写真はすべてイメージです(多摩美ハッカースペースより提供)

ムーブメントが世界規模で盛り上がっているデジタルファブリケーションをアートに活用するラボ形式の公開制作プログラム「ハイブリッドアートラボ」が9月17日から11月22日まで、府中市美術館で開催される。

デジタルファブリケーションに関しては、以前CBCNETで紹介した「なんでも自分たちで作ろう、パーソナル・ファブリケーションの実践 」も参考にしてほしい。

デジタル機器によるものづくり(デジタルファブリケーション)が、広く普及し始める中、コンピュータグラフィックスやデジタル映像が美術のかたちを大きく変貌させたように、造形表現そのものに大きな変貌を今後もたらすのは難くない状況にある。

「ハイブリッドアートラボ」はこのような大きな変化を前に、デジタルファブリケーションによる造形表現に取り組み始めた、先駆的な作家を公開制作に迎え、多摩地区を中心に活動する新進作家や市民とともに、新たな造形とものづくりの可能性を実践して行く制作プログラム。

会場に、カッティングマシーンや3Dプリンタを用意、身の回りのデジタル機器を用いることで、ひとりひとりの創作の可能性が広がる有様を実感することが出来る、新しいタイプの公開制作。作品制作は、メディアアーティスト・久保田晃弘(多摩美術大学教授)を中心とした、作家グループによって行われる。
作家グループは、公開制作の「クルー」として公募、審査と活用講習を経た「クルー」たちが、新しい造形による作品制作に挑む。
※ クルーの募集情報はこちら

ラボの公開日には、制作の様子を見学できるほか、デジタルものづくりが体験できるワークショップや、トークイベントも開催される。
ワークショップではハイパーニットクリエーター力石咲による『編みぐるみでスマートフォンケースをつくろう』
CASA PROJECTによ『「 CASA(傘)で小物入れをつくろう!』、久保田晃弘&FabWorks(FabLab Japan)による『(ほぼ)なんでも作るワークショップ!(ただし美しいもの)』など充実した内容を予定している。

世界同時進行で始まりつつある、デジタル工作機器によるものづくり、デジタルファブリケーションの世界にふれるよい機会となりそうだ。

Information

ハイブリッドアートラボ
http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/kokai/kokaiitiran/kokai_hybridartlab/

期間 : 2011年9月17日(土曜日)から11月23日(水曜・祝日)まで
開館時間 : 午前10時から午後5時
場所 : 府中市美術館・公開制作室
休館日 : 月曜日(9月19日、10月10日をのぞく)、9月20日(火曜日)、10月11日(火曜日)、11月4日(金曜日)
主催 : 府中市美術館
企画協力 : ハイブリッドアートラボ
制作監督:久保田晃弘
企画担当:岡田智博
会場構成:新野圭二郎
協力 :
多摩美術大学情報デザイン学科・絵画学科版画専攻、FabLab Japan、グラフテック株式会社、株式会社インクス、アルフェイズ有限会社、クリエイティブクラスター

ワークショップ

(ア) 編みぐるみでスマートフォンケースをつくろう(携帯電話も可)
=力石咲(ハイパーニットクリエーター)9月25日(日)開催
(イ) CASA(傘)で小物入れをつくろう!
=HOUKO(デザイナー)10月10日(月・祝)
(ウ) (ほぼ)なんでも作るワークショップ!(ただし美しいもの)
=久保田晃弘(メディアアーティスト) + FabWorks 11月13日(日)

参加方法は、美術館WEBサイト
http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/kokai/kokaiitiran/kokai_hybridartlab/ を通じてお伝えします。

トークプログラム

オープニングシンポジウム
「デジタルファブリケーションの先駆者たちが語る可能性」
9月19日(月・祝)14:00~16:30 参加費=無料
出演:田中浩也(FabLab Japan)、松井茂(詩人)、久保田晃弘(メディアアーティスト)
司会:岡田智博(アートプロデューサー)
閉館後17:00から関係者を対象にレセプション(創作室) 参加費=500円

アーティストトーク
「デジタルファブリケーションがもたらす美とものづくりの可能性」
10月30日(日)14:00~16:00 参加費=無料
出演:久保田晃弘(メディアアーティスト)、岡田智博(アートプロデューサー)、井出洋一郎(当館館長)
ほか
司会:武居利史(当館学芸員)

ハイブリッドアート誕生!成果発表会
11月23日(水)14:00~16:00 参加費=無料
久保田晃弘(メディア・アーティスト)、クルーのみなさん

ラボディレクター

久保田晃弘(くぼたあきひろ)
1988年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。工学博士。数値流体力学、人工物工学(設計科学)に関する研究を経て、1998 年から多摩美術大学情報デザイン学科情報芸術コース教授。現在は、衛星芸術、バイオアート、デジタルファブリケーション、ソーシャルマテリアル、自作楽器によるサウンドパフォーマンスなど、さまざまな領域を横断・結合するハイブリッドな創作の世界を開拓中。