デザイン、アート、テクノロジーに特化したカンファレンスイベント「FITC Tokyo 2015」が今年も開催!2015年2月7日(土)、8日(日)の2日間、昨年と同じくお台場の日本科学未来館にて、世界中から集まった最前線のデジタルクリエイターたちがプレゼンテーションを繰り広げる。
「FITC Tokyo」の開催は今回で6回目。昨年は演出振付家のMIKIKOが登壇し、Perfumeをめぐるコンセプト、制作プロセスなど、ダンスとテクノロジーを繋ぐ演出についてのプレゼンテーションを行い、大きな話題を呼んだ。FITCの特徴は、デジタル・クリエイティブに特化し、最新の事例をクリエイター自身が語ってくれるところ。インタラクティブ、テクニカル、デザイン、ビジネスなど、急速に変化し続けるこの業界の最先端の話題がいつも取り上げられる貴重な機会だ。合わせて行なわれるパーティでは、ネットワーキングの機会も提供される。
今回登場するゲストの一人、「Google Gravity」やオンラインのミュージックビデオ「ROME」のプログラム、three.jsなどのオープンソースライブラリとツールの開発を手がけるMr. doobことリカルド・カベッロにインタビューした。
Q. 最近どんな仕事をしていますか?
ここ5年のあいだは、主にthree.jsというJavaScript 3Dの開発を容易にするためのライブラリーの開発に注力していたよ。そしてこのプロジェクトに連携するかたちで、プログラミングのスキルがない人々でも作品がつくれるようなエディターの開発も始めたんだ。2015年にはこのエディターを実際に使ってもらって役立つような完成度に到達させたいね。もうひとつ、frame.jsというアニメーションシーケンスの作成を助けるライブラリーの開発もしているけど、こっちはまだごく初期のステージなんだ。昨年末は、MozillaのMozVRプロジェクトの手伝いもしていた。これはWebVRという、WebからVRデバイスを操作するための新しいAPI群のデモンストレーションなんだ。
Q 世界でも最新のVRのプロジェクトに関わっているんですね。海外でのVRでの状況はどうなっていますか?
Google Cardboardによってスマートフォンを持っている誰もが$20あればVRにアクセスできるようになった。ヘッドストラップが付属していないのが残念だけどね。GearVRはVRヘッドセットのなかでも最新で最良のものだ。これはSamsung Galaxy Note 4を機器本体およびスクリーンとして使い、Oculusの持つ独自のソフトウェアプラットフォームが組み込まれている。GearVRとOculusのソフトウェアの組み合わせによりはじめて、ヘッドセットを着けたままで異なるゲームやVR体験を次々にダウンロードし、楽しむことが可能になったんだ。もうひとつ興味深いトピックは、VR世界とのインタラクションの仕方についてだ。Leap Motionは、VRヘッドセット自体にマウントされることで、ついにその有用性を示し始めたようだ。いま、この分野においていくつもの実験的な試みがなされているよ。
Q VRコンテンツを作るときに気をつけていることは何ですか?
パフォーマンスだね。なによりまず、ユーザーの頭の動きに応じた視覚フィードバックが戻されるまでの遅延は最小限にしなければならないんだ。それをまずきちんとやってから、その次にVRコンテンツ自体の見た目を良くすることにフォーカスするんだ。
Q FITCで何を話す予定ですか?
リカルド:おもに、ぼくが最近開発に取り組んでいるツールについて話をするつもりだ。それらのツールがみんなのクリエイティビティや生産性をパワーアップさせられるといいなと思っているんだ。
ほか、今回のFITCにも、カッティング・エッジなプロジェクトを手がけるクリエイターたちが登壇。いまトレンドになっている「グリッチ」や「データモッシュ」をもちいた表現をいち早く行っていたクリエイター、デビッド・オライリー。今年、プレイヤーが山になれるシミュレーション・ゲーム「MOUNTAIN」でも話題を呼んだ彼が、3Dソフトウェアを使用したアート制作プロセスについて講演を行う。そしてクリエイティブディレクターでありデザイナーのアッシュ・ソープ。ハリウッド映画「猿の惑星: 新世紀」や「アメイジング・スパイダーマン2」などにおいてモーション・グラフィックスのデザイナーを手がける気鋭の存在だ。彼が語るクリエイティブブロック(創作活動で直面する壁)、疑念、落ち込みの克服方法、目標を見失わないようにする方法などはぜひ聞いておきたいところ。またクリエイティブコーダーのマリオ・クリングマン、ソフトウェア・サウンド・光・空間を使ったビジュアル・アートを手がけるソウゲン・チュン、デザイン・ディレクターのGMUNKら、最先端のデジタル・アーティストらが来日する。
日本からは、メディア・アーティストの真鍋大度、やんツー、藤岡定のほか、顔面プロジェクションマッピング「OMOTE」で話題のクリエイター浅井宣通、Takram Design Engineeringの緒方壽人、マルチメディア・アーティストのBaiyonらが出演。
彼らのトークは、新しいアイデアやコンセプトを見つけ、デザインとアートに関するテクノロジーの限界を打ち破るヒントになるはずだ。
2015年1月31日までは、チケットの早期割引が行われている。是非チェックを!
Information
FITC Tokyo 2015http://fitc.ca/tokyo/
開催日:
2月7日(土)〜2月8日(日)13:00~18:30 [2日間開催]
会場:
日本科学未来館 7F 未来館ホール
早期割引チケット:
早期早割2日間チケット 13,000円(学生7,000円)
早期早割2/7 1日チケット 7,000円(学生3,500円)
早期早割2/8 1日チケット 7,000円(学生3,500円)
通常チケット (2015年2月より若干枚数販売):
2日間チケット 16,000円(学生9,000円)
2/7 1日チケット 9,000円(学生4,500円)
2/8 1日チケット 9,000円(学生4,500円)
スピーカー:
Baiyon
Bradley (GMUNK) Munkowitz
Cod.Act
David OReilly
Motoi Ishibashi
Tsuyoshi Nakao
yang02
アッシュ・ソープ
ソウゲン・チュン
マリオ・クリングマン
リカルド・カベッロ
浅井 宣通
真鍋 大度
緒方 壽人
藤岡 定