新年あけて早20日ぐらい経ってしまいましたが改めまして、2015年あけましておめでとうございます!
 
で、contact Gonzoからの依頼を受け、昨年末12月はTYMOTEの井口が京都に立ち上げたデザインスタジオ「世界」に滞在させてもらって、多摩美同期の稲福と共に2週間こもって「がんばれ!ゴンゾ – 国東クッキング伝説 -」とういゲームを制作して、年明けにリリースしたのでこちらのブログでも紹介します+滞在中の様子や制作の裏話的なのを少々。

 


昨年10、11月に大分県の国東半島を舞台に開催されていた「国東半島芸術祭」という芸術祭がまず大本にあって、「国東現象.jp」はウェブ上で展開する芸術祭スピンオフ企画。そして、国東現象.jpのほうの出展作家であったcontact Gonzo一向は11月に現地取材(?)を敢行。そこで記録した画像や動画、音などを素材として、ファミコン感ある横スクロールのアクションゲームを僕と稲福で実装した、というのが今回の企画の経緯。
 
国東現象.jpで出展してる作家は概ね動画か画像かみたいなアウトプットのところ、ゴンゾは旅のアーカイブを”ゲーム”で表現しようとした発想は流石。まずそこから崩してくるという。ゴンズは毎度何か一緒にやらせてもらう度に、突拍子もない感じの面白いアイデアがぽんぽん出てくる。ホントに発想が自由で柔軟というか。とても勉強になります。
 


去年の秋ごろ、割と早い段階でこの企画の話をもらって、絶対面白そうだけどゲームつくったことない、、、という大きな不安があり、こちらも度々お世話になっている昨年フリーランスになった同期の稲福を招集(ちなみに稲福もゲーム制作経験ほぼゼロ)。予算と制作期間の兼ね合いで、短期でガツっとつくるべ!ってことになり、ゴンゾの皆さんは拠点が関西ということで、京都の「世界」をねぐらにした寄生合宿スタイルでの制作が実現。打合せも世界の事務所を使わせてもらって、話し合いを重ねながら最後まで楽しくつくることができました。はい。(2週間もの間居座って世界とは全く関係ない仕事をさせてもらい、世界の皆さんには本当にお世話になりました。多謝。)
 
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最初の打合せでイメージを共有するために「こんなんが近い」と提示されたのがスパルタンXというゲーム。だいぶ8bit。
 

「食材をバックドロップしていく」というアイデアは決まっていたらしく、バックドロップはこんな感じということで見せられたのがこのキン肉マンのファミコン動画。こんなショボい絵とたった2コマでバックドロップを全然表現出来ていてすごいと盛り上がる。
 
さらに敵となる食材の画像は、彼らが現地で撮ってきた写真ではなく、ネットでキーワードからリアルタイムに検索した画像を使うというアイデアが飛び出し、後のことは割とふわっとした感じで、ゲーム制作経験がない二人はとりあえずプロトタイプ的なの作ってみるべーと、こちらもだいぶふわっとした感じで実装開始。お互いに技術的にここどやって実装するんだろみたい不安なとこをさぐりながら別々にプロトタイプ版を制作してくことに。
 

Webで発表するもんだけどプロトタイプだしということで、自分がProcessingでちゃっと最初に作ってみたのが上の画像。動きも8bitでしょってことで、物理エンジンなどは使わず。キャラは適当にネットからとってきたもの。一方稲福ははじめから、javascriptのゲーム開発フレームワークとして有名らしいPhaserという便利パッケージを使って、物理演算でヌルヌル動く感じのものを開発。一週間後の打合せで両者がつくった別テイストのものをゴンゾたちにプレイしてもらう。
 
結果、物理演算によってキャラが逆さになったり読めない動きするのが面白いってことで、稲福のプロトタイプベースで制作を進めていくことに。ただWebに埋め込んでブラウザでプレイしてもらうスタイルだと、このゲームの一つのポイントである「バックドロップした敵画像がローカルにダウンロードされる」という機能の実装が厄介なので、ゲームのバイナリデータをダウンロードしてローカルでプレイしてもらう方式に変更。稲福が書いたjsのコードを活かせるということで、最終的なアウトプットにnode-webkit(Adobe AirのHTML5版的なの)を使ってアプリ化することに。この辺から完全に稲福先生主導で制作を進める形になり、いろいろ勉強させてもらいました。
 
