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真鍋大度、MIKIKO、ジェイソン・ホワイトら、伝説のステージを生んだクリエイターが登場!FITC Tokyo 2014 開催直前特集

January 10, 2014(Fri)|

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今年も国際的なクリエイティビティのカンファレンス、FITC Tokyoの季節がやって来た。
2002年にカナダで始まったこのイベントでは、デジタルクリエイティブ領域で活躍するクリエイターたちが制作プロセスやインスピレーションソースについて語る。PARTYの清水幹太氏をして、「FITCには“開発者魂というバーバル”がある」と言わしめた、言葉の壁を超えてアイデアを共有できるイベントだ。
今年はどんなスピーカーが揃っているのだろう?さっそく気になるスピーカー陣をチェックしてみよう。

今年のFITCは、ステージに関わりの深いクリエイターたちが登壇!


昨年は真鍋大度氏、ザッカリー・リバーマン氏、カイル・マクドナルド氏など、openFrameworks(oF)コミュニティのスターが勢揃いしたFITC。今年は昨年にひきつづき登壇する真鍋氏に加えて、Perfumeの演出・振付で知られるMIKIKO氏、プロジェクションマッピングを取り入れたAMON TOBINのライブ・パフォーマンス「ISAM LIVE」を手掛けたクリエイティブ・スタジオLeviathanのジェイソン・ホワイト氏など、ステージに関わりのあるクリエイターが目立っている。ここ数年で、音楽とビジュアルを等価に扱うオーディオビジュアルパフォーマンスや、リアルアイム性のあるステージのディレクションという概念がすっかり浸透した。彼らはその隆盛に大きく貢献してきた。今年のFITCでは、そんなステージやパフォーマンスにまつわるクリエイティブの最も新しい状況を目撃することができそうだ。


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1. 真鍋大度
http://daito.ws/


Eyeo Festival、Sonar Festival、Ars Electronica、STRP Biennale、Scopitone Festival、 Transmedialeなど、海外でも積極的に講演や作品発表を行う真鍋大度氏。2013年12月に行われたPerfume 4th Tour in DOME 「LEVEL3」や紅白歌合戦のテクニカル・ディレクションが記憶に新しい。今やリアルタイムムーブメントを取り入れた舞台設計やインスタレーションの最重要人物といえる存在だ。その真鍋氏のプレゼンテーションのタイトルが「最近やったアートワーク、広告ワーク」と銘打たれていることに注目してほしい。真鍋氏にとっては、最近手掛けたワークがもっともエキサイティングであり、その内容には本番直前まで徹底的に手を加え続けるということだろうか。


Perfume NEW ALBUM 「LEVEL3」 (Teaser)

Perfume Global Site Project #003、カンヌライオンズ2013でのパフォーマンス、2020年東京オリンピック招致のプレゼン、東京都現代美術館の「うさぎスマッシュ展」に展示された株式市場(東証一部)のデータを可視化・可聴化したインスタレーションなどなど、2013年も多数のプロジェクトを手掛けた。真鍋氏が今考えていることを知るには、生のトークが最も有効。ぜひとも会場で、その内容を確かめたい。

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2. MIKIKO
http://artist.amuse.co.jp/artist/mikiko/


多種多様なダンス経験を元に、Perfumeなどの演出振付家として活躍するMIKIKO氏。Perfumeのステージには、いたるところにMIKIKO氏のアイデアが生きている。Perfumeのダンスを十数年にわたり指導してきたMIKIKO氏は、Perfumeメンバーのカリスマ的存在であり、今やファンにも“MIKIKO先生”と慕われる存在だ。自らが全ての演出や映像のディレクションを担当したPerfume 4th Tour in DOME 「LEVEL3」で16万人を動員し、初のPV集「Perfume Clips」の予約購入がAmazonのベストセラーの1位にランクインするなど、とどまるところを知らないPerfume人気。そのムーブメントを、オリジナリティ溢れる振付けやGlobal Site Project、ライブの演出が盛り上げてきたことはいうまでもない。


Perfume 「ポリリズム」 from LIVE DVD「Perfume LIVE@東京ドーム1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11」:PerfumeとMIKIKO氏、ライゾマティクスが初のコラボレーションを行った記念すべきライブ公演

今回MIKIKO氏が語ってくれるのは、Perfumeをめぐる演出のコンセプト、制作プロセスなどといった、今、最も気になる部分。真鍋氏も“パフォーマーに対してどう指示するかは、演出にMIKIKOさんが入っているからできていること”と語っている。どんなに技術者が優れていても、優秀なパフォーマーが揃っていても、その間をつなぐ演出家がいなければ、圧巻のステージは実現できないのだ。これまであまり詳しく語られてこなかった、演出とテクニカル、両方面からの話に注目が高まる。


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3. ニール・メンドーサ
http://neilmendoza.com/


デジタルとメカニカルテクノロジーを駆使し、まるで錬金術のようにモノやスペースに命を吹き込んでしまうメンドーサ氏。彼は is this good? というクリエイター集団の創立メンバーでもあり、アーティストや企業などと連携し、マジカルなインタラクティブアートを手掛けている。まずは、下の動画をご覧になってみてほしい。


