セブンイレブンが展開する自社ブランド・セブンプレミアムに、「ゆでたパスタであえるだけ―和風きのこソース」という商品があった。これは、茹でたパスタに和えるとお手軽に和風パスタが出来上がるという代物で、ぼくの好物のひとつだった。



しかし、過去形で書いていることからも分かる通り、半年ほど前にこの商品は一斉にセブンイレブンから姿を消し、食べることができなくなってしまった。これはぼくが住んでいる山口がロジスティクス的に切り捨てられたとかそういうことではなく、ただ単に販売終了してしまったためらしい。

少し調べれば分かることだが、このセブンプレミアムの商品は、セブンイレブンや、その親会社であったイトーヨーカドーが自ら製造しているわけではない。このゆでたパスタであえるだけシリーズも例外ではなく、裏面を見ると、販売者の項目に「キューピー」とある。つまり、OEMなのだ。きょうびOEMなどというフレーズはWindowsを買うときくらいにしか聞かないが、ともあれ、キューピーの既存の商品を漁れば、多少価格が高いかもしれないけど、これと同等の商品があるかもしれないのだ。

というわけで、ぼくはこの「ゆでたパスタであえるだけ―和風きのこソース」と互換性を持つ商品を探す旅に出た。

かつて洋麺屋五右衛門というパスタチェーン店に、地鶏の和風ペペロンチーノなるメニューがあった。それも、数年前に消えてしまったのだが、そのときは自力で再生することを選択し、実現に成功した。しかし、この「ゆでたパスタであえるだけ―和風きのこソース」から醸しだされる、大量生産ならではのデザインされた味覚は、家庭で再現することは困難である(おそらく理科室でなら再現できよう)。そのため、消費社会の象徴である、スーパーマーケットでそれを探すことにしたのだ。

あまり長々と書いても、楽しいのは自分だけなのでとっとと結論を書こう。

2chなどの情報を統合すると、「ゆでたパスタであえるだけ―和風きのこソース」のもとになっているのはキューピーの「あえるパスタソース きのこの醤油バターソース」だとされている。



実際、食べてみるとたしかに近い。しかし、違う。それは何か。それは商品名に入っているバターの風味である。これが完全に和風だしの風味を損なっている。ノリも同封されてて、和風感を演出しているのに、バターは素人のぼくでもどうかと思う。2chの連中も2chの連中である。遠心分離機があれば、バターとだしを分離した上で食すのだが、そんな装置は我が家には無い。

それでは、なにが一番近いのか。ぼくの見立てではマ・マーの「だしのうまみたっぷりの和風きのこ」である。



2011年11月現在、この「だしのうまみたっぷりの和風きのこ」が最も「ゆでたパスタであえるだけ―和風きのこソース」に近い。しかし、まだ完全ではない。この「だしのうまみたっぷりの和風きのこ」の問題点は、やや大味だという点にある。なにせ、「ゆでたパスタであえるだけ―和風きのこソース」は80gで1人前なのに、こちらは260gで2人前である。なので、いまのところの解決策としては、この内容物を鍋にあけ、煮詰めるのが良いと思われる。読者のみなさんもぜひトライして欲しいし、これ以外に「ゆでたパスタであえるだけ―和風きのこソース」に近いものがあればぜひご一報いただきたい。