《あめつち》《影を見る》は、早春の阿蘇の野焼きをはじめとする地球上の様々な事象をとおして、天と地をつなぐものや始原の光景という宇宙的な広がりを直観的に描き出す。4×5 インチの大判カメラで撮影され、約 2m 幅の大サイズでプリントされる写真作品や大画面による体感的な映像のプレゼンテーションは、これまでの川内倫子の作品には見られないスケールの大きな世界観を反映している。

約 80 点の展示構成によって、川内倫子の作品世界の魅力と本質、そして新たな展開に迫る本展を、ぜひお見逃しなく。

5月25日には対談「内藤礼(現代美術作家)×川内倫子」、6月22日には「原田郁子(音楽家)×川内倫子」も予定されているので、こちらも合わせてお楽しみ頂きたい。

無題 シリーズ《Illuminance》より 2009

Infotmation

川内倫子展 照度 あめつち 影を見る
http://syabi.com/contents/exhibition/index-1593.html

会期: 2012年5月12日 ( 土 ) ~ 7月16日 ( 月・祝 )
会場:東京都写真美術館 2階展示室
〒153-0062 東京都目黒区三田 1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
開館時間:10:00 ~ 18:00(木・金は 20:00 まで)※入館は閉館の 30 分前まで
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は開館し、翌火曜日休館)
料金:一般 700(560)円/学生 600(480)円/中高生・65歳以上 500(400)円

対談/内藤礼(現代美術作家)×川内倫子
2012年5月25日(金) 18:30~20:00
会場:1階ホール(定員190名)
対象:本展覧会の半券をお持ちの方。
受付:先着順/当日午前10時より1階受付にて入場整理券を配布します。

対談/原田郁子(音楽家)×川内倫子
2012年6月22日(金) 18:30~20:00
会場:1階ホール(定員190名)
対象:本展覧会の半券をお持ちの方。
受付:先着順/当日午前10時より1階受付にて入場整理券を配布します。

担当学芸員によるフロアレクチャー
2012年5月18日(金) 14:00~
2012年6月1日(金) 14:00~
2012年6月15日(金) 14:00~
2012年7月6日(金) 14:00~
※本展覧会の半券(当日有効)をお持ちの上、会場入口にお集まりください。