Escape by Anthony Goh and Neil Mendoza

動画の中で首をかしげているロボットは、ジャンクの電話とArdiuno Miniで構成された“モバイルフォンバード”。設定された番号に電話がかかってくると、動いたり鑑賞者に話しかけたりする。メンドーサ氏はオックスフォード大学で数学とコンピューターサイエンスの修士号を取得し、ゲーム開発や数値解析などのさまざまな分野で活躍。数々の作品がサイエンスミュージアムや博物館などに展示されている。セッションでは、制作プロセスとその過程で生じる課題、遊び心のあるテクノロジーによって人とつながる方法についてレクチャーする。


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4. ジェアード・フィックリン
http://www.frogdesign.com/


ジェアード・フィックリンは、FROGDESIGN.COM に籍を置く技術設計者。タッチ、マルチタッチ、音声、ジェスチャーなどのインプットを伴うインタラクション技術に注力し、HP、Microsoft、AT&T、LG、SanDisk、MotorolaをはじめとするクライアントにUXデザインを提供してきた。下のビデオはTED2012で行われたプレゼンテーションの模様だが、こちらはクライアントワークではなく、音楽を炎や光などに視覚化する、彼の趣味だという。


Jared Ficklin: New ways to see music (with color! and fire!) 翻訳付のビデオはこちら

プレゼンテーションでは、昨今のデジタルライフスタイルの変化や小型のコンピュータデバイスの普及にともなう設計方法への影響から、将来的なコンピューティングパターン、新しいインタラクションやデジタルエクスペリエンスへの取り組み、方法などについて語る。
また彼は、インタラクティブに特化したフェスSXSW Interactiveにて開催される SXSW Interactive Opening Party(別名:フロッグパーティ)の開催を長年サポートしてきた人物でもある。2013年のSXSW Interactiveには、真鍋氏も参加していた。この機会に、フィックリン氏の豊かなクリエイティブの世界に触れてみたい。


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5. ジェイソン・ホワイト
http://lvthn.com/


プロジェクションマッピングを用いたビジュアルパフォーマンスの先駆けとなったAMON TOBINの “ISAM” ライブを手掛けたことで知られるクリエイティブ・ディレクターのジェイソン・ホワイト氏。 イリノイ・インスティテュート・オブ・アートを卒業後、Filmworkers、Lift Motion Designを経て2010年にクリエイティブスタジオ Leviathan を共同設立し、瞬く間に業界のトップへと登りつめた。


Splinter Cell: Blacklist E3 Launch / Client: Ubisoft

プレゼンテーションでは、AMON TOBINのコンサートビジュアルや、ヒューレット・パッカード、Ubisoftなどの事例を紹介し、Leviathanならではのメソッドやコンサートビジュアルの企画・製作の課題、未来のビジュアル体験を生み出す革新的なアプローチについて語ってくれる。


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6. 徳井直生
http://qosmo.jp/


クリエイター集団「Qosmo」代表。また個人名義でもプログラミングを駆使した音楽・インスタレーション作品を発表するなど、多岐に渡る活動を展開している徳井直生氏。次回のプレゼンテーションのテーマは、シリコンバレーにあるアクセラレータ 500 startups 発のビデオメッセージアプリ「unda」。


Unda – Fast, Fun and Free Video messaging with your friends

Vine、 Instagram、Snapchat、そしてLineが人気を集めている今、ノンバーバルなビジュアルコミュニケーションはどのような未来を描いていくのだろうか?徳井氏がunda創業者 / CTOとしての経験をふまえ、次世代コミュニケーションツールをデザインする上で必要となるであろう考え方、その未来像について語る。


そのほか、イラストレーター / デザイナーのサラ・ブレーク「意図と願望の法則」、ゲームエバンジェリストのアンディ・ホール(Adobe)「モダンなウェブをモダンなツールで創ろう!Modern Tools for the Modern Web」、Flashコンテンツ制作で知られる開発者のグラント・スキナー「CreateJSでよりインタラクティブに」といったプレゼンテーションが予定されている。

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またFITCには、登壇者をはじめとするクリエイターや業界人が集い、充実したネットワーキングをはかることができる。直にインスピレーションを刺激し合えるというカンファレンスならではの醍醐味を、ぜひ会場で味わってみてほしい。さらに、詳細はまだ発表されていないが、レクチャー後にはパーティの開催も予定されているとのこと。開催情報のアップデートを楽しみに待ちたい。


Information

FITC Tokyo 2014
http://fitc.ca/event/tk14/
https://twitter.com/fitctokyo
https://www.facebook.com/fitctokyo

開催日:2014年2月15日(土)-16日(日)13:00~18:35
会場:日本科学未来館 ( http://www.miraikan.jst.go.jp/ ) みらいCANホール
東京都江東区青海2-3-6

チケット販売価格:
【早期割引料金】
一般
2 day Ticket ¥13,000
1 Day Ticket ¥7,000

グループチケット(4名以上)
2 day Ticket ¥12,000

学生早期割引
2 day Ticket ¥7,000
1 Day Ticket ¥3,500

スピーカー:
ニール・メンドーサ
サラ・ブレーク
真鍋 大度
ジェイソン・ホワイト
MIKIKO
アンディ・ホール
グラント・スキナー
ジェアード・フィックリン
徳井直生


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