ゲームのドット絵のキャラはゴンゾメンバーのミカジリさんによるもの。またゲームのBGMは、現地で安いキーボードを買って、旅の道中での即興演奏を録音したものとのこと。「ペロペーロ」とか「バター焼き!」とか「ふわふわ」などの効果音は、打合せの時にゲラゲラ笑いながらその場でiPhoneで録音した。ゴンゾはいつも(良い意味で)すごく適当だし、どんな時も即興である。
 
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そうして出来上がったゲームは、バックドロップした画像がローカルに勝手に保存されていくわけですが、10点取るごとに直近10枚の画像が背景画像の上でコラージュされ、その上にその時下にスクロールされてた日記のテキストが画像に入り込んだコラージュ画像が生成されます。それがまた勝手にローカル保存され、さらにその画像がゲームウィンドウの背景に表示され、100点獲得でゲームクリアとなり、最後にvimeoのリンクが表示され、エンディング動画を見ることができる。またゲームの最後に #がんばれゴンゾ国東クッキング伝説 というハッシュタグ付きでスコアをツイートできる。他、NAZEくんのキャラが敵をなぎ倒してくれる隠しコマンドや、こっそりお正月モードも仕込んだ。敵をバックドロップしていくだけのシンプルなゲームだが、なかなか奥深いものになったと思う。そしてハマる。
 
contact Gonzoが昨年10月に発表した、西京極スタジアムを使った大規模なパフォーマンス公演『xapaxnannan(ザパックスナンナン):私たちの未来のスポーツ』は、たまたま京都いて生で見たのだけど、ダンスとして見ればダンスに見えるし、スポーツとして見ればスポーツとしても見れる。ルール(振り付け)と即興の中間を模索し、結果見たことありそうでない、新しいスポーツであると同時に新しいダンスでもある、新しいジャンルの表現のように見えた。今回のゲームも体験の記録にもなるし、ゲームとしても成り立つ。新しいアーカイブのスタイルとしてのゲーム。ゴンゾによるバーチャル空間でのパフォーマンスとも捉えられなくない。二つの既成カテゴリの間でもの事を成り立たせようとすることで、表現の方法自体を開発、発明している。と思う。
  
ということで、まだプレイしてない人は是非ゲームをダウンロードしてプレイしてほしい!
 
がんばれ!ゴンゾ – 国東クッキング伝説 -
http://国東現象.jp/g07/
 
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滞在中、稲福と足繁く通ったのが出町柳商店街付近にある近所の王将。チェーン店らしからぬたたずまいで、30分茶碗洗いするとタダ飯が食えるということで全国的に有名。ただでさえ安いのに100円割引券くれるしものすごいボリューム。お世話になりました。
http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260302/26007759/
 

あとよく行ったのが、イノウエジュンさんのかっこいい作品がある、鴨川沿いの超おしゃれスタバ。ゲーム制作以外の作業することがちょいちょいあって、だいたいここか近くのモスバーガーにいました。
http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260202/26003270/
 

出町柳にはにぼ次郎という二郎系のラーメン屋もあって、魚介系のスープとミックススタイルという珍しいものだったので期待して行ってみたけど、スープ以外はあんまりな感じだった。ダブルラリアットという新たな二郎系ラーメン屋も最近できたみたいなので次京都行った時は行くべし。
http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260302/26018246/
 




TYMOTEで制作したISSEY MIYAKEのクリスマス企画の店内ディスプレイが見たくて、滞在中、一度大阪にも足を運んだ。出町柳駅から電車一本で一時間以内で行けるので便利。駅の中にあるアートエリアB1というオルタナティブスペースで、ちょうど伊東篤宏、宇治野宗輝、鈴木昭夫、藤本由紀夫、八木良太と有名どこがずらりのサウンドアート展がやってたり、歩いてたらたまたまラバーダックに遭遇したり、TYMOTEの店舗ディスプレイは自分も参加してるのでアレなんですが、想像以上に良くて、BICTIONの主催者の一人で大阪在住のモンさんにはドープな大阪を案内してもらって朝まで飲んだり。しかし京都に比べるとホント都会でビックリした。あとたこ焼きうまかった。
 

あと最後、出町柳オススメ情報として書いておきたいのが、今スイーツ好きの間で全国的に人気らしい、阿闍梨餅(あじゃりもち)が発祥したお店、阿闍梨餅本舗満月本店。美味です。
http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260302/26003917/
 
 
以上、京都滞在成果報告でした〜