美術家、安部典子による8年ぶりの個展「TIME LAG – Linear- Actions Cutting Project 2011」が開催されている。

安部は、白色度が高く張りのあるユポという紙を丁寧に一枚づつカッターで切り取り、切り出した紙を重ねることで地層のような等高線を擁したオブジェを創作する美術家だ。
切り出す紙の量は時に1000枚を超え、その気の遠くなる枚数の紙を全て、何の変哲もないカッターで手作業で切っている。

安部の作品を前にすると、自分の知っている「紙」で作られていることが信じられなくなり、自分の中での紙の存在、立ち位置が一瞬ずれてしまいそうな感覚に陥る。

今回の展示作品は全て新作にとなっており、安部のリスペクトするアーティストのアートブックを同じ手法により切り抜いた作品など、興味深い展示内容となっている。

物の本質をどこで認知しているのかという点でも、安部の作品は改めて考えさせる。この機会、是非足を運んでもらいたい。







Information

安部典子 個展「TIME LAG – Linear- Actions Cutting Project 2011」
http://www.scaithebathhouse.com/ja/exhibitions/2011/03/noriko_ambe_time_lag/

会期:2011年3月25日(金)〜5月7日(土)
   12:00〜18:00
   ※日、月、祝は休廊 GW中はウェブサイトのカレンダー参照
   ※4月5日以降、開廊時間が19時から18時に短縮されています
会場:SCAI THE BATHHOUSE(東京都台東区谷中 6-1-23 柏湯跡
   http://www.scaithebathhouse.com/ja/