GraphersRockによる個展「IMAGE FICTION」がPUBLIC/IMAGE.3Dにて8月12日(金)から開催される。

GraphersRockはこれまでに、インターネット上で配信する音楽レーベル「Maltine Records」や「DJ TECHNORCH」の作品グラフィックを手掛けるほか、メジャー、インディーズを問わずCDジャケット、フライヤーアートワーク、アーティストグッズ等のグラフィックを制作している。

本展覧会では、GraphersRockがここ数年間に制作した未発表のパーソナルワークスやMaltine Records関連のグラフィック、手製本で極少数のみ販売していたZINEなどを収録した全100ページもの作品集「IMAGE FICTION」の発売に合わせ、その作品集から抜粋した作品とインスタレーション作品を展示する。

作品集の販売をはじめ、本展覧会のために制作した関連グッツも多数販売予定。
PUBLIC IMAGEに掲載されているインタビューも合わせてご覧頂きたい。

また、会期初日の12日(金)19時からは、アーティストを囲んでオープニングレセプションも行われる。

world’s end girl friend / ending storty

MP3 killed the CD star?

PowerBook01

PowerBook02





DTPの登場によって「コンピュータらしいデザイン」の探求に明け暮れた1990年代を経て、2000年代は「コンピュータらしからぬデザイン」へ一気に反動を起こした時代だった。つまりオールドスタイルな明朝体と、余白を活かした緩やかなレイアウトで、ざらついた手触りやアナログ感を残そうとする、人と暮らしに密着したデザインが台頭した。もう誰もがテクノやゲームらしさを忘れはじめ、もう誰もがツルツルとしたデジタルの質感を求めなくなった頃、ただ黙々とそれを追い続けていたGraphersRockは、気付くと1990年代の遺産を継承する数少ないグラフィック・デザイナーとなっていた。書体のSFテイストとボールド優先センス、スプレー跡さえスプライトのノイズに見えてくるフラットな色彩感覚、直線と曲線で構築される抽象的なパターン、記憶の底に訴えるレトロで具象的なアイコン。海外eBoyやMWM Graphicsともリンクするこれらの要素をレイヤーとして重層的に配置し、空間を覆いつくすことで視覚的な高揚感を演出する様は、流行がいつもリバイバルとサンプリングだった1990年代を、さらにサンプリング対象の一つとして消費した軽やかさの現れだ。だから思う、かつてのテクノ・デザインを2000年代後半のインターネットに甦らせたGraphersRockは、黎明期の日本のネットレーベルにとってThe Designers RepublicやTomatoのような存在なのだろうと。

ばるぼら(ネットワーカー)





Information

GraphersRock Exhibition「IMAGE FICTION」
http://3d.public-image.org/?p=5042

開催日程 : 2011年8月12日(金)~ 24日(水)
営業時間:火〜金 14:00~21:00 / 土日祝 12:00~19:00
定休日:月曜日
作家:GraphersRock
会場:PUBLIC/IMAGE.3D
東京都世田谷区池尻2-32-2 デパール池尻1F
オープニングレセプション: 2011年8月12日(金)19:00-22:00 ※参加費無料

Profile

岩屋 民穂(GraphersRock)
1978年神奈川県出身。「GraphersRock」名義でグラフィックデザインを行い、ネットレーベル「MaltineRecords」や「DJ TECHNORCH」等のグラフィックを手掛ける他、メジャー、インディーズを問わずCDジャケット、アパレルデザイン、広告媒体等、様々なメディアでグラフィックワークを展開している。2011年8月には本展示に合わせ作品集「IMAGE FICTION」をリリース。
www.graphersrock.com

PUBLIC-IMAGE.ORGインタビュー
http://public-image.org/interview/2010/09/30/tamio-iwaya.html